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差別のない明るい社会の実現に向けて

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年9月30日更新

歴史の正しい理解と対応を

古絵図の掲載

高田開府400年記念誌の画像 今年は、高田開府400年にあたる記念の年です。この節目の年を「新たなまちづくりのスタートの年」と捉え、市と高田開府400年祭実行委員会では、市民一人一人がまちの成り立ちや文化を再認識するとともに、越後の都として栄えてきた私たちの地域への自信と誇り、愛着を深めることができるよう、「祝う・学ぶ・伝える」をテーマにさまざまな事業を行っています。
 こうした事業の一つとして、記念誌「高田開府400年」と総合博物館企画展ガイドブック「花の高田」を発行しました。それらの誌面には、江戸時代の城下町高田の様子を理解していただくために当時の古絵図をそのまま掲載しましたが、その中には被差別部落の地名が記されたものも一部含まれていました。
 高田開府400年の歴史の中には城下町繁栄の歴史とともに身分差別の歴史もあります。記念誌などの作成にあたり、本来であれば身分差別の歴史にもしっかりと向かい合い、城下町の様子を紹介するだけでなく差別のない社会の実現に向けた意思を明確に示す記述が必要でした。
 市では、記念誌などの頒布・閲覧を一時中止し、部落差別の歴史の正しい理解と人権意識を高めるために必要な解説を追録した上で、改めて頒布・閲覧を再開しました。

被差別部落の歴史

 高田開府(1614年)の頃、まちづくりが行われた際に、各種の番役や清掃などを担う人々が、直江津から高田城下町北西端の加賀街道に沿う一画に移住させられました。
 1680年頃になると、この一画に住む人々は、刑吏や塩の抜け荷の取締りなどを行う警察・警備、侍屋敷・寺院の庭掃除、皮革加工などを仕事としていました。古い時代からの差別意識や宗教上の誤った考え方の影響もあり、このような仕事に携わる人々は卑賤視されるようになっていきます。高田藩でも、そうした意識を利用して差別を明確にした身分を作り出したため、人々の差別意識はさらに強められたのです。
 江戸時代中期以降、被差別部落の人々は、不当な差別や理不尽な扱いに団結して自分たちの権利を主張するようになってきました。こうした人々の動きを恐れ、また幕府が身分差別を制度的にも推し進めたことから、高田藩も差別をより一層強めました。しかし、被差別部落の人々は、互いに助け合い、誇りを持って仕事に励み、次第に経済力をつけ生活を高めていき、人口も飛躍的に増大しました。
 時代は移り、明治4年(1871年)に太政官布告(身分解放令)が出され、江戸時代の身分制度が廃止されました。ただし、それは被差別部落の人々の身分・職業を平民並みに扱うことを知らせるにとどまり、経済や社会面での支援策が伴わなかったことから、従来からの特権であった皮革業や役人の下働きなどの仕事を失った人々の生活は困窮し、公然とした差別を加速させることになりました。
 こうした厳しい差別の中でも身分解放令をよりどころに、差別からの解放と生活の向上を求める動きが各地で起こりました。大正時代には「全国水平社」が結成され、社会に対する強いメッセージとなった「全国水平社創立宣言」が採択されるなど人権擁護運動が高まりをみせ、その中で被差別部落の人々は中心的な役割を果たしてきました。しかし、社会の差別意識は根深く、解消に向けた取り組みは、第2次大戦後にようやく本格化します。
 当市では、昭和43年(1968年)に被差別部落の人々が「生活を守る会」を立ち上げ、翌年1月には同会を発展させて部落解放同盟高田支部を結成し、差別解消に向けた取り組みが始まりました。

市の取り組み

 市では昭和44年(1969年)に当時の高田市社会福祉事務所に担当係を設置し、部落問題の解消への取り組みを始めました。以降、人権を尊び、あらゆる差別がないまちを築くことを目的に、同和地区の生活環境の改善をはじめ、地域住民の社会教育活動を助長するための白山会館の建設・運営、さらに人権条例の制定および人権都市宣言など、さまざまな施策や啓発に取り組んできています。しかし、今日でも結婚や就職などでの差別は依然として厳しい状況にあります。「そっとしておけばいい」という、いわゆる「寝た子を起こすな」という考えは問題を先延ばしにするだけであり、差別解消のためには歴史の正しい理解と人権感覚を身につけることが必要です。
 市では高田開府400年を契機に、差別のない社会の実現に向け、市民の皆さんを対象としたフォーラムを開催するとともに、職員研修を充実するなど、人権意識を高める一層の取り組みを進めていきます。すべての市民の皆さんから部落差別の歴史を正しく理解していただくとともに、差別を許さない人権感覚と差別解消への意識を高めていただき、人権が最大限尊重される明るい社会を実現していきたいと考えています。