よくある質問 国民保護

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年4月1日更新

国民保護とは

 「国民保護」とは、我が国に対する外部からの武力攻撃や大規模テロ等が行われた際に、国民の生命、身体及び財産を保護するため、または武力攻撃等が国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小限となるようにするための措置のことです。
  この措置の具体的内容及び国、地方自治体などの責務について規定した「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」が、いわゆる「国民保護法」であり、平成16年6月に成立、同年9月に施行されました。同法では、有事の際の国及び地方自治体が実施すべき三つの大きな役割として1.住民の避難、2.避難住民等の救援、3.武力攻撃災害への対処について具体的に規定しています。

  1. 住民の避難
    武力攻撃事態等に際しての、国からの警報発令、避難指示の伝達方法、要避難地域の住民を安全な地域に避難させるための誘導手順などをいいます。
  2. 避難住民等の救援
    避難した住民に対する食糧、飲料等の生活必需品や仮設住宅等の供給、医療や通信手段の提供、避難住民の安否情報の収集・提供などをいいます。
  3. 武力攻撃災害への対処
    原子力発電所やダム、鉄道といった生活関連等施設の安全確保、警戒区域の設定と立入制限、消火・救急・救助活動などをいいます。

 このほか、「国民保護法」では平時の国及び地方公共団体の責務として、基本指針(国)及び国民保護計画(地方自治体) の作成や、国民保護協議会の設置・運営及び国民保護に関する普及啓発・備蓄・訓練・組織体制の整備などを規定しています。
  このうち、基本指針及び国民保護計画は、想定される武力攻撃事態の類型に応じてあらかじめ作成しておく必要があります。

避難の流れの図

武力攻撃事態とは

 国民保護では、(1)ゲリラや特殊部隊による攻撃、(2)弾道ミサイルによる攻撃、(3)着上陸侵攻、(4)航空攻撃の4つの類型を想定しています。
 武力攻撃事態の想定は、武力攻撃の手段、その規模の大小、攻撃パターンなどにより異なることから、どのようなものとなるかについて一概にはいえませんが、国民の保護に関する基本指針においては、4つの類型を想定し、国民の保護のための措置の実施にあたって留意すべき事項を明らかにしています。

(1)ゲリラや特殊部隊による攻撃の場合

 特徴

  • 突発的に被害が発生することも考えられます。
  • 被害は比較的狭い範囲に限定されるのが一般的ですが、攻撃目標となる施設(原子力事業所などの生活関連等施設など)の種類によっては、被害が拡大するおそれがあります。
  • 核・生物・化学兵器や、放射性物質を散布することにより放射能汚染を引き起こすことを意図した爆弾(ダーティボム)が使用されることも想定されます。

 留意点

  • 突発的に被害が発生することも考えられるため、攻撃当初は一旦屋内に避難し、その後状況に応じ行政機関からの指示にしたがい適切に避難しましょう。

(2)弾道ミサイルによる攻撃の場合

 特徴

  • 発射前に着弾地域を特定することが極めて困難であり、短時間での着弾が予想されます。このため、まず弾道ミサイルの発射が差し迫っているとの警報が発令され、テレビやラジオなどを通じてその内容が伝えられます。その後実際に弾道ミサイルが発射されたときはその都度警報が発令され、着弾が予想される地域には、サイレンなどにより注意を呼びかけることとしています。
  • 弾頭の種類(通常弾頭であるのか、核・生物・化学弾頭であるのか)を着弾前に特定するのが困難であり、弾頭の種類に応じて、被害の様相や対応が大きく異なります。

 留意点

  • 攻撃当初は屋内へ避難し、その後状況に応じ行政機関からの指示にしたがい適切に避難しましょう。屋内への避難にあたっては、近隣の堅牢な建物や地下街などに避難しましょう。

(3)着上陸侵攻の場合

 特徴

  • 船舶により上陸する場合は、沿岸部が当初の侵攻目標となりやすい。
  • 航空機による場合は、沿岸部に近い空港が攻撃目標となりやすい。
  • 国民保護措置を実施すべき地域が広範囲にわたるとともに、期間が比較的長期に及ぶことも想定されます。

 留意点

  • 攻撃が予測された時点においてあらかじめ避難することも想定されます。
  • 避難が必要な地域が広範囲にわたり遠方への避難が必要となるとともに、避難の期間が長期間にわたることも想定されます。避難の経路や手段などについて行政機関からの指示にしたがい適切に避難しましょう。

(4)航空攻撃の場合

 特徴

  • 弾道ミサイル攻撃の場合に比べ、その兆候を察知することは比較的容易ですが、あらかじめ攻撃目標を特定することが困難です。
  • 都市部の主要な施設やライフラインのインフラ施設が目標となることも想定されます。

