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村山市長記者会見内容(令和3年8月24日)

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印刷用ページを表示する 掲載日:2021年9月30日更新

令和3年9月議会に関する市長記者会見を開催しました。

日時:令和3年8月24日(火曜日)午前11時~午前11時50分

会場:市役所401会議室

配布資料

新型コロナウイルス感染症

  • 新型コロナウイルスワクチン12歳以上の市民の接種状況について

  • 中小企業者チャレンジ応援事業について

  • 上越市農産物等インターネット販売強化促進事業 上越特産市場における「上越産品販売促進キャンペーン」(第3弾)の実施について

決算

  • 令和2年度決算概況

補正予算

  • 各会計予算規模(令和3年度)
  • 9月補正予算(案)の概要、6月30日付専決補正予算の概要

 配布資料 [PDFファイル/1MB]

市長記者会見動画

会見冒頭の市長による説明をご覧いただけます。手話通訳もあります。

令和3年8月24日開催の市長記者会見動画(外部リンク)<外部リンク>

質疑概要

配布資料の説明

(市長)
 気付きますと8月もあと1週間となりました。何かとお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございました。

 まず始めに新型コロナウイルス感染症に関してご説明いたします。
 新型コロナウイルス感染症は、全国的に感染が急拡大しており、当市においても、感染症患者が連続して確認され、警戒を強めているところです。
 市内における新型コロナウイルス感染症患者の状況といたしましては、盆明けの8月16日から22日までの1週間で27人確認されており、昨日は、これまでの1日における最多の発表人数に並ぶ9人の感染症患者が確認されております。教職員や生徒、児童と、学校関連における確認も続いております。人口10万人対感染症患者数は14.4人であり、感染経路不明者割合は9人、33パーセントとなっており、新潟県の特別警報基準を超えてきております。
 この間の感染症患者の状況から、県外への移動歴がある方もいることから、感染拡大地域との往来に起因する感染が市内感染症患者の増加の一つの要因となっているのではないかと考えており、今後も人の移動の影響に伴う感染拡大を懸念しているところであります。
 資料ナンバー1をご覧ください。こうした中、感染症対策の一つであります、ワクチン接種につきましては、8月22日現在、ワクチン接種の対象年齢である12歳以上の市民170,041人のうち、1回目の接種を受けた方は130,577人、76.8パーセント、2回目の接種を受けた方は102,904人、60.5パーセントとなり、ワクチンの供給状況の影響を受け、一部計画を見直しながらも順調に接種を進めることができているのではないかと考えております。先週末の8月21日及び22日には、50歳から64歳以下の市民の皆さん13,697人を対象として集団接種を実施したところ、対象者の89.2パーセントに当たる12,211人の方から接種をお受けいただけました。市といたしましては、医師、看護師等を大幅に増員して対応しましたが、一部の会場では大変混み合い、お待ちいただく時間が長くなってしまうなど、ご迷惑をおかけしたところでございます。しかし、市民の皆さんの大変なご協力をいただきながら、無事に1回目の接種を終了することができました。9月に2回目の接種を予定しておりますことから、医師や看護師の増員や事務手順の見直しなどの対策を講じてまいりたいと考えております。
 また、この感染症により影響を受けた市内経済に対しましては、後ほどご説明いたします9月補正予算で資料ナンバー2にあります中小企業者チャレンジ応援事業、また、資料ナンバー3にあります上越市農産物等インターネット販売強化促進事業の上越特産市場における「上越産品販売促進キャンペーン」などの対策も引き続き講じてまいります。

