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村山市長記者懇談会(平成27年7月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年8月29日更新

開催日:平成27年7月30日(木曜日)


(市長) 暑い中ありがとうございます。心待ちにしていた、高田・直江津祇園祭があっという間に終わりました。8月は、賑わいや活気のある、熱い夏になってほしいと思っています。
 昨年の海水浴客は40万人を割りました。例年ですと60万人くらいの人出があるのですが、昨年は天候がよくなかったため、賑わいが出なかったということです。今年は多くの人出があってほしいと思います。また、8月中旬までは蓮まつり、8月下旬には謙信公祭がありますので、活気や勢いのある夏になってほしいと思います。
 原子力災害の関係ですが、県が28日に広域避難の市町村マッチングを示しました。全避難者は県内にとどまる計画となっており、上越市はUPZエリア内の方は市内で避難をしていただく形で整理されています。これを踏まえながら、市の避難計画にもきちんと盛り込み、市民のみなさんに周知をしていきたいと考えています。なお、雪があるときや地震・津波がきたときなど、複合災害が起きたときの課題もありますし、移動手段、要配慮者といわれるお年寄りや子どもさんをどのように避難してもらうかという課題もあります。このような課題を含めながら、出来ることを一つ一つ前に進めていくしかないと思っています。
 もう一つは地方創生でございますが、これからアクションメンバーによる議論の機会が多くなると思います。その中では、総論を先に書いて事業を下にぶらさげるのではなく、事業をきちんと集約させながら、そこに何が生まれてくるのか、庁内では部局横断的、市内であれば団体、事業者を横断的に一つのものを組みながら事業を固めていき、最終的な総合戦略に仕上げていきたいと思っています。
 地方創生フォーラムを8月8日に開催することにしました。内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長の末宗さんにお越しいただき、国が地方に期待していることなどを説明いただきながら、我々からも地方創生をどのように進めていったらよいのか、国に対する要望なども含めて話し合えるフォーラムにしたいと思います。なお、地方創生の取組については、職員からも多くの案が出てきまして、現在、20数事業にしぼりながら、最終的な調整に入っているところであります。そのような取組も進めていければと思っています。

上越市原子力災害に備えた屋内退避・避難計画について(1)

(記者)
 
原子力災害に備えた屋内退避・避難計画について、本日、市議会の特別委員会で説明がありました。課題もあるとのことですが、今後どのように地域に周知していくのか。また、複合災害のこともおっしゃられていましたが、特に力を入れたいということはありますか。

(市長)
 
国民保護の計画づくりの中でも話をしたのですが、原子力発電所の事故が起きて避難しなくてはいけないという前提が多様にあるのです。これは複合災害、例えば地震、津波によって起きるということがあるかもしれません。また、テロも考えられなくもありませんし、内部的な操作ミスも出てくるかもしれません。発生要因をなかなかつかみきれないのですが、それぞれに対処することが必要かと思っています。
 一つの例として、真夜中の豪雪時、除雪もままならないときに、原子力災害が起きたらどうするかを考えただけでも、対応は非常に難しいと思います。このようなときの対応について、熟度を上げて考えていく必要があると思うのです。地震や津波のときに逃げた先の避難所が満杯で、さらにUPZ内の住民が避難してきたときにどうするのか。津波と地震のときの避難所は分けてありますから、その対応は出来ると思いますが、あわせて原子力災害が起きたときはどちらに逃げればいいのか、また、モニタリングはどうするか、避難者のスクリーニングはどうするかなど、いろいろな問題が出てくると思います。
今回は、県が中に入り市町村間で避難先だけは計画を決めようと詰めたということですので、大きな一歩だと思っていますが、次はどうするのか。我々自身が考えるだけでも、本当にたくさんの課題があると思います。
 このことを一つ一つ整理し、課題をたてながら解決すべきものをしっかりと解決したうえで、その都度、市民にお知らせしていく必要があると思います。ヨウ素剤を配布するだけでも、全戸に配布するのか、それともUPZだけ、PAZだけなのか、保存期間の3年間でどうやって更新していくのか、回収するのかしないのか、その一つ一つを考えただけでもいろいろな問題があると思いますので、このことにしっかりと向き合い、詰めていく必要があると思います。
 これは市だけで出来るものと、国・県の協力を得なければ出来ないものがあると思います。我々が整理したものを県にあげ、県は国へ、そしてまた研究会(市町村による原子力安全対策に関する研究会)の中で整理した担当の市町村がありますので、それを我々も共有し、国・県に働き掛けながらともに歩いていくということが今の状況かと思います。

