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上越市食料・農業・農村基本条例

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年4月1日更新

前文

 農業は、私たちのいのちとくらしの原点であり、農村は、人と自然が豊かな触れ合いを保ちながら共生することができるかけがえのない場である。
 私たちのまち上越市は、北と南の植生が交わり、ほとんどの作物が生育可能な広大な農地を有している。しかし、その農地が有効に活用されておらず、私たちが消費する食料の多くは他の地域に依存し、さらには、本来、自然の循環機能をいかした環境にやさしい産業である農業において、稲わら、家畜糞ふん尿、食物残さなどの有機物資源が十分に活用されていない。
 人口、食料、そして環境問題が地球的規模で課題となっているこんにち、私たちは、いま一度、地域の農業を見つめ直し、農業を魅力あるものとして、将来の世代に継承していかなければならない。
 今こそ私たちは、有機栽培を中心とした環境にやさしい循環型の、持続的に発展する農業を確立し、地域内での自給を基本とした安全な食料の安定的な供給の下、都市機能と農村の持つ自然環境が調和する「みどりの生活快適都市」にふさわしいまち、いわば農都市の形成を図ることを決意し、新たな理念の下に、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)
第1条
 この条例は、食料、農業及び農村のあり方についての基本理念を定め、並びに市、農業者等、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、食料、農業及び農村に関する基本的な施策等を定めることにより、豊かで住みよい、環境の保全に配慮し持続的に発展する地域社会の実現に寄与することを目的とする。

 (食料、農業及び農村のあり方についての基本理念)
第2条
 食料は、人の生命の維持に欠くことができないものであり、かつ、健康で充実した生活の基礎となるものであることにかんがみ、地域内での自給を基本とし、全国的な食料自給率の向上及び不測の事態への対応にも貢献することを目標に、安全な食料を安定的に供給することにより、将来にわたって消費者及び生産者の安心を保障するものでなければならない。
2 農業は、農地、農業用水その他の農業資源及び担い手が確保されるとともに、地球環境保全(上越市環境基本条例(平成8年上越市条例第41号)第2条第2項に規定する地球環境保全をいう。)に配慮した農業の自然循環機能(食料・農業・農村基本法(平成11年法律第106号。以下「法」という。)第4条に規定する自然循環機能をいう。以下同じ。)が維持増進され、かつ、持続的な発展が図られなければならない。
3 農村は、市の将来都市像とするみどりの生活快適都市にふさわしいものとなるよう、農村の持つ多面的機能(法第3条に規定する多面的機能をいう。以下同じ。)を活用した生産、生活及び定住の場として調和のとれた空間とならなければならない。

(市の責務)
第3条
 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、食料、農業及び農村に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施しなければならない。
2 市は、食料、農業及び農村に関する施策を講ずるときは、国及び県と連携するとともに、国及び県に対して施策の提言を積極的に行うように努めるものとする。

(農業者等の責務)
第4条
 農業者及び農業に関する団体は、自らが安全な食料の安定的な供給及び農村におけるまちづくりの主体であることを認識し、基本理念の実現に積極的に取り組むように努めるとともに、市が実施する施策に協力するものとする。

(市民の責務)
第5条
 市民は、農都市の形成を目指すまちの住民であることを認識し、日常生活において地域で生産された食料を中心として消費するように努めるとともに、市が実施する施策に協力するものとする。

(事業者の責務)
第6条
 事業者は、農都市の形成を目指すまちにおいて事業活動を行っていることを認識し、食料を使用するときは、地域で生産された食料を中心として使用するように努めるとともに、市が実施する施策に協力するものとする。