 それでは、引き続き、令和3年9月定例会に提案いたします、令和2年度決算の概要についてご説明いたします。
 令和2年度の市政運営を振り返りますと、年間を通して、新型コロナウイルス感染症への対応に終始した一年となりました。
 感染症の第一波となった令和2年度の第一四半期に、国内経済は戦後最大のマイナス成長となり、政府は感染症の拡大防止と経済社会活動の両立を図りましたが、感染症の蔓延は抑制と拡大を繰り返し、刻々と変化する事態への対応に追われました。
 当市におきましても、感染症の拡大防止対策とともに、厳しい状況に置かれた市民生活と市内経済を下支えするため、独自の対策を講じますとともに、国の補正予算の動向を注視しつつ、既決予算の組み替えや予備費の充用、累次の補正予算の編成により、機動的かつ臨機に対策に取り組んでまいったところであります。
 さらに、当市では、昨冬、昭和61年以来の大雪に見舞われました。除排雪経費が不足する事態となり、過去最大となる除雪費を措置する状況となりましたが、同時に、窮状を国や県に強く訴え、災害救助法の適用とあわせて、補助金の追加交付などの支援を得たところであります。
 こうした一連の状況に際し、適時に予算措置を講じた結果、令和2年度は、合計13回にも渡る、過去に例を見ない累次の補正予算を編成した一年となりました。
 詳細は「決算の概況(1)」に記載のとおりでありますが、ここでは、お手元の資料でその概略をご説明いたします。

 資料ナンバー4の1ページをご覧ください。
 まず、一般会計の決算規模であります。
 歳入総額は、1,235億3,832万円で、令和元年度の1,034億2,079万円と比べて19.5パーセントの増となっております。また、歳出総額は、1,187億2,087万円で、令和元年度の990億1,473万円と比べて19.9パーセントの増となりました。
 歳入歳出の差引、これは形式収支でありますが、48億1,744万円となり、ここから繰越明許費として令和3年度へ繰り越した財源4億7,015万円を差し引いた実質収支は、43億4,729万円となりました。
 各特別会計の収支につきましては、それぞれ記載のとおりであります。
 2ページは、一般会計の歳入と歳出を、款別に、前年度と比較した表であります。ここでの詳細な説明は省略させていただきます。

 続いて、決算に係る主な財政指標についてご説明いたします。
 3ページをご覧ください。表1に記載のとおり、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、「分母」となる経常一般財源等収入額の増加などにより、2.6ポイント低下の92.2パーセントとなりました。
 次に、表2の実質公債費比率は、「分母」となる標準財政規模が、各種の譲与税・交付金及び実質的な普通交付税の増加により増加となったことなどにより、前年度の11.8パーセントから0.5ポイント低下し、11.3パーセントとなりました。
 その下、将来負担比率は、同じく標準財政規模の増加に加え、第三セクター等改革推進債の繰上償還などにより「分子」が減少したことから、前年度の91.5パーセントから11.0ポイント低下し、80.5パーセントとなりました。
 表3をご覧ください。財政調整基金の令和2年度末残高は、累次の補正予算の編成に当たり財源不足が生じ、これを財政調整基金からの繰入れで補ったことから、前年度末から12億2千万円余り減少し、88億3,251万円となりました。
 その下の表4、市債の残高につきましては、第三セクター等改革推進債の繰上償還など、市債の新規発行額に対し元金償還額が上回ったことから、前年度末から約50億8千万円減少し、1,248億9,563万円となり、このうち通常分は、約53億6千万円減の798億1,677万円となりました。1,250億余りの市債のうち、全て国が補填するものがその内の70パーセント、市が財源として負担しなければならないものは29パーセントで30パーセント弱ですが、365億円という状況であります。

 決算の概要についての説明は、以上であります。

 続きまして、補正予算案の概要についてご説明いたします。
 4ページの、資料ナンバー5-1をご覧ください。
 各会計の予算規模を表すものであります。今回の補正予算では、一般会計で28億8,199万円を追加し、予算規模を969億9,442万円とするものであります。また、国民健康保険特別会計を始めとした補正予算を、あわせて提案するものであります。続いて、5ページの、資料ナンバー5-2をご覧ください。
 一般会計補正予算の主な内容は、佐渡汽船株式会社に対し、小木直江津航路の維持に向けた支援を行うとともに、中小企業者チャレンジ応援事業補助金の再度の実施に要する経費を増額するほか、新型コロナウイルス感染症の影響により、施設運営の継続が困難となっている公の施設の指定管理料を見直すものであります。
 また、第三セクター等改革推進債の一部及び高速カーフェリー導入への補助金の原資として発行した地方債の残債務を繰上償還するため、地方債元金償還金などを増額するほか、前年度決算剰余金について、地方財政法第7条の規定に基づき、その二分の一を財政調整基金に積み立てた上で、財政調整基金繰入金の減額などをもって整理するものであります。