北陸新幹線開業に伴う夏の観光シーズンの入込等について

(記者)
 
北陸新幹線が開業して、間もなく5カ月になりますが、祭りやイベント、海水浴など、夏の観光シーズンの手ごたえや影響はありますか。

(市長)
 
長野県、特に北信地方のみなさんは、上越の海で初めて泳ぐという方がたくさんおられます。直江津駅前のタクシー、旅館の方々に話をお聞きすると、若い人たちが電車で来たとしても海まで歩いて行き、タクシーを使う人はいないということでした。直江津駅から海水浴場まで歩いても15分か20分でいきますので確かにそうかと思いますが、海水浴にお越しになるみなさんは、車で来られる方が多いのでしょう。
 北陸新幹線を使われる方というのは、新しいカーフェリーで佐渡へ渡る方々が、関西から多く来られています。また、新潟方面より直江津から両津へ抜けていくという方もおられるようです。このようなお客さんは随分あると思います。今までの「はくたか」が走っていたころは、関西から尾瀬へ行かれる方々がお出でになり、直江津駅でバスに乗り換えて、尾瀬へ向かうというツアーがありました。北陸新幹線が開業したときは、そのようなツアーが少し減ったのですが、これからまた、山のシーズンになりますので、今までJR西日本が作っていたプランもだんだんと戻っているようです。そのバスが直江津駅ではなく、上越妙高駅に並んでいるということもお聞きしますので、北陸新幹線を利用し、ここで降りている方も多いと思います。
 こうした中で上越市の魅力をどうやって発信していくか、今度、来るときは他の観光スポットを巡ってもらえるよう情報を発信し続けること。謙信公祭や蓮まつり、また、上越地域には山がずいぶんありますので、妙高や火打、日本三大薬師の米山に登ってもらうこと、笹ヶ峰でキャンプしてもらうこともあるかと思います。そのようなことも含めて北陸新幹線を利用する方々に情報発信し、ここを選んでもらえるよう努力していきたいと思っています。

上越市原子力災害に備えた屋内退避・避難計画について(2)

(記者)
 
原子力災害の避難訓練を現時点で予定されていますか。

(市長)
 
原子力災害の避難訓練は非常に難しいと思っています。水害や地震は問題がはっきりしていて、安全なところへ避難していただくのですが、原発の場合は放射能が流れてくる方向を設定したうえで、みなさんに行動していただくことになります。上越市におけるUPZ内の地域は吉川・柿崎の全域、浦川原・大島・大潟は一部地区であり、1万6千人近いみなさんは、原子力災害が起きた場合、ある一定の時間までは屋内退避となっているのです。避難訓練でも当面は屋内にいればいいわけですが、次に移動となると、どのような手段でということになります。そのときにバスを配置すればいいのか、自家用車でいっていいのか、要配慮者、お年寄り・子どもさんたちはどうしたらいいかということを、我々がしっかり詰めなければ訓練出来ないという状況です。
 問題としては、そのときに地震が起きたとすると、原子力災害の避難先が地震の避難所と違うわけですから、これをどうしなくてはならないかが課題の一つであり、詰めていく必要があると思っています。原子力災害の避難訓練はUPZ内のみなさんが外に避難してもらうときの手段、場所、人数の配置など、きちんと決めてやっていく必要があると思っていますが、整理をするまでは少し難しいと思います。

(記者)
 
原子力災害について、市が単独でできることには限界があり、国や県に要望しなければならないということかと思います。市長として避難計画をよりよいものにするために、まずはどういったことを要望したいと考えておられますか。

(市長)
 
