企画展のほか、古径記念室にて、小林古径の作品を常設展示いたします。
各展覧会の詳細は、詳細ページをご覧ください。
(注)会期・内容等が変更になる場合がございます
「美術館は展覧会をするところ」それだけでしょうか
美術作品を収集し、大切に保存し、展覧会やイベントなどを通して広く伝えていく。この3つの役割がうまく機能していくことで、美術館の魅力を高めることが出来ます。
本展では2020年(令和2年)のオープン以来、2022年度(令和4年度)までに収蔵した作品を選んで展示します。合わせて、当館のコレクションの成り立ちや「あつめてのこす、ひろくつたえる」活動も紹介します。
齋藤三郎「色絵椿文壺」(小林古径記念美術館蔵)
上越市ゆかりの陶芸家・齋藤三郎は、1913年(大正2年)、栃尾町に生まれ、人間国宝・近藤悠三、富本憲吉のもとで陶芸を学び、高い技術を身に付けました。やがて中国へと出兵し、復員後、兄を頼って高田の寺町に身を寄せ約30年にわたって高田で作陶活動を行いました。齋藤は中央の公募展には出品せず、自分の作品を愛してくれる人に向けてひたすら作り続けました。味わい深い絵付けや色合い、そして美しい造形が多くの人々から愛され、今に至っています。
本展では生誕110年を記念し、齋藤三郎の生み出した芸術について時代を追って紹介します。
小林古径 画室にて
上越市出身の日本画家の巨匠、小林古径(1883~1957年)は明治・大正・昭和へと移る激動期の中で、日本美術院をその活動の舞台として活躍しました。古径は写生を基とする中で、大和絵や琳派、日本の古画などを徹底的に研究し、近代的な感覚を取り入れて成熟させたいわゆる「新古典主義」と呼ばれる画境に到達し、近代日本美術史における一つの頂点を築き、1950年(昭和25)には新潟県人で初となる文化勲章を受章しました。
本展覧会では、生誕140年を記念して、初期から晩年までの作品を展示し、古径の画業を回顧します。
小林古径「柿・柘榴ほか」(小林古径記念美術館蔵)
当館は、約1,300点におよぶ小林古径の素描作品を所蔵しています。これらの素描群は、作品の制作過程を知る上で非常に貴重な資料です。古径は、師の梶田半古から写生の大切さを説かれたことから、本画制作に至るまでに何度も題材の模写・写生を繰り返しました。描かれた題材も、古典絵画の模写や草花の写生に至るまで多種多様です。本展では、所蔵作品の中から古径芸術の源泉ともいえる素描に注目し、本画とは異なる素描作品の魅力に迫ります。