 まず、歳入についてご説明します。
 まる1地方特例交付金及びまる2地方交付税は、それぞれ交付決定額にあわせて整理するものであります。
 まる3国庫支出金では、個人番号カード交付事務費補助金及び地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金などを、また、まる4県支出金では、ユニット化改修等支援事業費補助金をそれぞれ増額するものであります。
 まる5繰入金は、本補正予算の収支の均衡を図るため、財政調整基金繰入金を減額して調整するとともに、第三セクター等改革推進債の繰上償還の財源として減債基金繰入金を増額するほか、まる6繰越金は、令和2年度決算の実質収支額の確定に伴い増額するものであります。
 まる7諸収入では、佐渡汽船株式会社から、高速カーフェリー建造への補助金について、残存価格相当額の返還を受けるほか、後期高齢者医療制度における療養給付費負担金の過年度精算分の確定に伴い増額するものであります。
 まる8市債は、臨時財政対策債の発行可能額の決定にあわせて減額する一方、道路整備の補正にあわせて増額するものであります。

 6ページをご覧ください。
 続いて、歳出のうち、主な事業をご説明します。
 まる1財政調整基金積立金は、前年度の決算剰余金の二分の一を積み立てるものであります。なお、本補正予算成立後の基金残高は、105億4千万円となります。
 まる3市民プラザ管理運営費では、エスカレーターの更新工事に要する経費を増額ものであります。なお、本工事に約7か月の工期を見込むことから、債務負担行為をあわせて設定するものであります。
 まる4戸籍住民基本台帳費では、マイナンバーカードの普及を図るため、民間企業や商業施設での出張申請受付と、休日等におけるカード交付体制の強化に要する経費を増額するものであります。
 まる5福祉施設建設事業では、介護保険施設における非常用自家発電設備等の整備に係る補助金を増額するほか、まる6歯科保健事業では、一般社団法人上越歯科医師会が開設する上越障がい者歯科診療センターに設置する麻酔設備の導入経費を、妙高市、糸魚川市とともに負担するものであります。
 まる7企業誘致促進事業では、コワーキングスペースの整備に対する支援が当初の見込みを上回ったことから増額するものであります。
 まる8直江津港振興事業では、小木直江津航路の維持に向け、新型コロナウイルス感染症の影響により減少した運賃収入相当額を、佐渡汽船株式会社に対して支援するものであります。
 まる9新型コロナウイルス感染症経済対策費では、感染症の影響による経営環境の変化を捉えた新たな挑戦を再度支援するため、中小企業者チャレンジ応援事業補助金を増額するものであります。
 まる10観光施設等管理事業では、感染症の影響により、指定管理者の資金繰りが特に悪化し、運営が困難となっている柿崎マリンホテルハマナスほか3施設について、運営を継続するため、指定管理料を再算定し、増額するものであります。
 まる11道路維持費では、県道後谷黒田上越妙高停車場線と市道上門前大和線との交差点において、交通安全を確保するため、所要の経費を増額するほか、まる12公共下水道費では、下水道事業会計において、雨水幹線施設の災害復旧工事を実施することから、同会計への繰出金を増額するものであります。

 7ページをご覧ください。
 まる13地方債元金償還費では、佐渡汽船株式会社が高速カーフェリーを売却したことに伴い、同船の導入に対する補助金の原資として発行した地方債の残債務を繰上償還する必要が生じたこと、また、第三セクター等改革推進債の繰上償還を実施することとしたことから、所要の地方債元金償還金を増額するものであります。
 まる14予備費では、本年7月及び8月の大雨により発生した農地、農林業用施設における災害の復旧等に要する経費について予備費を充用し、対応してきたことから、今後の不測の事態に備え、増額するものであります。