28日に長岡市で開催された市町村による原子力安全対策に関する研究会では、県の危機管理監、内閣府の補佐官も出席されてその話をしていました。県のやるべきことと、市のやるべきことは違います。今回の市町村マッチングもすべて県が最終的にはジャッジしたということです。我々が個別の市町村との間で手を握るというのはなかなか難しい。上越市は外へ避難しないで上越市内で対応するという県の方針が出ましたので、そのことを整理するということですが、今までお話しましたように何をどこから進めるかということの柱を立てない限りは、あれこれと一気に進まないのです。この計画を立てたときに、複合災害の地震が起きたときにどうするのだと、そうなると我々は特別な避難所をつくらなくてはキャパとして足らなくなります。計算上の数字合わせは我々内部で整理はできるのですが、外から入ってくるみなさんがあった場合、例えば柏崎の方々は糸魚川や妙高に避難する計画となっていますから、このときに、上越市に留まることもあるでしょうし、上越市内の縁者や付き合いのある人のところへ自発的に避難される方も相当あると思います。そのようなイレギュラーな部分を含めてどのように考えたらよいかは、市町村間の連携だけでなく県がやらなくてはいけないことだと思います。
 複合災害の場合、例えば大豪雪だったとすると、車の除雪もできない、夜の場合ならどうするかということも含めて、UPZ内の吉川・柿崎・大潟・浦川原・大島の1万6千人近いみなさんに周知徹底しながら、当面の屋内退避、次の避難所への誘導を徹底しなければならないと思います。モニタリングはどこでやり、どこへ避難すればよいか、避難してくる人たちのスクリーニングをどうするかなどは県の仕事になりますが、県は個別の対策を整理されていますので、その一つ一つを確実にやってほしいと思います。この間の研究会では、県の危機管理監もそのことを承知されたうえで、一つ一つ進めさせてくださいとお話していました。県も我々もやるべきことはお互い了解していると思います。そのことを確実に進めていければと思っておりますし、国の財政的な支援も当然出てくると思いますので、それに対しても取組ができればと思っています。

(記者)
 
市長のお話では、やるべきことは整理が出来ているけれども、後はそれを一つ一つ潰していくという気の遠くなる作業が待っているということかと思います。市長の個人的な見解で結構ですので、どのくらいの時間がかかるという見通しですか。

(市長)
 
県が昨年の3月に出したバージョン1(原子力災害に備えた新潟県広域避難の行動指針)から1年が過ぎて広域避難マッチングなどの方針が示されたわけです。
 私は、次に何を詰めるかという優先順位、テーマや柱立てを県と我々の間、研究会の間で決めていく必要があると思います。スピード感をもってほしいと思っていますけれども、直ぐに解決できるものでもありませんので、何とも言えないのですが時間は相当かかる気がします。マッチングだけで1年以上かかっていますから、次は、地震があったときにどうするか、雪が降った時にどうするか、交通手段はどうするか、モニタリングは何か所設けるか、避難してくる人たちのスクリーニングはどこでするかなど、話はどんどん増えてくるのです。また、財源があるかないか、そのようなことができるのかということもあります。
 スクリーニングについては、避難者を受け入れる自治体でやるのか、避難させる側の責任でやるのかという、その問題も解決していないわけです。どこの場所でやるかも決まっていないことも含めますと、非常に難しいことがたくさんあると思います。また、何か所で実施するかということでは、財源のこともあるでしょうし、上越市の場合は北陸自動車道と国道8号線しかないですね。奥へ入ることはほとんどできない、海岸線しかないのです。これが前回の地震のように高速道路が止まるようなことがあり、津波だとか国道8号線が通れないとすると、柏崎からこちらへ来られない状況が生まれます。風向きがこちらではなくて、反対側を向いたときにどうするかということでは、柏崎を中心としながらいろいろなことが出てくると思います。国はSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)を使わないと言っていますから、県がモニタリングをしながら、どちらへ放射能が流れているかということを瞬時に判断して、PAZの人たちは外へ避難していく、UPZの人たちは屋内退避していて、危険なときはどちらの方向へ避難するかという作業になっていくと思います。私も自分なりに整理をしてみるのですけれども、相当な作業量といいますか、3本の式で10個の答えを出せというような感じです。
 これはやはり時間をかけてでも、しっかりとやっていかなくてはなりませんし、この計画を作り上げれば市民の安心と安全が確保できると思いますので、そのためにも一生懸命力を合わせて作っていく必要があると思います。上越市は市内が避難先になっていますので、原子力発電所単独の災害の場合、地震や津波が来たときの複合的な災害の場合、そういうパターンごとに1万6千人近いみなさんをどこへ避難させるのか、しっかりと整理をするということになると思います。

