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上越市自然環境保全基本方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2010年12月9日更新

目次

自然環境の保全に関する基本的な考え方

自然環境保全地域、保護野生動植物の指定に関する基本的な事項

その他自然環境の保全のために市長が必要と認める事項

内容

 自然環境の保全に関する基本的な考え方

自然環境の保全の望ましい姿(保全のあり方)

市環境基本条例の基本理念の実現に向けて

  上越市は、市環境基本条例の基本理念の実現に向け、環境の保全に関する施策をまとめた「第2次環境基本計画(平成20年3月策定)」では、自然環境の望ましい姿「多様な自然が広がるまち」を実現するため、次の4つの目標を定めました。

目標1:環境影響の軽減
目標2:海岸の自然環境の保全
目標3:河川・池沼等の自然環境の保全
目標4:中山間地域の生物多様性の確保

人と自然の画像
人と自然がいまでも一緒にいられるように

 「多様な自然が広がるまち」の実現に向け、市自然環境保全条例によって、保全に必要な事項を定めるほか、保全が必要な地域や野生動植物を指定し、市民等の意識啓発などを行います。

「保全(維持・回復・再生)」の考え方、あり方

 市内には海や山、川や池など様々な豊かな自然があります。しかしそれぞれに特徴や特色があり、私たちの暮らしや文化などにも深く関係しています。
 このことから自然環境を保全するために、野生動植物の専門家のほか、地域の皆さん、環境保全の活動を行う方々など、その地域に関係がある皆さんの意向を十分にお聴きし、自然の状態に合わせた適切な対応を行います。

  1. 良好な状態の「維持」 現状 自然環境が良好な状態である場合:(対応)従来の計画的な管理行為を継続。新たな影響は与えない。
  2. 自然の力を活かした「回復」 現状 重要な役割を果たす地域の自然環境が損傷・荒廃している場合:(対応) 損傷原因を可能な範囲で取り除く。自然の復元力を優先し推移を見守る。
  3. 回復力を補う「再生」 現状 回復を実施してもなお、本来の姿に戻ることが困難と思われる場合:(対応)科学的な見地のもとで、必要な範囲に限り人為を加え補う。
  4. 生き物の持ち込みは「慎重に対応」 現状 放流や植栽を実施する場合:(対応)その地域に存在しない生き物の利用は影響を十分に考慮し、慎重に対応。
保全の実施方法

 自然環境は微妙なバランスの上に成り立っていることを十分に理解して適切な保全を行う必要があります。例えば、自然を守るために、人の手を加える必要があっても必要最小限の範囲で、また、手を加えた後も、定期的に経過を確認するなどの対応を行います。

開発行為等における事前調整と配慮の実施

「計画優先」から「計画前の事前調整と配慮の実施」への転換

  現在、多くの野生動植物が、絶滅の恐れがある種に指定されています。このため、開発行為を行う場合は、事業の構想や計画の段階で、あらかじめ開発行為を行う地域の自然を確認し、自然環境に適切に配慮することが大切です。
 また、希少な野生動植物が生息や生育する地域特有の自然環境に影響が及ばないよう、その地域の特色などを踏まえた適切な配慮が必要です。

池沼の写真
豊かな自然を守るために

「自然環境保全地域」などでは

  「自然環境保全地域」や「保護野生動植物」が生息や生育する地域で開発行為を行う場合は、自然環境に与える影響などを十分に配慮します。
 可能な限り回避することを前提に、やむを得ず開発行為をする場合であっても、影響を最小限度にとどめることを基本とします。

ブナ林の写真
自然環境を優先に考えて保全

「自然環境保全地域以外の土地」では

  自然環境保全地域以外の土地では、開発行為の予定地域や周辺地域において「多くの自然が残る」「絶滅が危惧されている野生動植物(以下、「絶滅危惧種」)が生息・生育する」などがある場合は、開発行為が及ぼす影響を十分に配慮し、できる限り次のとおりの保全を行います。

保全の方法

(ア) 現存する植生は極力保存します。
(イ) 池沼または河川が存在するときは、これらの水辺環境を極力残します。
(ウ) 開発行為で切土や盛土ができるときは、発生した残土で自然環境を損なわないように適切に処理し、法面はその地域に適した工法で緑化修景を行うこととします。
(エ) 植栽を行う場合は、地域の特性を配慮した樹種等の選定に努めることとし、開発区域外の周辺の緑地などと連続性が確保されるよう、適切に配植します。
(オ) 市の保護野生動植物や、国内や県内の絶滅危惧種のうち、特に保護が必要な種が開発しようとする地域に生息などする場合は、その種の保護に努めるとともに、その種が生育や生息する地域の自然環境にも配慮します。

