2基ある祠の手前正面に天水分神の文字が見える(1枚目)、左側面には三つの集落の名前(現町内会名)が刻まれている(2枚目)
天水分神とは日本神話(古事記)に登場する日本の神で、水の分配を司る神です。
日本神話では、伊邪那岐神(イザナギ)と伊邪那美神(イザナミ)による神産みの段で速秋津比古神(ハヤアキツヒコ)・速秋津比売神(ハヤアキツヒメ)の子として、天水分神(あめのみくまりのかみ)・国水分神(くにのみくまりのかみ)が登場します。
水の守り神として、水源地や水路の分水点などに祀られます。
中郷区岡川にある2基の祠のうち、左側の祠の正面に「天水分神」の文字が刻まれ、左側面には「大正十四年三月」の年月と「四ツ屋」「岡川」「八斗蒔」の3つの集落の名前が刻まれています。
農業用水の確保は、水田農耕が生業である集落において、極めて重要であることから、水源涵養や五穀豊穣を祈念して建立されたものと思われます。
平成6年の猛暑の折、水不足になった際に、古老から「このところ水神様に参拝していない」という指摘があり、翌年から参拝を再開したところ、現在まで水不足に悩まされていないといいます。
四ツ屋町内会
岡川町内会
八斗蒔町内会
3集落共に高齢化と人口減少、離農者の増加が課題であり、いつまで現地へ赴くことができるか、赴く必要があるのか等、関わる心配事が無いわけではありませんが、今回の認定を契機として3集落民一同、認識を新たにし、永続できるよう努めてまいる所存です。
「上越市「地域の宝」を認定しました。」をご覧ください。