ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

上越市

サイトマップ

背景色を変える

文字の大きさ

キーワードで探す

現在地トップページ > 組織でさがす > 大潟区総合事務所 > ムギワラとモエクレとマメ

ムギワラとモエクレとマメ

<外部リンク>
印刷用ページを表示する 掲載日:2014年11月26日更新

 あったてや。あるとき、ムギワラとモエクレ(木の燃え残り)とマメが、いろりから抜け出て、上方まいりに出掛けた。ほうして、川のところへ出たら、橋がかかっていなかった。いっとき三人は、
「はてどうしよう。おおごった。」
と困っていたてや。ほうしると、ムギワラが、
「おれが、いっち長いんが、橋になるこて、お前方、おれの上を渡れや」
そう言うて、橋になったてや。はじめに、モエクレが渡っていたどこが、橋の真ん中で、川風にあおられて、モエクレの火が真っ赤におきて、ムギワラに燃えついた。ほうして、ムギワラとモエクレは、川へ落って、ジーブー、ジーブーと流れていったてや。

みていたマメが、その二人の落ち方が、あんまりおかしくて、アハハ、アハハハと大笑いをしたら、マメの口が破けてしもたてや。こんだ、マメは、口が痛くて、泣いていたら、そこへ富山の薬屋が通りかかって、
「マメ、マメ、お前、なんで泣くや」
と、わけを聞いた。

「よし。おれが、そんま縫うてくっるすけ、泣くな」
というて、黒い糸の針を、背中の荷物から出して、シクシクと縫うてくれたてや。ほうして、マメは、口の痛いのが治ったども、そんどきの黒い糸の縫い目が、今で、黒くなって残っているてや。いちごブラリ。

(語り手 渋柿浜 佐藤コトノ 昭和54年 77歳)


(出典:昭和63年5月30日発行 大潟町史)

 

このページに関するお問い合わせ先

上越市

〒943-8601 新潟県上越市木田1-1-3電話:025-526-5111Fax:025-526-6111

ページの先頭へ