ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

素描作品

印刷用ページを表示する 掲載日:2010年12月9日更新

作品「菖蒲」 写生(画像)

「菖蒲」 写生  1951年(昭和26) 50.0×34.0cm

昭和27年、最後の院展出品作となった「菖蒲」の写生画と思われる。昭和27年頃から古径は体調を崩し、展覧会への出品は控えるようになった。
この写生画では、極力抑えられた色彩とともに菖蒲のもつ生命力と清らかな自然の美を感じさせてくれる。写生画とは言えども完成度の高い作品ということができる。

作品「莟」 習作(画像)

「莟」 習作  1955年(昭和30) 56.0×45.5cm

昭和30年、第7回清流会展に出品された「莟」の習作である。
古九谷の壺に一輪の薔薇が挿されている。本画においては、黄色の薔薇はこれから花を咲かせようとする莟の段階であり、古九谷の文様に施されている花との対比が興味をひく。また、壺に描かれている赤と青の色彩に薔薇の黄色の色彩が「八重山吹(瓶花)」と同様の手法で描かれているが、この作品では画面の中の無駄なもの一切を省略し、より単純化を図っている。
この作品は小倉遊亀に影響を与えた作品であり、小倉は「古九谷とマンゴウ」(昭和63年)を描いてこの古九谷を登場させた。
また、「莟」の習作では、壺の頸から肩の部分の文様を省略していることがわかる。

作品「源氏物語(夕霧)」 模写(画像)

「源氏物語(夕霧)」 模写  制作年不明 22.0×40.0cm

小林古径の描いた絵巻作品には、「竹取物語」(大正6年、京都国立近代美術館蔵)、「清姫」(昭和5年、山種美術館蔵)があり、いずれも古径芸術を象徴する作品であるといえる。古径がこれらの作品を描くにあたって、この『源氏物語』をはじめとしたさまざまな絵巻を鑑賞し、模写することによって自身の制作にいかしていたことがわかる。

作品「大野寺」 写生(画像)

「大野寺」 写生  1932年(昭和7) 42.0×28.0cm

昭和8年 再興日本美術院展に出品された「弥勒」のための写生画である。
大野寺は室生寺の末寺として古くから「室生寺の西門」と呼ばれてきた寺であり、宇陀川沿いの岩盤に線刻された磨崖仏は鎌倉時代初期(13世紀初め)の作と考えられている。高さ約12メートル、幅約6メートルという巨像が刻まれた風光明媚な土地は、まさに浄土だったであろう。その雰囲気を古径も春景色として表そうとしたのかもしれないが、出品当時は不評を買った。20年後の回顧展の時、手を入れ直して出品したと言われている。
この写生画は、弥勒仏像上の土坡と木々の写生である。