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村山市長記者取材(平成29年10月23日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年11月7日更新

開催日:平成29年10月23日(月曜日)


(記者)ひと晩明けて、当選の喜びと今後の抱負をお聞かせいただきたいのと、実際の票数が相手候補に1千票ちょっとという形でせまられたわけですけれども、それについてのご見解をお願いしたいのですが。

(市長)はい。改めて新しい任期もよろしくお願いします。

 当選の感想ですが、自分自身がやってきたことが、市民にどれだけ評価されたかと考えますと、半分の市民が、そのことについて疑問を持たれていることだと思います。
 しかし、やってきた8年間を見ますと、行政改革や財政改革、また、具体な取組そのものが、市民に直接関わるというよりも行政内部でやっていること、それがよく見えないという感じもあったと思いますし、見えないというよりも、こういうことだという説明を私自身がしない中で、やってきたこともあったのだろうと感じています。
 これからは、どういう目的で、これをしないとどういう状況になるという、環境や状況をきちんと伝えていくことが大事だということを、今回の選挙から私自身が感じた事であります。
 ですから、相手候補のとられた票というものを、私自身がしっかりと踏まえながら、今回、行政運営をしていく必要があると思っています。説明責任等や情報をきちんと提供して、今、上越市はどの方向に向かって、このことをやるにはどういう状況になるかということも、つぶさに説明していく、そう取り組んでいければと思います。
 人気投票として投票した方はおられないと思いますから、政策というものをみられて選ばれたと私は思いますので、そのことはしっかりしないといけないと思います。票差の接近もそういうことだろうと理解していますので、これからはしっかりやっていく必要があると思っています。
 また、午後11時40分過ぎになって確定が出て、そこから関係する事務所まわりをしていましたら、朝方になり、災害があるということで、昨夜は寝ないうちに役所に出てきました。選挙の余韻が冷めないうちに、対策本部を設置する、また、水害関係の道路の冠水があちこち出ています。あまり選挙に浸っているような状況にないまま、今いるところであります。

(記者)これから課題が多々ある中で、いろいろと公約を掲げられたかと思いますけれども、今後、まず真っ先に取り組みたいことは、どういったことでしょうか。

(市長)
 中長期の問題だとして捉えている向きもありますけれども、私は2025年というものに向かう団塊の世代が、後期高齢者になるまでもう5年しかありませんので、その備えというものを確実にやらなければいけないと思っています。それはサービスの質とか、量とか、それに対する財源とか、そういうものも早く手を打たないと、あっという間にやってきますので、そのことをやらなければいけないと思います。

 それから、来年の作付けから大きく変わる農業をどうしていくか、制度改正により将来の持続可能な農業になるのか、規模の拡大とか、コストの削減とか。大規模農家については、後継者を含めて対応できると思いますけれども、中山間地において一人で農地を守っておられる人の農地を守りながら、そういう人たちに対する支援、一緒に農業をやっていくにはどうしたらいいか。それがないと農村が疲弊し、農地を守れないということは確実に出てきますので、農村や農地を守ることが、農業を守ることだと思っています。そのことに手をつけなければいけないと思っています。
 補助金が無くなるとか、米をいくらでも作っていいですよとか、そういう表に出ている問題だけではなく、細かく言えば、中山間地の農地が、直払いという制度の中で平場の農業を支えているという部分もあります。それが今度、自由になると、金銭が中山間地に入らなくなります。その事を考えると、田んぼをどうやって管理していくのか、農政のテクニックとしてあったものが、無くなった時に、中山間地の農業に、また違う部分の疲弊というものが出てくると思っています。
 そのことも関係団体も含めて、農業者の皆さんとどんな方法があるのかを考え、地域別の所得補償のようなものがあるかどうか。平場で米が10俵とれるものが山へ行けば7俵しか穫れません。それは労働生産性を含めてもそういう状況だと思いますので、農村集落を守ることと、農地を守ることは一緒になっていますから、そのことをやらないと、急激に中山間地の農業が衰退するような懸念を私自身は強く持っていまして、そのことに当面取り組みたいと思います。