 留意点

  • 攻撃の目標地を特定せずに、屋内への避難が広範囲にわたって指示されることが考えられます。屋内への避難にあたっては、近隣の堅牢な建物や地下街などに避難しましょう。その後状況に応じ行政機関からの指示にしたがい適切に避難しましょう。

具体的には何をするの

 住民の避難、避難住民等の救援、武力攻撃災害への対処の三つの大きな役割を国・都道府県・市町村それぞれで役割分担し、「国民保護」を実施します。
 具体的には武力攻撃事態等が発生し、国の事態認定を受け、市が対策本部を設置すべき市町村として国から指定された場合、市町村国民保護計画に基づいて警報の伝達、避難指示及び避難住民の誘導等を行います。そのほか避難住民の救援、被災者の救助を行います。国・都道府県・市町村の役割分担は次の図のとおりです。

  国・都道府県・市町村の役割分担図

「国民保護計画」とは

 市町村長は、国民保護法及び都道府県の国民の保護に関する計画に基づき、国民の保護に関する計画を作成します。
 この計画には、警報の伝達、避難実施要領の策定、関係機関の調整その他の住民の避難に関する措置、救援の実施、安否情報の収集及び提供その他の避難住民等の救援に関する措置、国民保護訓練並びに物資及び資材の備蓄に関する事項など国民保護に関するさまざまな対応・対策を記載します。
    平成17年度に都道府県で計画が作成され、市町村は計画を作成するよう国から指導されています。

国民保護計画策定に至るまでの流れ(図)

用語集

緊急対処事態

 武力攻撃の手段に準じる手段を用いて多数の人を殺傷する行為が発生した事態または当該行為が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態で、国家として緊急に対処することが必要なものをいいます。

国民保護法

 法律の正式名称は、「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」です。平成16年6月14日に成立し、同年9月17日に施行されました。武力攻撃事態等において武力攻撃から国民の生命・身体・財産を保護するため、国や地方公共団体等の責務、住民の避難に関する措置、避難住民等の救援に関する措置、武力攻撃災害への対処に関する措置及びその他の国民保護措置等に関し必要な事項を定めています。武力攻撃事態等に備えてあらかじめ政府が定める国民の保護に関する基本指針、地方公共団体が作成する国民保護計画及び同計画を審議する国民保護協議会並びに指定公共機関及び指定地方公共機関が作成する国民保護業務計画などについてもこの法律において規定しています。

国民保護計画

 政府が定める国民の保護に関する基本指針に基づいて、地方公共団体及び指定行政機関が作成する計画です。国民の保護のための措置を行う実施体制、住民の避難や救援などに関する事項、平素において備えておくべき物資や訓練等に関する事項などを定めます。地方公共団体の計画の作成や変更に当たっては、関係機関の代表者等で構成される国民保護協議会に諮問するとともに、都道府県と指定行政機関は内閣総理大臣に、市町村は都道府県知事にそれぞれ協議することになっています。

国民保護業務計画

 指定公共機関が国民の保護に関する基本指針に、指定地方公共機関が都道府県の国民保護計画にそれぞれ基づいて作成する計画です。自らが実施する国民の保護のための措置の内容と実施方法、国民の保護のための措置を実施するための体制に関する事項、関係機関との連携に関する事項などについて定めます。業務計画を作成したときは、指定公共機関は内閣総理大臣に、指定地方公共機関は都道府県知事にそれぞれ報告することになっています。

指定行政機関

 内閣府、国家公安委員会、警察庁、防衛省、金融庁、総務省、消防庁、法務省、公安調査庁、外務省、財務省、国税庁、文部科学省、文化庁、厚生労働省、農林水産省、林野庁、水産庁、経済産業省、資源エネルギー庁、中小企業庁、原子力安全・保安院、国土交通省、国土地理院、気象庁、海上保安庁及び環境省が指定されています。

指定公共機関

 独立行政法人、日本銀行、日本赤十字社、日本放送協会その他の公共的機関及び電気、ガス、輸送、通信その他の公益的事業を営む法人で、政令及び内閣総理大臣公示で指定されています。

指定地方公共機関

 都道府県の区域において電気、ガス、輸送、通信、医療その他の公益的事業を営む法人、地方道路公社その他の公共的施設を管理する法人及び地方独立行政法人で、あらかじめ当該法人の意見を聴いて当該都道府県の知事が指定するものをいいます。

武力攻撃

 我が国に対する外部からの武力攻撃をいいます。

武力攻撃事態

 武力攻撃が発生した事態または武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態をいいます。

武力攻撃予測事態

 武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態をいいます。なお、武力攻撃事態対処法において、武力攻撃事態と武力攻撃予測事態をあわせて「武力攻撃事態等」と定義しています。