(記者)
 
時間的な制約からすると、次の知事選までということにもなるかと思います。それまでには難しい作業でしょうか。

(市長)
 
私の感じとしては、モニタリングポストについて、財源を考えながら何か所にどのポイントにという話が出てきたとすると、上越市は市内に避難してもらうことで事足りていますけれども、長岡市をはじめいろいろな市町村で遠くへ避難しなければいけないところがあります。そのことを考えると、非常に難しいものがあると思っていまして、他市の状況も含めて新潟県における避難計画がきちんと整備されるには1年では難しいと思っています。
 上越市は市内の避難と決まっていますので、数字の整理はできると思います。少しキャパを広げたとしても職員と知恵を絞ることで時間はさほどかからないと思いますが、先ほどのモニタリング、スクリーニング、雪があるときの対応、要配慮者であるお年寄りや子どもさんを安全に避難させることなど、全て整理するには上越市としても少し時間がかかるだろうと思います。

(記者)
 
柏崎刈羽原発の6・7号機について、規制委員会の適合性審査を受けているところです。今後、審査が加速し再稼働がそう遠くないうちにあるかもしれません。避難計画に関しては、市内で検討する課題もたくさんあって時間がかかるかもしれないとのことですが、市長としては、再稼働の動きとは別に進めていくというお考えでしょうか。

(市長)
 
議会でもお話しているのですが、原発が稼働するかしないに関わらず事故は起きる可能性が十分あるわけです。地震を含めていろいろなことがありますから、そのための避難計画というのはどうしても必要だと思っています。稼働したから避難計画が必要で稼働しなければいらないというものではありません。自然災害も含めて備えが必要ですので、そのためにも避難計画は必要だと思います。

安全保障関連法案について

(記者)
 国会で安保法制が問題になっていますが、自衛隊がある自治体の市長として、今の安保法案についてどう思われますか。

(市長)
 
私が学んできた憲法とは違うという気がしていますが、国際情勢が大きく変わってきていることも事実ですので、その中でどのような対処があるかという一つの方向かと思います。そのことを現政権は国民に訴えながら整理をしていこうというスタンスなのだろうと思っています。
 私自身は、国際法、国際紛争を解決するときの国際連合について勉強してきました。その中での紛争であり、解決には国際連合がもっている機能を優先すべきだという、これは若いときに勉強したことですけれども、今は抑止力を含めた自衛権が議論されているので、これはしっかりと国民の中で議論されていけばいいと思いますし、いろいろな意見があって当然だと思います。その意見に対し立法権をもつ国会での活発な、真摯に丁寧な議論があって整理できることかと思っています。
 私自身からすると、学んだことと少し違うなという気がしないでもないですが、それは昨今の情勢の変化を含めて、憲法をどう解釈しどう対応していくかということを、国の代表が議論していることなので、国民に分かりやすく進めてもらえればいいと思います。

(記者)
 
安保法案に反対なのですか。

(市長)
 反対かどうかではなく、私自身はそのように感じながら見ているということです。国会の中での議論は、反対もあれば、賛成もあるわけです。その中でしっかりと議論されて、説明する側、聞く側が本気になって議論することが大事なのではないかと思います。

日本創生会議が提言した首都圏高齢者の地方への移住について

(記者)
 
6月に日本創生会議から、首都圏に住む高齢者の方々が十分な医療・介護を受けるために地方に移住するという提言がなされました。県内では上越地域も候補としてあがっていますけれども、それに対する市長のお考えを聞かせてください。

(市長)
 
