この像は、像高45センチ、ヒノキ材の一木造で、漆箔が施されています。膝部を矧付け(はぎつけ:接着すること)してあり、目には玉眼(ぎょくがん:目の部分に水晶をはめ込む技法)が施されています。肉髻(にっけい:頭頂部の肉が隆起して、一段盛り上がっている。仏の身体的特徴の一つ)はやや低く、螺髪(らほつ)も大粒に刻んでいます。額には白毫(びゃくごう:眉間に生えた白く長い毛が円形になったもの)があります。頬も豊かで、肩幅も広く、衣文の彫りも浅く古様です。手の一部は失われています。台座は後年に造り替えられたもので、裏に「宝暦七年有島村仏師吉江加平次正治作」の墨書銘があります(宝暦七年=1757年)。小型ながら、写実的で重々しい雰囲気を持ち、作風から室町時代の制作と考えられています。
昭和56年5月13日に吉川町文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。