 その前提は、私もずっと訴えてきましたが、合併した14市町村が、その合併した時の状況をどうやって生かしていくか、目標とするか、というのが大事だと思います。

 町場の学校は分散して新しい学校を作りますけれども、中山間地の学校は、ほとんど複式になってきて、昔の村にあった小学校や中学校は30人を割るという状況が出てきているわけですから、それは合併したという器の中で考えていけば、合併した時に隣の町の学校と一緒になるとか、そういうことも考えられるけど、合併していなければ、旧村の学校はどうなるのかということです。
 長野県は、まだ70いくつも市町村があると思いますけれども、長野県の小さな村の小学校はどうなっているかということです。そういう具体なものを研究しないと、合併した上越市の中での取組というのは本当に難しいと思います。自分の村として、子どもが少なくても何とかするという考え方かもしれませんけども、合併した中で、上越市の学校としてどうするか、人口減少と、子ども達も少ないということを考えると、それにも手をつけないといけないと思って、選挙戦ではその3つを大きなテーマ・課題として、提示しながら取り組んでいくことをお話ししてきました。
 浦川原区で今回3つの学校が1つの小学校になりましたけれども、地元の人達がいろんな議論をして、7年もかかっています。時間はそんなにないんです。すぐにとりかかるべき問題で、大きいなと私は思っています。      

(記者) 
 お話の中にありましたけど、地域別の所得補償という農業の現状をおっしゃっていた感じがしたんですけれども。可能性として、いわゆる民主党政権がやったような地域的な、例えば中山間地に限定した戸別所得補償みたいなものをやっていきたいということですか。 

(市長)
 これは、農業の実態の中で緊急課題だと思っているのですが、平場と山場の米の生産を考えても格差があり違うわけです。そのことを埋めていくのも一つの有りようだということです。
 実際、農業者が、何か効率的に集落を守ったり、農地を守ったりするような手立てとして、国の政策、県の政策の中に、もう少し市としても寄り添えるものがあるのかないのか、そのへんの事も考えてみる必要があると思っています。
 具体的に金額とか、何を対象にというのは、今すぐには言えませんけれども、国の直払いみたいな制度が従前になくて、上越の場合の特殊性みたいなものがあった時に、市がそういうものができるかどうか、財源も含めて考える必要があるという意味です。

(記者)
 先ほど早晩取り組みたい課題ということを大きく3点挙げておられましたけれども、市民との対話といいますか、そういう面では何かやりたいなというものはありますか。 

(市長) 
 先ほど最初にお話ししたように、昨日も反省しなきゃいけないと思ったのですが、8年前の一期目は、地域を歩きましたし、選挙戦そのものが100日以上ありましたから、ほとんどの地域を歩いて、中山間地域を歩いて、実態を肌で感じ、私自身も皆さんとお話しし、いろんな事の状況が分かりました。
 一期目の終わりから二期目の4年間は、キャッチボールトークみたいなものはいくらか設えたとは思いますけれども、実際に自分の足で歩いてみて、ここで暮らしている人たちがいるとか、町場や山を含めて、行政改革、財政の問題、総合計画や財政計画を作るとか、二期目の始めには、本気になって将来の画を描かなきゃいけないということで、その画を描く時に、地域に出て行って膝を詰めて市民のそれぞれの想いを聞くというのが、少なかったと思います。この三期目はもう一度原点に戻って、地域の皆さんがどういう思いでいるのか、これは町場も山でも海の皆さんもそうですし、そういうことを早いうちから具体的にやりたいと思っています。
 南新町の団地の中で私自身の街頭演説させてもらったのですが、その時にお年寄りも含めて団地の皆さんがベランダから顔を出して聞いてくれて、私もすごい実態が分かるというか、ベランダから手を振ってくれたお年寄りが、棟の中にたくさんおられたのを見た時には、福祉を含めて暮らしや営みが、外から見ているだけではだめだなというのを痛感しました。
 また、棚田が広がっている場所では、棚田の一番下で稲刈りをしているご夫婦に車から「お願いします。」と声を掛けると、そこで手を振ってくれました。そういう光景を見た時に、やっぱり自分もそこまで下りて行って話をしなくてはいけないとか、実態を自分の中に取り上げないと、ただの形だけになってしまうという思いを強くしました。三期目はそういう面でしっかりと歩きたいと思います。これは早速、冬場であれば冬場の生活があるわけですので、歩きたいと思っています。

(記者)
 先ほどの質問と重なるかもしれませんけれども、相手候補が閉塞感からの脱却、市が元気になっていないという声を主張して、約5万票以上1,500票差くらいのところまで、相手に票が実際に入ったわけですけれど、そういう市民のはっきり見える形での票が表れたことについて市長として今度3期目は市政運営をするうえで、その辺の声を受けてのこれからの意気込み、こうしなきゃいけないなというあたりは。