75歳以上人口1,000人に対する介護ベッド数の全国平均81床を基準としたときに、上越圏域ではプラスだという判断で全国41の市町村の中に入ったと承知しています。高齢者のみなさんをこの地域が引き受けるというのは、まちがもっている力の一つだとしても、バランスよく若い人たちが入ってくるとか、若い人たちの雇用の場もほしいと思います。長寿社会、東京を中心に一気に進む高齢化の受け皿として、地方がその役割を担うキャパがあるといいますか、そのように選ばれたということであれば、我々はもっと元気を出して頑張りたいと思います。
 若者が東京ではなく、この地域で頑張ってもらえるよう、まちづくりの取組を進めているところですので、そのようなまちとしても選んでもらえるよう頑張っていければと思っています。

(記者)
 
若者が毎年10万人くらい地方から流出しているという実態を考えますと、まずは若者の地方回帰といいますか、そういった考えがあるべきだということなのでしょうか。

(市長)
 
もちろんそうです。名古屋も大阪もマイナス、東京圏が10万人で一人勝ちだと思います。その中で私ども上越市は毎年1,700人ずつ人口が減っていて、若者のウェイトも高いのです。
 午前中、都市計画マスタープランの答申を委員長から受けたのですが、どのようなまちづくりをすれば若者から残ってもらえるか、高齢者移住はどうかという話をしたところ、55~60歳くらいの元気なみなさんに来てもらい、地域コミュニティの一員として地域づくりをしてもらうことが、高齢化や人口減少の中では大事な取組だという話をいただきました。私もそのとおりだと思っていまして、そのような元気なみなさんからお出でいただくまちづくりができればと思います。

(記者)
 
南魚沼市でしたか、元気なときから地方に移り住み、将来的に医療介護サービスを受ける日本版CCRC構想を進めていますけれども、市長はどのようにお考えでしょうか。

(市長)
 
元気なうちにこの地域に移住してもらい、地域に溶け込み、地域のみなさんと一緒にこの地で頑張ってもらう。そして最終的なことはこの地域が担っていく。まさにそれが大事だと思います。
 これからは一極集中が進むほど、人々にはふるさと回帰の気持ちが出てくると思います。何でもそうだと思うのですが、大きく片方に振れればもう片方に大きな反動が返ってくる。その時期があると思っています。ふるさとの良さというものをしっかりアピールし、帰ってきてほしい、帰ってくる人たちがいてくれればいいと思います。
 先日、中ノ俣にある集落で約30年ぶりに新築があり、古式ゆかしい棟梁迎えや建前の餅をまく儀式があって、地域のおばあちゃんが腰を曲げて出掛けていったという話を聞きました。今度、訪ねてみたいと思っていますが、新しい家をつくられた方がお年寄りの方らしいのです。その方も外からこられた方のようです。そのようなことも伝えながら、住みやすいまちだということをアピールしていきたいと思っています。

(記者)
 
当然のことだと思いますが、首都圏から高齢者が移住してくることで、介護保険料が上がりますね。

(市長)
 
逆に介護保険料が高いということは、サービスがいい、サービスを受けやすいということなのかと思います。その反面、サービスを受けやすいからこそ介護保険料が高いのです。介護保険そのものはパイを割った保険制度であり、国の補助金は一定のものしか入りません。介護保険料の低いところは、介護サービスの量が少ないと思っています。
 先ほどからお話しているように、この地域の福祉施設の数は圧倒的に多い。それが先ほどの日本創生会議が整理されている状況だと思いますので、そのような面からすると、介護保険料が少ないところが幸せかというと、介護の機会が少ないのではないかと私は思っています。高いところが即悪いかということではなく、負担が大きく大変なこともあるでしょうけども、介護サービスの質が高くて量が多いということは言えるのではないでしょうか。

(記者)
 
地方創生の総合戦略の策定を進めておられますが、日本創生会議の提言を踏まえた議論はなされているのでしょうか。

(市長)
 