 なお、8ページから10ページは、特別会計の補正予算と、国が新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金を創設したことを受け、速やかに本支援金を支給するため、6月30日に専決処分いたしました補正予算の概要を掲載しておりますので、後ほどご確認ください。

 私からの説明は以上であります。

質疑

(記者)
 昨年度の決算ということで、新型コロナウイルス感染症の影響が大きく出た、あるいは豪雪もあったことで、歳入歳出ともに当初の想定から大きく膨らんだ、想定外が多かった年だと思いますが、主要指標を見ますと、いずれも改善傾向にあるという状況かと思います。想定外の年であった中で、市長は、決算の数字からどのように見ていますか。

(市長)
 確かに900億円少しの予算が1,200億円まで膨らんだということですから、非常に色々なことがあったのだと思います。先ほど申しましたように、補正予算を13回組みました。私の経験の中で、自治体でこれだけ補正予算を組む年はないのではないかと思っています。
 新型コロナウイルス感染症に関する国からの交付金が確か約190億あり、その分を含めたことにより膨らんだという事由になると思います。
 それから、やはり冬場の除雪費として60億円以上が手当てされたと思いますので、そういうものが大きく影響を及ぼし、決算額が膨らんだということになったと思います。 
 除雪費については、国の手当てを非常にお願いしなければならないということでありました。そのような中、財政調整基金についても、この13回の補正予算の中で90億円を切りました。88億円くらいまでいったでしょうか。今回はどのように決算が打てるかと非常に心配してきましたが、国から相当の手当てをいただきました。また、工面してきた中で財政のその指標が改善したのは、借金の中で、国の手当てが全くない資金手当債と言われるものの中に、第三セクター等改革推進債がありますが、早く繰上償還をしなければならないということで、繰上償還する努力をしました。そういうことからすると、計算上は、分母が増えて分子が減るということになりますので、数字が下がるということになります。その部分では改善したかと思っていますが、最後の決算を打つまでは、当初予算からこれだけ大きく組み替えて来たことによって、その時々に、具体的な財源はどうなっているかということをチェックしてきましたが、最終的な財政指標がどのようになるかということは、その都度計算しているわけではありませんので、今回の数字を見て、気になった部分がある種払拭され、予定どおり財政の健全化の基盤は引き継がれたということで、その点ではよかったと思っているところであります。

(記者)
 市長がこれまで取り組んでこられたものの一つが、財政の再建、健全化という安定的な財政を築くということと思います。令和2年度の想定外の事態においても、それが大きく崩れるようなことにはならなかったという見方をされているということでよいですか。

(市長)
 そのとおりです。予算額が当初予算からこれだけ大きく増えたという状況がありましたので、財源については絶えず気になっていました。今まで築いてきたものが、ガラガラと崩れてしまうようなことはないだろうということで、絶えずチェックをしながら対応してきました。今までの方向性は、そのまま繋ぐことができたと思っているところです。

(記者)
 今議会は、市長が任期中に臨む最後の議会になります。どのような思いで臨みますか。

(市長)
 新型コロナウイルスの感染状況や経済の状況が非常に大変だということがあり、あまりゆっくりと自身を振り返ることができないでいる状況です。先日の新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場に、午前と午後で2回行きました。資料にあるように、接種比率が90パーセント近いということ、一会場で6,000人を超える状況もありました。あれだけオペレーションを頑張ってやってきたということを考えると、振り返ることよりも、現在起きている状況を、足元をしっかりと見つめながら、次のウィズコロナ、ポストコロナに思いが至っていて、自身が歩んできたことについては、まだ考えることはできていません。9月議会で、決算があり、そして質問がある中で、自身の12年間について振り返る時間があるのではと思っています。今のところ、振り返る時間の余裕がないという状況です。

(記者)
 補正予算の歳出の直江津港振興事業という項目で、2億4000万円があります。これは、佐渡汽船のいわゆる減収補填に相当するものだと思うのですが、そのまま支出する、支援すると判断した理由を、これまでの経緯もあったと思いますのでお聞かせください。

