アライグマは北米が原産で、ペット等の目的で日本に持ち込まれましたが、気性の荒さなどから捨てられたり逃げ出したりしたものが野生化し、全国各地で繁殖しています。
市内の生息状況調査でも広範囲で痕跡が確認され、ほぼ全域で生息している可能性があります。雑食性で果実や野菜類、小型哺乳類、両生類、爬虫類など何でも捕食し、木造の家屋や神社等に棲みつきます。
繁殖力が非常に高く、天敵もいないため、短期間で個体数が増え、甚大な被害につながります。国では特定外来生物に指定し、地域からの根絶を目指す対象としています。
下記のアライグマの特徴などをご覧いただき、個体や痕跡を見掛けた場合は、環境政策課または各総合事務所へご連絡ください。(危険なので直接捕獲はしないでください。) また、注意する点は次のとおりです。
(令和3年7月 市内にて捕獲したアライグマ)
アライグマは、主に夜間に活動するため、目撃されにくく、被害が発生してもアライグマによるものと認識されないことが多いと考えられます。ただし、指が長く器用な前肢を持つため、スイカなどは小さな穴をあけて中味だけを食べる、トウモロコシは皮をむいて実を食べるなど特徴的な痕跡があり、被害を見分けるポイントになります。
雑食性のため、加害対象は多様ですが、特にトウモロコシ、メロン、スイカ、イチゴ、ブドウ、家畜飼料などの被害の他に、ニワトリを食べるなどの畜産業被害、養魚場での魚の捕食といった漁業被害も考えられます。
市内に生息する希少な両生類や爬虫類をはじめ、特に小動物への影響が心配されています。
北海道ではニホンザリガニやエゾサンショウウオなどの捕食が確認されており、神奈川県ではトウキョウサンショウウオへの加害が心配されています。
また、千葉県や愛知県では手肢のないイシガメなどが大量に発見されており、これもアライグマによる捕食が疑われているところです。
人家の屋根裏や廃屋に侵入して住み着くことがあります。
具体的には、爪による建物の破損の他、糞尿による住居の汚染や鳴き声による騒音、イヌ、ネコ、コイなどのペットを襲う、ペットの餌の横取りといった被害があります。
また、鎌倉や京都などをはじめとして各地で、神社仏閣などの歴史的建造物や文化財の破損が大きな問題となっています。
ヒトに感染する疾病として、原産国ではウイルスの媒介による狂犬病やアライグマ回虫による幼虫移行症が知られています。狂犬病については、現在日本は清浄国であり、発生はありませんが(海外渡航者の発病を除く)、多くの国で野生動物にも発生しています。
アライグマ回虫については、日本では野生化個体で発見された報告はありませんが、飼育個体からの報告例はあります。この他、ヒトの皮膚病の原因となるアライグマ糞線虫が野生化個体から発見されています。
県では、外来生物法に基づき、令和5年6月頃までに防除実施計画を策定する予定です。
上越市では、これまでアライグマを調査研究している長岡技術科学大学と連携し、痕跡の調査・捕獲への協力を行ってきたところであり、県の防除実施計画策定後は、県と連携して防除を進めていきます。
外来生物・特定外来生物をご覧ください。