日本創生会議の議論は施設で全部に対応するということでなく、まさに地域包括ケアなのです。地域包括ケアを充実させるための施設の位置づけも当然必要ですが、東京では都内に施設を作れません。杉並区では伊豆に施設を整備している状況です。
 我々としては地域包括ケア、在宅サービスを提供していくことかと思います。健康寿命を延ばしていくこと、これはどうしても必要な作業ですが、施設介護だけを重点にしても全く行き届かず、成り立たないのです。訪問介護をはじめ在宅の機能、サービスをどれだけ提供していけるか、いろいろな手当てをしながら対応していくことが大事であると思います。どうしても在宅で対応できない部分については、施設でやっていくということです。
 この方向を先取りしながら、上越では通いの場をつくり市内の所々でやっているということかと思います。地方創生でも当然そのことを含めながら、地域の力、NPOの力、団体の力をつなげあわせ、通いの場の質の高さをあげ、健康診断などともタイアップさせながらやっていくということが、大きな柱にはなると思います。

(記者)
 
市の人口ビジョンにも何らかの反映がされる可能性はあるのでしょうか。

(市長)
 
子どもの出生をどれだけ増やしていくかが一番大事だと思います。国の推計では、上越市の高齢化率が50年後には37%ほどになるとのことです。そのときに健康寿命をどれだけ伸ばすかということと、生まれてくる子どもさんがどのようになっているかということです。
 これには若い人たちがいるかいないかが重要であり、今回、消滅自治体に選ばれたところは、特に若い女性がいないということが消滅の大きなファクターになったかと思います。そうした面では若い人たち、結婚適齢期にある女性がどれだけいるかというまちづくりは大事だと思います。上越市は多分、若い女性が職につく様々な仕事や機会があるということで、若い人たちの急激な減りはなく、消滅にはならないという判断ではないかと思います。

(記者)
 
確かに東京都は都外施設というのを伊豆に建てたりして、都内では抱えきれない身体障害者の施設を都外にもっているのです。山梨県とか栃木県にもあるのですが、そのような都外施設を上越市に誘致するお考えはありませんか。

(市長)
 
上越市でもすでにそういうことをやりたいという事業者がたくさんいます。私にもいろいろなお話をされますから、いいことですねと言うのですが、伊豆の件を見ましても今の法制度では地元負担がないわけではありません。行政が負担しなくてはならないわけで、民間が自らやるわけにはいかない状況が出てきているのです。厚生労働省が中心になるかと思いますが、制度の改正があり、地元にどれだけのメリットが出てくるかという整理がなされないと、なかなか難しいのではないかと思います。

(記者)

 東京都と上越市が直接、協議して、そのようなことを乗り越えるやり方はないのでしょうか。

(市長)
 
私もどうやってアクセスできるかと思っているのですけれども、今までは介護の施設に入るときには措置ということでしたが、今は措置ではないのです。施設を整備しても来てくれるかわからないわけです。そのようなことも含めて、システムが変わらない限り、私は非常にリスキーなものだと思うのです。杉並区は伊豆に施設を整備しますが、そこへ入りなさいと言っても拒否ができる。その辺の仕組みをどうしたらいいかと思います。
 もう一つ、私が危惧しているのは100床の施設を整備すると、介護士などスタッフが100人は必要かと思います。そのスタッフをこの上越市内で手当てしていくということが非常に難しい問題なのです。人材のマンパワーをどれだけ上越市で輩出できるか。そのようなことも考えなくてはいけないと思っています。
 若い人たちが本当に少ないのです。高校を卒業する生徒は、毎年1,800人から2,000人くらいしかいません。そのうち市内に就職する人は300人くらい、就職希望は500人近くいるのですけれども、上越市内に就職出来る人は400人を下回ると思います。人材、マンパワーを確保するということは上越市では非常に難しい時期にきていると思っています。
 特別養護老人ホームを100床の単位でつくるとすると、介護士、看護師さんを含めて100人くらい必要なのです。そのスタッフを一気に採用するということが難しい問題かと思います。施設整備、ハードは出来るのですけども、マンパワーと言われるソフト、どれだけ質の高いソフトを集められるかということです。
 先ほどの国の制度上の仕組み、システムの問題があることと、施設を整備したときに利用者が入ってきてくれるかどうか。介護報酬が下がってきている中、利益がなかなか生じにくくなっているということなど、3つ4つの課題をクリアしないと、100床の施設整備を何億とかけ投資することは、負担が大きいと思います。