この境内に鎮座する諏訪神社は、明治16年神社明細帳には、由緒口碑に文明年中(1469年~1487年) の創立にして、天和三亥年(1683年) 御検地の際も木立古く相見え候につきと記されている。
この大欅の根元(裏側)に、年中涸れることなく湧き出している清水がある。清水の由緒等は不詳であるが、古くから、大欅の根元から湧き出ている清水と伝えられてきた。
この清水は、集落の人たちが、飲料水や野菜等の洗いものをする貴重な場所であった。また、道行く人たちがここに立ち寄り、喉を潤す場所でもあった。ここでは、近所同士の日常会話や久しぶりの出会いもあり、誰言うともなく「出会いの清水」と呼ばれるようになった。
この清水は、推定樹齢500年といわれる大欅と共に、この地域の人々に安らぎと潤いを提供し続けてきた清水である。
昭和38年8月、この地域一帯に簡易水道が設備された。水道の普及は、農村の生活様式を徐々に変えてゆき、現在では、清水を生活に利用することは殆んどなくなった。
しかし、この貴重な清水を後世に伝えるべく、篤志家によって植栽された水芭蕉が、春になると清楚な花を咲かせ往時を偲ばせてくれる。