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国宝謙信公太刀取得に向けたこれまでの経緯

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年1月24日更新

国宝謙信公太刀取得に向けたこれまでの経緯

 教育委員会では、上杉謙信公・景勝公が愛用した国宝「太刀無銘一文字(号 山鳥毛)」の取得に向けた取り組みを進めてきましたが、太刀所有者との間で契約金額の合意を得ることができず、取り止めることといたしました。
 平成28年8月に国宝太刀の取得意向を公表して以来、市民をはじめ、企業・団体など多くの皆様から期待を寄せていただいた中で、取得に至らなかったことは残念であり、申し訳なく思っています。
 取得の取り止めに至る経緯について、皆様からご理解をいただくため、これまでの交渉の経過や市の動きなどをお伝えします。

太刀所有者との交渉の経過と市の動き

平成27年

6月16日 

新潟県立歴史博物館から、太刀の所有者が謙信公ゆかりの地へ太刀を譲渡したい意向との情報を受ける
太刀について、さまざまな調査をし、「市民の宝」として迎え入れるに相応しいことを判断

9月2日 

所有者との面会(1回目)で、市との交渉に応じることを確認。所有者は10億円を提示したものの、「金額だけで決める気持ちはない。公立館での収蔵がよい」との意向を示す

9月29日 

教育委員会定例会(以下、定例会)で経緯を説明 

平成28年

3月11日

所有者との面会(2回目)で、市は公立館で購入する場合、専門家による価格評価額を契約金額の上限とすることと、寄附金を募りたいこと、また、その目標額として3億円を示す。所有者は価格評価の実施を了解し、 「最初は3億円、状況を見て変更」と提案する

3月25日

定例会で経過報告

5月31日

新潟県立歴史博物館へ価格評価方法について確認

6月15日

所有者からメールで、所有者は最低3億円以上とし、市の予算と寄附等によりできるだけ10億円に近づけたいとの意向を示す

6月16日

価格評価が3億2千万円との結果を受け、所有者へ通知

6月25日

所有者が、予定対価3億2千万円、譲渡先を上越市と記した「国宝・重要文化財の国に対する売渡しの申出」を文化庁に提出

6月27日

所有者からメールで、文化庁の知人へ上越市への太刀譲渡について連絡したことの報告を受領
定例会で経過報告

7月6日

所有者との面会(3回目)で、契約金額は評価額以内であることと、市議会の手続きなどを説明し、所有者との合意を直接確認

ポイント1 契約金額に関する合意の確認

7月26日

定例会で経過報告

8月18日

上越市博物館協議会で太刀取得は「適当」と答申を受ける

8月19日

定例会で太刀取得の意思決定

8月23日

市長記者会見で太刀取得を目指すことを公表

12月まで月1回程度、所有者に市内の取組状況などをメールで報告

10月1日

太刀取得について、ふるさと納税の募集開始

11月15日

28の地域自治区で市民講座を開催(~12月22日)

12月1日

所有者からメールで、12月中の契約締結を打診されるとともに、6日には市の太刀取得の意思や、ふるさと納税の取り組みへの不安が示される

12月19日

所有者に仮契約書の草案を送付。太刀取得に向けた購入予算の準備を進めていることをメールで報告
この後も、市民講座の結果や寄附金の状況、面会の要望などをメールで連絡

ポイント2 所有者からのメールへの対応

平成29年

3月2日

所有者との面会(4回目)で、太刀取得の手続きやスケジュールを説明

3月8日

所有者からメールで、契約金額の増額希望を受ける(以降も数回あり)

ポイント3 契約内容に関する確認

3月24日

市議会で太刀取得の予算が議決される
所有者にメールで、議会の議決の報告と面会を要望

4月11日

所有者へ書簡(教育長名)を発送し、面会を要望

5月18日

所有者との面会(5回目)で、所有者は3億2千万円では契約できないと意思を示す

5月23日

市長記者会見で、契約交渉の開始を報告

5月30日

所有者から書簡を受領。交渉内容を担当者が教育長へどのように報告しているのか確認を受ける

6月6日

所有者へ書簡を発送

6月13日

所有者から書簡を受領。複数の契約金額の提示を受ける

7月19日

所有者へ書簡を発送。3億2千万円は双方が合意した金額であることを提示

7月27日

所有者へ書簡を発送し、面会を要望
教育委員会臨時会で経過報告

8月8日

所有者の元へ訪問し、面会を断られる(~10日)

8月21日

定例会で経過報告

8月25日

所有者へ書簡を発送し、面会を要望

8月28日

市長記者会見で交渉の状況を説明

9月5日

所有者から市長宛ての書簡を受領。所有者は太刀の売却を白紙に戻す意思を示す

9月11日

市議会の文教経済常任委員会で交渉状況を報告

9月15日

所有者へ書簡を発送(受取拒否のため10月11日まで4度再送)

