中ノ俣の紹介

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年6月17日更新

中ノ俣というところ

中ノ俣の画像(写真)

 中ノ俣(なかのまた)集落は、新潟県上越市の西側に連なる西頸城(にしくびき)山地の入り口に位置し、桑取川(くわどりがわ)水系の中ノ俣川を中心とした谷あいの集落です。上杉謙信の時代には春日山城の食料基地として、また道が交わる要衝として大変重要な場所でした。しかし海沿いの道が発達するのに伴い、中ノ俣の往来が減少すると同時に、集落の過疎高齢化が進行しました。
 人々は古くから、冬の炭焼きに精を出し、深い雪が解け始めると、一斉に山や田んぼに出かけ狩猟採集や農業を行うという暮らしを続けてきました。この地域は土砂災害や雪崩が多い地域でもありますが、地滑りのあとの肥沃な土地に棚田を拓き、丁寧に管理することで大規模な地滑りを防いできました。自然の厳しさと向き合いながら、その恵みを最大限に生かす知恵と技術が千年以上続き、今も受け継がれている地域です。

フィールド紹介

 活動のフィールドは「中ノ俣集落まるごと」。上越市高田の街中からわずか15キロメートルの場所にありながら、山中の峠を4つも超えて行くこの集落には、森、川などの豊かな自然はもちろん、棚田や茅葺きの家、炭焼き小屋、牛舎など、今では懐かしい、人々の営みの風景が広がっています。

棚田

主なアクティビティ:稲作体験、棚田の生き物観察、休棚田ビオトープ作り

棚田の様子(写真)

 美しい景観を残す棚田での稲作は、中ノ俣の暮らしの中心であり、生存のための知恵と技術が詰まっています。棚田はお米を生産するほかにも土砂崩れの防止など様々な機能があります。
 生物多様性を育むのもその一つで、今では少なくなってしまったドジョウやゲンゴロウ、コオイムシ、オケラなどの生き物に出会えることもあります。また副産物であるワラは、ワラ細工として衣類などを作ったり、畑作や畜産に活用されてきました。

主なアクティビティ:川遊び、水生生物観察、水質調査、ストーンアート

川での活動(写真)

 集落を貫く中ノ俣川は、生活用水としての利用はもちろん、農業用水や融雪用としても利用されるなど、人々の生活を支えてきた川です。川の中にはハヤやカジカ、シマドジョウなどの魚や、ヘビトンボ、カワゲラなどの水生昆虫など、きれいな川に棲む水生昆虫を多く見ることができます。主に泥岩からなる地形で、水源のすぐ近くの上流部から集落近くの中流部まで、また浅瀬から深みまで様々な環境があります。

主なアクティビティ:森探検、秘密基地づくり、草花あそび、手入れ体験、植物観察

森での活動(写真)

 中ノ俣には大きく分けて雑木林と杉林、竹林の3種類の森があります。森は、薪炭材や建築材、日常生活に必要な道具を作る材の生産だけでなく、きのこやタケノコ、山菜などの食物の生産の場でもあります。また哺乳類をはじめとした多様な生物の生息場所でもあり、また雨水や雪解け水を貯める水源涵養能力もあります。木材需要の少なくなった現在では荒廃している森もあり、森林問題の現状について学ぶこともできます。

集落

主なアクティビティ:中ノ俣散策、里山ビンゴ、ウォークラリー

中ノ俣集落の様子(写真)

 茅葺きの古民家、鶏小屋、井戸などのほか、雪を解かすための池などの雪国ならではの生活の工夫も見られます。四季折々の営みの風景があり、干し物ひとつとっても春はゼンマイ、夏はモグサ、秋は小豆、冬は大根などと、様々に風景が移り変わります。また禅寺の太中院(たいちゅういん)や毎年神輿渡御と神楽奉納が行われる気比(けひ)神社などの寺社もあり、千年以上の年月をかけて育まれてきた独自の文化に触れることができます。

その他

 多いときには300頭以上の牛が飼われていた中ノ俣牧場跡地では、夏の星空や秋の紅葉、ススキ野原など四季折々の風景が楽しめます。現在でも集落に牛舎があり、肉牛や繁殖牛が飼われています。また牧場跡地までの道中には落合の滝と呼ばれる落差50メートルの荘厳な滝があります。中ノ俣は良質な白炭の産地としても有名で、現在でも炭焼き窯が複数残っており、自給的に炭焼きを続けているところもあります。