(市長)
 現職は、これまで具体に行政の中で取り組んできたので、市民の皆さんはきちんと評価できると思います。しかし、新人の皆さんはあれをやりたい、これをやるという思いの中で立候補されますから、そこについては市民の皆さんに期待感があるので、市民は期待感と現職の閉塞感みたいなものをご自分で受け止めるという状況になるかと思います。現職としてはその面での評価は厳しくされるのだろうと、それは一般的だと思います。
 しかし、相手候補の公約を見てもほとんど差別化ができないような状況ですし、地域に予算をとか、職員を地域に長い間滞在させるとか、地元職員を置くとか、そういう話が改革ということになると、私自身の改革とはちょっと違うと思っていますので、公約のイメージや内容を市民がどう捉えたかということで、新しい候補には何を期待されたかというのは若さもあるでしょう。
 現職と新人の差というのは、現職に対する評価と新人に対する期待というものが重なって、両方で行ったり来たり、増幅することになるんだと思います。私も相手候補の内容を見せてもらいましたが、そんなに違わないというか、違うものがあまりないと思います。鉄道博物館を作るとか、そういうのは違うと思いますけど、地域に予算を充てるということは、地域の皆さんが独自に何かしてほしいという思いを、地域の皆さんが受け入れたのかと思います。
 私は本質的に公約の中でも争点も違わないと思っていますが、改革という言葉と私自身がやってきたことが、どのように違うのか少しわからないのと、やっぱり行政は財源の裏打ちがなければ意思決定できないと、私自身はいつもそう思っていますので、財源をどうやって確保するか、そしてその中で意思決定していくという公約はあまり面白くないというか、堅いというか、夢がないというか、そう評価されるのだと思います。いずれにしても、夢がないというのか、それが評価だと思っています。

(記者)
 市長が回られている中でこのような接戦になるような市政の課題・注文・指摘等々、市長ご自身の受け止めはありましたか。

(市長)
 市民の選択なのだと思います。市民がそれぞれの政策や今までやってきたこと、これからやりたいと思っておられることを突っ込んで評価してくれたと思うのと、私自身の物事が足りなかったという思いがします。
 相手方に出た票の思いはどこにあるのか、どういうことの思いの中で相手方がこれだけの票をとられたのか、そのことはしっかりと私も内容を考えて、地域を回って歩いてどうだったのですか、というようにお話を聞きながら自分自身の政策と摺り合わせてみることをしなければいけないと思っています。それが先ほど言った、地域に出て、相手候補に期待したのは何だったのか、相手候補に求めたのは何だったのか、市民の声を直に聞く中で、自分自身がしっかり前を歩いていければいいと思っています。

(記者) 
 これからの各政策のことをおっしゃっていますが、具体的な姿勢や財政健全化ですとか、行革推進、市長がやられてきたことは継続して取り組まれるということですか。

(市長)
 財政健全化も行政改革の推進も本質的には、市民の信頼を得るための行政サイドの作業だと思っています。市民から信頼を得るためにそのことをやるので、自分たちが勝手にやるというか、市民を置き去りにしてやるものではないと思っています。
 それは市民からの信頼を受けながら、持続可能な行政として市民と行政サービスの関係を整理していくことが行革や財政再建の途であって、市民を苦しめるためにやるのではなく、市民と一緒に歩いて行ける、市民の信頼を得るための取り組みですから、このことはしっかりと説明をして、理解をいただくという努力はいつの時でもしなくてはいけないと思います。
 それをしてきたつもりなのですが、今回このような評価を受けた時には、市民にとって好ましいものかどうかは別にして、行政が意思決定をしながら、サービスを低下させないできちんとしたものとしてやっていくためには、この行政改革も財政の健全化も、不断の努力だと思いますし、いつの時代であっても絶えず見直しながら効率の良いものにしていくということは不変だと思います。その思いで取り組んでいきたいと思います。 

(記者)先ほど、情報提供だとか、説明というのがなかなか市側から足りなかったのではないかという反省を述べられたの
ですが、3期目の村山市政というのは、市長自らが住民とか地域の中に飛び込んでいって、例えば、他市でやっている「おでかけ市長室」みたいなものとか、そういう仕組みとして新たなものをやるお考えがあるのかが、まず1つ。