(市長)
 上場会社であります佐渡汽船の体質がどうなのか、そしてまた、経営状況はどうなのかということについて、一自治体がどれだけ対応できるかということを考えていくのが大切と思っていました。その時に、あれだけの企業、上場会社の赤字経営、債務超過に、一自治体の財政がどれだけ関与できるかというと、私は、やはり佐渡汽船の努力、実力をしっかりと見なければならないですし、株主の皆さんの判断も必要と思っていますので、市が、会社全体の債務超過、赤字基調といった経営について何か対応することは難しいと思っています。
 その中で、「あかね」が今回売却され、船型が変わって、「ぎんが」というジェットフォイルに変わりました。その時には、市も、また佐渡航路確保維持改善協議会においても、ジェットフォイルに変わることによって、これだけの人員を輸送しながら、小木直江津航路の経営を頑張っていくことの了解を取り付けたとしたわけですが、新型コロナウイルス感染症の状況が非常に厳しく、首都圏、関西圏を含め、往来がないということが、私たちがともに作った計画との乖離がでてきたということです。乖離が出たことについての減収の補填は、市もその計画に関わったことから、負担することがあってもよいのではという判断の下に計算し、2億4000万円となりました。これは、当初の運送人員と実績の差分に、片道の料金を掛けて積算した金額であると思います。会社の経営に対するものでなく、航路の維持というものを目論み、小木直江津航路の新しい将来像を共に描いた上で、人員の減によったものについて補填すると判断したところです。

(記者)
 減収補填について、来年度以降はどうなりますか。あくまで今年度限りのものですか。

(市長)
 新しい人員の輸送計画については、社会の状況を見ながら来年度以降に作られると思います。そこに、市が関わっていくとすれば、その時にまた判断することになるだろうと思っていますし、その時の人員はどれだけになるかは、結果的に佐渡汽船全体の経営にどれだけ影響するのかということも出てくると思います。その点については、佐渡汽船の中で整理をしながら、市が小木直江津航路の人員をどのように想定するかは、佐渡汽船や佐渡市と議論していくことになると思います。掲げられる目標については、それぞれ協議した中で整理されますので、今回よりも落ちるのかなど、その状況を見て、どういう評価をするかは、次に考えてもらえればと思っています。

(記者)
 神戸市の船会社が、直江津佐渡間で、米やおけさ柿を運ぶための貨物船を新しく就航をさせることになりました。この件について、市の見方、期待感を教えてください。

(市長)
 現在、上越と佐渡の間で貨物運送ができるツールがありませんので、ここに貨物だけを運送するという船会社が入ってきたことについては、良いことだと思っています。ただし、ベース・カーゴが上越と佐渡間においてどうなっていくのかという点について、佐渡からは、米や柿といったものがあるかもしれませんが、上越から佐渡に渡るものがどれだけあるのかということがあります。ポートセールスをしながら、また、船会社による貨物の確保のためにセールスをしていくという努力は必要と思っていますので、航路の維持のために、ポートセールスをしっかりやっていく必要も改めて出てきたと思っています。

(記者)
 今日公表された決算を見ますと、黒字額はかなりまとまった額で、逆に言えば、その分サービスとして市民に還元していないのではないか、行政としてやるべきことをやっていないのではないかというようにも感じます。村山市長のこの12年間は、やはり財政再建、財政健全化を主眼に置いてきて、同一規模の市の中においても、全国的にも、結構良いところの財政規模になっていると思います。この件に関する市長のお考えを聞かせてください。