上越市自然環境保全条例第11条に基づく「開発行為の届出」などがあった場合、(ア)から(エ)に関する事項は「助言」を、また(オ)に関する事項は「指導」を実施します。

市民等の参加による自然環境の保全の推進

様々な主体の参加による自然環境の保全の推進

  環境に対する関心が高まりつつあることから、身近な自然の役割や価値を広く知らせることで、自然環境を保全することの必要性を広めます。
 自然環境保全地域や保護野生動植物の保全活動は地域住民だけでなく、他の地域の市民や団体が参加することで、多くの人々がその地域の自然を認識し、市民の共有財産となるように保全活動の輪を広げます。

いろいろな人々が集まって保全を考える(イラスト)
色々な人々が集まって保全を考える

自然環境に対する意識の高揚

  絶滅が危惧される野生動植物の捕獲や採取、踏み荒らしなどが相次いでいるほか、荒廃した自然環境を「緑豊か」と誤って理解するなど、自然環境を大切にしようとする気持ちの低下や、正しい理解の不足がみられます。
 このため身近な自然環境への接し方や、正しい知識を習得するため、環境学習の場の情報提供と内容の充実を図ります。

車で踏み荒らされた海浜植生(写真)
車で踏み荒らされた海浜植生

自然環境保全地域、保護野生動植物の指定に関する基本的な事項

自然環境保全地域の指定等の検討基準

 次のいずれかの基準に該当する場合に、地域の指定等の検討を行います。

(ア)自然環境保全地区

  • 基準1:良好な自然環境が残り、または維持管理されており、且つその状態が市内でごく限られる地区(注1)。
    イメージ:里の子どもの国、くわどり市民の森
  • 基準2:特異な地質の現象(隆起、侵食など)が残されていて、その状態が市域ではごく限られている地区。
  • 基準3:地域の住民などが継続的に保全活動(注2)を行う事で、基準1または2に概ね準ずると思われる地区。

(イ) 野生動植物保全地区

  • 基準1:絶滅が危惧される野生動植物の群集・群落が存在する特定の地区。イメージ:柿崎海岸(柿崎区)
  • 基準2:絶滅が危惧される野生動植物の定期的な飛来等を支えている特定の地区。イメージ:朝日池・鵜の池(大潟区)
  • 基準3:地域の住民などが継続的に保全活動(注2)を行う事で、基準1または2に概ね準ずると思われる地区。

(注1) 地区内に、絶滅が危惧される野生動植物が生息生育することの有無は問いません。
(注2) 保全活動とは、その地区の生態系の維持や回復を目的とした「下草刈り」「水辺環境の整備」など定期的な管理行為を指します。

保護野生動植物の指定等の検討基準

 次のいずれかの基準に該当する場合、指定等の検討を行います。

  • 基準1:絶滅が危惧される野生動植物(国・県・市RDB(レッドデータベース)指定)のうち、「a. 全国的・全県的に見ても、その生息・生育が極めて少数である種」または「b.特に捕獲、採取、損傷等の被害を受けている種、または受ける恐れのある種」 イメージ:「まるまる池のオニバス」
  • 基準2:その種の当市における生息・生育が全国的に見て分布の限界にあたり、市域の地域性を示す生物地理学的に重要な種。 イメージ:「さんかくさんかく地域に自生するまるまるユリ」
  • 基準3:地域住民などの手により、継続的な保全活動(注1)が行われており、基準1または2に概ね準ずると思われる野生動植物。

(注1) その野生動植物の生息生育に必要な自然環境の維持や回復を主たる目的とした「下草刈り」「水辺環境の整備」など定期的な管理行為を指します。

自然環境保全地域、保護野生動植物の保全について特に注意する事項

(ア)自然環境保全地域

地域内に絶滅が危惧される野生動植物が生息するなどの場合、その野生動植物を保全するために支障がある情報は公開しないように努めます。

例えば「盗掘の恐れ」(図)

自然環境保全地域の区域を指定する場合は、「保全が必要な区域」だけでなく、周辺の流域や緑地など、「保全が必要な区域」の自然を引き続き維持するために必要と考えられる「周辺の地域」も、併せて区域として指定するよう努めます。

例えば、自然環境保全地域の区域を指定(図)

(イ)保護野生動植物

指定された野生動植物は、指定した理由などを考慮して、保護に支障がある情報(例:生息する地域名など)を公開しないよう努めます。

その他自然環境の保全のために市長が必要と認める事項

 基本方針は、自然環境の保全に係る政策、または保全する自然環境の現状の変化に合わせ、必要に応じ見直します。