8月24日(火曜日)から9月5日(日曜日)まで、東京2020パラリンピックが開催されました。
東京2020パラリンピックには、上越市出身の石浦智美選手が出場し、出場した3種目すべてで入賞しました。競技の様子はテレビ放送され、テレビでの観戦をした市民の皆さんも多かったのではないでしょうか。
石浦智美選手について、大会での結果とあわせて紹介します。
50メートル自由形(視覚障害S11)…30.74秒
50メートルバタフライ(視覚障害S11)…35.27秒
石浦選手は2つの日本記録を保有しています。東京大会で出場する女子50メートル自由形(視覚障害S11)においては、令和3年6月6日に横浜にて開催されたJSFP日本選手権で自身の持つ日本記録を更新し、日本新記録を樹立しました。
専門種目である50メートル自由形で金メダル獲得と世界新記録を目指しています。ぜひこの機会にオリンピック・パラリンピックを上越でも身近に感じていただき、皆さんに明るいニュースを届けられたらと思います。
石浦智美選手は出場した3種目すべてで入賞しました。結果については以下のとおりです。
女子50メートル自由形(視覚障害S11)
混合4×100メートル49ポイントフリーリレー
女子100メートル自由形(視覚障害S11)
8月27日(金曜日)に石浦選手の母校である北諏訪小学校の全校児童が、スクリーンで女子50メートル自由形7(視覚障害S11)予選のレースを観戦し、石浦選手を応援しました。
北諏訪小学校の児童たちは、新型コロナウイルス感染症対策として、声を出さずに横断幕や手旗、太鼓で石浦選手を応援しました。
石浦選手のレースを見終えた児童たちからは、「石浦選手はとてもかっこよかった。自分も水泳を習っているので、速く泳げるようにがんばりたい。」「泳いでいる姿がとてもきれいだった。」「家に帰ったら家族とテレビの前で決勝を応援したい。」といった感想が聞かれました。
パラリンピック水泳では、機能障害、視覚障害、知的障害などの選手が活躍しています。選手によって様々な障害を持っているため、独自の工夫や練習によって生み出したフォームで力強く泳ぎ、タイムを競います。
選手の障害は種類や程度がそれぞれ異なりますが、競技の公平性を保つため、泳法ごとに細かくクラス分けがされています。
アルファベット | 泳法 |
---|---|
S | 自由形・背泳ぎ・バタフライ |
SB | 平泳ぎ |
SM | 個人メドレー |
クラス分けは、上記の表のように泳法や障害の種類、程度をアルファベットや数字で表記されており、石浦選手が出場するS11は自由形の視覚障害のある選手で、最も重度のクラス(全盲クラス)であることを意味しています。
パラリンピック水泳の中でも石浦選手の出場する視覚障害者のクラスでは、泳いでくる選手にプールの壁が近づいていることを知らせる「タッピング」という技術があり、「タッパー」と呼ばれるタッピングを行う人がいます。タッピングは視覚障害者のクラスでは安全確保のため義務付けられています。タッパーは「タッピングバー」という棒を用いて、選手が壁に到達する手前で選手の体にタッチして合図します。選手はその合図をもとにターンやゴールを行うので選手とタッパーの息があっていないとタイムが落ちることもあるようです。
タッパーと選手のコンビネーションがパラリンピック水泳の見どころのひとつです。