(市長)
 市長を受けた12年前とは、自身が携わってきた12年間における財政に対する思いは少し違ってきていると思います。12年前の財政状況は、非常に危機的であると思っていましたので、3、4年かかってある程度の状況まで持ち直したということからすると、今は、まさに必要な行政サービス、そして必要な事業を取り込みながらやっていく必要があると思っています。私は、事業執行より、財源をどのように確保するかということに腐心してきました。自身の財源で仕事をすることは当然ですが、借金するにしても有利なものがないのかどうか、国の有利な起債で充てられるものがないかということを含め、職員に対してそのような目配りをお願いしましたし、私もその意識を強く持っていました。財源の確保においては、非常に有利なものを選択するということ、長期の借り入れの中で非常に負担があるものについては早く返すということでした。端的に言うと、私が市長を受けた時には、退職金を払うための退職手当債が60億円くらいあったと思います。また、今回の第三セクター等推進債も国からの補助支援のない起債ですので、こういうものを繰上償還してきました。負担になる起債は積極的に償還しながら、有利な起債を活用するという、このような財源に対する在り様に、私はこの12年間気にしてきたということがあります。40何億円の実質収支は、予算を執行しないということではなく、適正な予算執行をした中での残額ですし、効率的な執行をしたことによって積み重なった金額ということです。1,200億円の内の43億円の実質収支について、多いか少ないかという議論は別途しなければならないと思いますが、切り詰め、使うべきものに使わないで余ったという感覚はなく、有利な財源を使いながら、やるべき事業をやるという予算編成をずっとやってきたということと、負担になる借金は早く返すということを職員と一緒にやってきました。1,250億円ある起債の内、880億円くらいは、国が全額手当してくれますし、市が財源として負担しなければならないものは360億円くらいです。12年間このように職員とともにやってきて、少し先が見えるようになったのではと思っています。これは、職員の努力と思っています。

(記者)
 財政的な厳しい制約がなければ、これはやってみたかったとか、思い切ってこんなことに予算を付けてみたかったというような事業、構想はありましたか。

(市長)
 12年前、私は、財源の有無は別にして、上越市に必要なものとして、今のオーレンプラザの施設だけを公約に掲げて立候補しました。オーレンプラザができるまでに4年かかりました。一期目の公約にもかかわらず、一期目にはできなくて、二期目にあの施設が整備されるという状況になったということから考えますと、やりたいことがないのかということになりますが、それ以降、今考えれば、学校や保育園の統廃合、止まっていた黒井藤野新田線の動き、それからジムリーナ、水族博物館もありました。結果的には、また箱物と言われるかもしれませんが、そういうものも手掛けることができた、できるような体制になった、そして、今の借金の状況、財政の状況を含めても、そういう状況が生まれたということについて、皆でよく知恵を絞りながら頑張ってきたと思っているところです。やりたかったことの中で、涙が出るほどよかったと思う事業は、それほど大きな事業ではなかったと、この質問を受けて思っているところです。それは、4年目か5年目の時に、重度の障害で医療を伴う障害のある人やそのご家族が非常に苦労されており、母親が子どもを毎日看病していて、同窓会にも、病院にも、映画館にも、書店にも行くことができないという話をお聞きしたことがありました。当時の地域医療センター病院の院長と2年くらい話し合い、結果として、障害者用の特別なベッドを用意してもらって、デイサービスや短期入院のショートステイのような形で障害のある人を預かってもらえることになり、二人で涙を流しながら喜んだことがありました。現在、さいがた病院にも2床入れてもらっています。また、私の知り合いの農業法人に、障害のある人を雇ってもらえないかとお願いしたところ、なかなか難しいけどやってみるよということになり、雇用してもらったら、あのように頑張って働いてくれる人はいないということで、輪が広がっていった農福連携もありました。あまり大きいことでなく、また、思い付きのようなことかもしれませんが、自身が障害のある人に対して持っている思いみたいなものを一つずつ、小さいけれども形にできた12年間だったというように思っています。少し時間がかかったけれどもやれたというものが一つ二つありますので、少し時間に余裕ができたら考えてみて、納得できるかどうか、自身に問いかけてみたいと思っています。

(記者)
 この9月議会にはどのように対峙しますか。平常心か、それとも、最後の議会ということでいつも以上に気合いを入れ、気持ちを込めて口舌を振るうのか、その意気込みをお聞かせください。