10月18日

所有者から市長宛ての書簡を受領。契約金額についての考えを提示される

11月8日

所有者との面会(6回目)で、所有者は契約金額の増額を希望し、当市へ売却しない意思を示す。市は契約の締結はできないと判断

ポイント4 太刀取得の最終判断

11月20日

定例会で太刀取得の取り止めの意思決定

11月21日

太刀取得の取り止めに伴い、予算の減額を市議会に提案
教育長が記者会見で太刀取得の取り止めを公表

11月22日

市長記者会見

12月15日

市議会で予算の減額が議決される。太刀取得の取り止めが決定

ポイント1 契約金額に関する合意の確認 (平成28年6月25日~7月6日)

 契約金額に関する合意について、教育委員会は3回目の面会がポイントであったと考えています。まず、所有者は「国宝・重要文化財の国に対する売渡しの申出」を文化庁へ提出し、その後、文化庁の知人との間で交わした具体的なやり取りの内容を当市へ報告されました。これを受け、教育委員会は3回目の面会において、契約金額は評価額以内であること、また、太刀取得の予算と契約は議会の議決が必要となることを説明し、3億2千万円を上限とする契約について、双方が合意したものと判断しました。

ポイント2 所有者からのメールへの対応 (平成28年12月1日~2月19日)

 教育委員会へ、「上越市は、本当に購入する気があるのだろうか」「ふるさと納税を工夫していただかないと3億2千万円以上は無理なんじゃないか」とのメールが寄せられました。3回目の面会後、約半年が経過していたことから、教育委員会は、所有者が当市の太刀取得の取り組みに不安を覚えたのではないかと考え、契約金額3億2千万円の仮契約書の草案を送り、予算の準備を進めていることを報告しました。

ポイント3 契約内容に関する確認 (平成29年3月2日~3月8日)

 教育委員会は4回目の面会において、太刀取得に向け3億2千万円を予算計上したこと、また、議会の議決、契約などのスケジュールを説明しました。所有者からは複数口座への入金、輸送方法などについて具体的な要望がありました。このため、教育委員会は議会の議決後、早期に仮契約が締結できると考えていました。しかし、その後、所有者は3億2千万円からの増額を希望しました。

ポイント4 太刀取得の最終判断 (平成29年5月18日~11月8日)

 所有者の増額希望に対し、教育委員会では、5回目の面会や書簡などを通じて、契約金額は評価額の3億2千万円が上限であることを再度伝え、この金額での交渉を進めましたが、理解は得られませんでした。
 ようやく11月になって実現した6回目の面会において、所有者は契約金額5億円を提示し、当市に売却しない意思を明らかにしました。これを受け、教育委員会は所有者に取得を取り止める意向であること、議会で太刀取得の予算の減額を提案することを伝え、交渉を終了しました。

今後の取り組み

 太刀の取得断念に至った原因について、教育委員会としては、契約金額に関し、双方の解釈に齟齬が生じたことによるものと考えています。あわせて、市民の皆様への約束を果たせなかった事実を重く受け止めています。
 これまでの取り組みに際し、28の地域自治区で開催した市民講座や電話、メールなどで、市民の皆様からさまざまなご意見をいただきました。それぞれの思いを改めて認識した上で、謙信公が大切にした「義」の心の精神、それを受け継いだ郷土の偉人や故郷の歴史を学ぶ教育の充実を図りながら、今まで以上に謙信公の顕彰と伝承に努めていきたいと考えています。
 また、土砂崩落の被害が発生した春日山城跡の復旧工事が、昨年12月に完了しました。引き続き、謙信公の居城となった本城跡の環境整備を行うとともに、市内に残る謙信公関連の文化財の保存に努め、ふるさとに対する市民の愛着と誇りの醸成を図っていきます。

歴史博物館としてリニューアルオープン

 国宝太刀は、「歴史博物館」として再生する総合博物館の改修後の展示の大きな柱と位置付けていたことから、太刀の展示がなくなることによる影響はありますが、市内にある上杉家ゆかりの品々の展示や、他の博物館から展示品を借りて、さまざまな企画展を開催するなど、魅力ある博物館となるよう努めていきます。

寄附金の返還について

 国宝太刀の取得のためにいただいた寄附金につきましては、寄附された方へ返還についての意向を確認する文書をお届けし、返還を希望される場合は3月末までに返金します。なお、市内に設置した募金箱を通しての寄附については、お名前や金額を確認できず、返金が困難なことから、募金された皆様の謙信公やふるさとに対する思いを大切にした上で、一般の寄附金として取り扱わせていただきます。

広報上越1月15日号12~13ページ 国宝謙信公太刀取得に向けたこれまでの経緯 [PDFファイル/1.23MB]