登録有形文化財「麻屋高野」を活用した瞽女ミュージアム高田
瞽女(ごぜ)は目が不自由な女性で、各地を巡り、唄と三味線の演奏を披露する旅芸人です。昭和の高度経済成長期以前の、現代に比べて娯楽の少ない時代、農山村の人々にとって瞽女の巡業は数少ない楽しみの一つでした。
高田の雁木が続く界隈にはかつて瞽女の家があり、最盛期(明治半ば)には17軒89人が暮らしていました。瞽女の戒律はとても厳格なもので、弟子は親方の厳しい指導のもと芸を磨き、共同で規則正しい生活を送っていました。旅にあっては目が不自由なハンデを抱えながらも、およそ15キログラムにもなる重い荷物を背負い、互いに助け合い励まし合いながら毎年決まったルートを巡業しました。高度経済成長期に入り社会や生活様式が変化する中、最後の瞽女親方である杉本キクイさんが巡業をやめた後、旅する瞽女の姿は途絶えましたが、その力強い生き様と互助の精神は後世に語り継ぐべき宝です。
瞽女ミュージアム高田は、瞽女の住まいの雰囲気を体感できる高田の雁木町家「麻屋高野」(昭和12年建造、平成24年2月 国の登録有形文化財に登録)において、その姿を今に伝える写真や映像、瞽女を題材とした作品を多く残した斎藤真一画伯の絵画を展示するほか、資料の収集や瞽女文化を市内外に発信する活動を行っています。
NPO法人 高田瞽女の文化を保存・発信する会
瞽女文化を全国に発信するための活動を行っています。
「瞽女の文化」は、障がいを持っている方を暖かく包み込んで共に生きる「文化」です。
かつての農山村の人々は、瞽女さんを共に生きる仲間として受け入れ、自立を支えました。
人が生きる上で大切な心の優しさを、この瞽女ミュージアムで感じ取ってみませんか?
「上越市「地域の宝」を認定しました。」をご覧ください。