(市長)
 私は1人でやってきたわけではありません。確かに、市民の皆さんから選ばれ、12年間託されたことについての感謝をしなければなりませんが、やはり、3,000人近い職員と一緒にやってきたという思いがあります。職員の力があってこそ、仕事ができたと思っています。12年間、職員に語り、職員と一緒に激論を交わし、強く大きな声を出したり、また感謝をしたりという日々でした。職員の力を生かせる組織が、やはり市民にとっての一番良い組織であると思っていますので、質問があれば、そのような思いを答えることができればと思っています。いずれしても、良い仲間と仕事をしてきたという思いで、私にとって12年間はいい景色に見えています。そのことを伝えられればと思っています。

(記者)
 副市長時代から、議会とは随分長い付き合いだったと思います。これが自身の公式戦最後の機会という思いはあまり持っていませんか。

(市長)
 それがあまりないので、少し恥ずかしいと思っています。副市長から市長になる時も同じような気持ちでした。副市長から市長にさせてもらう時にも、務められるかという不安のようなものがありましたが、一人ではないといつも思っていました。議会は、副市長である私と、市長である私に対する見方が変わっていると思います。
 市長が市民に対して言うと非常に厳しいということについては、副市長である私が言うべきだという思いが強かったので、発言していました。なので、ある種厳しく評価された副市長だったと思っていますが、市長になった時には、自身でやることができ、謝罪したり説得したりすればいいわけですので、副市長である私と市長である私は、性格は同じなのですが、やってきた取り組みは随分違っていると思います。これは誰が聞いても分かると思います。当時のマスコミからは、とんでもない副市長だという論調であちらこちらに出ましたし、それを見ても変わることができなかったと思います。淡々と12年間務めさせてもらい、私自身の中には良かったという思いと、あの時こうすればよかった思いがありますが、職員と議論しながら得た結論で、私自身が判断したことですので、よしとしなければならないと思います。副市長の時には、市長がいるので逃げられるところがあったかもしれませんが、市長になった時には、正しいものから正しいものを選ぶ、三つ四つ選べればよいのですが、一つしか選べられないという、こういう判断の場面では、結果的に一人だったと感じています。結果して、そのことはやはり大きな負担であったと思っていますが、これが市長というものかと、首長というものかと思い、自身を激励しながら、また、勇気づけながら判断してきたと振り返ります。しかし、その判断をするためには、職員が本当によく支えてくれたと思っていますので、一人ではなかったというのが今の実感です。

(記者)
 実質単年度収支について、財政計画上はかなりの赤字を見込んでいた年であったと思いますが、決算額を見ると7億5,000万円くらいのプラスになっています。新型コロナウイルス感染症に対応した年ということで、財政計画と大きく乖離が出ているのだと思いますが、これまでずっと赤字構造の解消が課題であった中、あくまで新型コロナウイルス感染症など特別な要因を受けてこういう数字になったのか、それとも赤字構造の脱却に近づいたのか、あるいは実現できた結果なのか、市長はこの数字をどのように見ていますか。

(市長)
 起債の返還など様々な調整をしており、7億円は全く大きな数字ではありません。冬の大雪の状況下では、私は、多分マイナスなると思っていましたが、除雪費を含めても残ったということです。その時々の状況によって動きますので、この財政の動きというのは、見ていかなければなりません。多分毎年変わりますので、どのような基調かはなかなか見えないと思いますが、令和2年度については脆弱だったということです。要するに、その時に何が起きるかによって、相当の変化が出てくるということだと思います。年による影響があり、それに対応していくほかないと思います。令和2年度の実質単年度収支はマイナスになるのではないかと思っていましたが、国や県に対する要望があったことによって、今回は残ったと思っていますので、上越市の場合、一つの流れとして捉えることは、まだ難しいと思っています。

(記者)
 赤字基調から完全に抜け出しているという状況ではないということですね。

(市長)
 はい。財政調整基金が88億円まで減り、今回少し積み上げますから、105億円まで戻りますが、国の今後の状況から考えますと、合併して10年後と今の段階で国からくる交付税だけで50億円くらい減っていますので、この減っている部分を基調とすると非常に厳しい状況であると思っています。

以上

このページに関するお問い合わせ先

上越市

〒943-8601 新潟県上越市木田1-1-3電話:025-526-5111Fax:025-526-6111

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