(市長)
 1期目の時、私自身が100日歩いた中でわかっていたのですが、1期目はキャッチボールトークを地域で相当やりました。それは市民の声を聴くために、また私自身が市民に説明するような場として、ツールとして取り組んだのですが、2期目は計画づくりがあったり、内部的にしっかりやる作業をしたことによって回数は減ったと思います。
 だから、市民がどう思っていて、市民にどういうものを発するというのは、1番最初にやったことを、もう1回こまめにやっていくことによって、今回の相手候補に期待したものも含めて、相手候補に期待したものと、私の実績を合わせながら、3期目を取り組んでいけば、具体的に市民の皆さんに対する行政のサービスとしての質は上がるだろうし、双方向の取り組みができると思っています。名前は別にしてもキャッチボールトークのようなことを頻繁にできたら良いと思っています。

(記者)
 個別具体的な政策になるのですが、市長選前の9月議会であれだけ一般質問に出てきた「新体操アリーナ」について、市長選の中ではそれほど目立った争点というか、話題にならなかったのではないかという印象があるのですが、市長からすると、その論点は避けてた、あるいは逆に議会であれだけ自ら答弁もしたし、色んな議員が手を変え品を変え聞いてきたので、もう議論を尽くされたということで触れられなかったのですか。

(市長)
 あれはまだ用地の話でありますけれど、私は避けるつもりもないです。意見の中では、自分の出身地であったり、議長の出身地であるところに造るという話も、私自身も市民から聞いていますから、そうではなくて、こうですよという話をすると、それで終わってしまうのだけど納得しないのかもしれません。
 そういう状況がずっと続くと思うのです。オーレンプラザも最初の時には何であそこに造るのか、そんな箱物はいらないという話があって、100件もの反対意見のパブリックコメントを一つ一つ読ませてもらって、自分で夜中まで職員と一緒に手を入れて報告した経緯からすると、いるか、いらないかの議論と、いるけれども、どういう議論をするか、その色々なもので違うと思います。
 今回も体操アリーナがいるか、いらないかという議論があるのです。いらないという議論がその中で多数を占めればそれはいらないんです。議会で、もういいよと、あなたたち行政がまちづくりの中でスポーツコンベンションを含めて、そういう施設が欲しいと言っているけれども、それはもういいと議会でジャッジされれば、それはそれでその通りだと思います。
 だから、直接民主制をやっているわけではないので、市民にアンケートを取って、やりますか、やりませんかという議論ではないわけですので、議会の議員もその議論をされているかと思います。それはいらないと否決されればそれは民意として受け止めたいと思っています。議会制民主主義の中でのプロセスがあり、そういう前提で成り立っているわけなので、市民一人一人が良いとか悪いとか、その感覚の中で議論されたものを行政が、私自身だけにどうするのかという議論ではないと思います。私は全然避けるつもりはないですし、相手候補もその話はどうされたか、私は分からないですけども。

(記者)
 選挙戦の話なのですが、近年例にないくらいの大接戦だと思うので、あえて失礼は承知で伺いたいのですけれども、村山市長は色々なところの支持を受けて分厚い組織戦で戦われた中で、向こうは特定の団体等の支援・支持なくやってきました。その中で1,500票差の評価について先ほどされていましたけれど、組織戦対草の根と言っていいのかと思いますけど、そういった戦い方がどうだったというのは今振り返っていかがでしょうか。

(市長)
 選挙は、支援する皆さんがあって、そこに立候補することだと思います。その戦い方は色々あるのだと思いますが、私自身が8年前、3人で争った時から支えてくれる人たちが、そのような選択肢だったと。8年前の選挙と今回の選挙は、形が間違いなく違ったのでしょうけれど、私自身が支えてもらっている皆さんが組織してくれた中に、また後援会の中で私自身が活動をさせてもらったということです。
 相手候補は草の根でやられた、それも1つの手法ですから。手法の違いが今回の選挙にどのように影響したかということになると、これはどっちにしても民意を反映した選挙ですから、それぞれの草の根の中におられた方も、組織の中でやられた方もそれぞれの民意として今回の結果が出たのだろうと思っています。
 草の根が正しい民意の集約の仕方で組織的なものが正しい民意の反映をしないということの色分けは私はあまり考えていません。選挙をするときの手法としてやられたことだと思いますから、それぞれの陣営の中での取り組みかと思っています。