第2章 基本的な施策

第1節 施策の基本方針

(施策の策定等に係る指針)
第7条
 市は、食料、農業及び農村に関する施策の策定及び実施に当たっては、基本理念にのっとり、次に掲げる事項を基本として、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ、総合的かつ計画的に行わなければならない。
(1) 安全な食料を安定的に供給すること。
(2) 地域で生産された食料による健康的な食生活の推進を図ること。
(3) 農地、農業用水その他の農業資源を確保し、及び整備すること。
(4) 農業の担い手を育成し、及び確保すること。
(5) 農業の自然循環機能を維持増進すること。
(6) 契約栽培の推進等により生産者と消費者の連携を図ること。
(7) 農村における計画的な土地利用の促進及び農村の住環境の整備を図ること。
(8) 都市と農村との交流を促進すること。
(9) 農村における国際交流及び農業による国際協力の推進を図ること。
(10) 森林及び水産資源の保全に関する施策との連携を図ること。
(11) 隣接する地方公共団体等と連携し、一体的な産地の形成及び地域間の交流を図ること。

(基本計画)
第8条
 市長は、食料、農業及び農村に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、食料・農業・農村基本計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。
2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 食料、農業及び農村に関する施策についての基本的な方針
(2) 食料自給率の目標
(3) 農地の有効利用に関する目標
(4) 食料、農業及び農村に関し総合的かつ計画的に構ずべき施策
(5) その他市長が必要と認める事項
3 基本計画は、施策の効果を評価できるように定めるものとする。
4 第2項第2号に掲げる食料自給率の目標は、その向上を図ることを旨とし、市内における農産物の自給率をおおむね7割以上とするとともに、市内の農業生産及び食料消費に関する指針となるように、可能な限り品目別の目標値を定めるものとする。
5 第2項第3号に掲げる農地の有効利用に関する目標は、まちづくりの観点からの計画的かつ効率的な土地利用の促進に資することを旨とし、前項に規定する食料自給率の目標が達成できるように、農地の確保、積極的な水田の活用等についての目標値を定めるものとする。
6 市長は、基本計画を定めるときは、あらかじめ上越市食料・農業・農村政策審議会の意見を聴かなければならない。
7 市長は、基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。
8 市長は、食料、農業及び農村をめぐる情勢の変化並びに施策の評価を踏まえ、おおむね5年ごとに基本計画を見直すものとする。
9 第6項及び第7項の規定は、基本計画の見直しについて準用する。

第2節 食料に関する施策

(食料の安全性の確保等)
第9条
 市は、市民が安心して消費できるように食料の安全性の確保及び品質の改善を図るため、品質に関する認証制度の普及その他必要な施策を講ずるものとする。
2 市は、農業者及び農業に関する団体が遺伝子組換えその他の先端技術を利用する際には、食料の安全性が確保され、及び環境に及ぼす影響等について配慮されるように必要な施策を講ずるものとする。
3 市は、事業者が遺伝子組換えその他の先端技術が利用された食料を使用し、及び取り扱う際には、市民の健康に及ぼす影響等について配慮され、及び消費者の合理的な選択が行われるように必要な施策を講ずるものとする。

(流通の活発化)
第10条
 市は、食料自給率の向上及び食料の安定的な供給を図るため、朝市の活性化、契約栽培の推進その他流通の活発化に必要な施策を講ずるものとする。

(食品産業の健全な発展)
第11条
 市は、食品産業が食料の供給において果たす役割の重要性にかんがみ、その健全な発展を図るため、食品産業と農業、流通、試験研究機関等との連携に必要な施策を講ずるものとする。

第3節 農業に関する施策

(自然循環機能の維持増進等)
第12条
 市は、循環型で持続的に発展する農業を確立するため、有機栽培農法の推進、輪作体系の確立、環境の保全に貢献する作物の栽培の推進その他農業の自然循環機能の維持増進に必要な施策を講ずるものとする。
2 市は、環境の保全の重要性にかんがみ、農業による環境への負荷(上越市環境基本条例第2条第1項に規定する環境への負荷をいう。)の低減を図るため、農薬の使用縮減の推進その他必要な施策を講ずるものとする。 

(担い手の育成及び確保等)
第13条
 市は、認定農業者(農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号)第12条の2第1項に規定する認定農業者をいう。以下同じ。)その他農業経営に意欲のある農業者が農業の中心的役割を担うような農業構造を確立するため、誇りを持って農業に従事し、かつ、安定した収入が確保できるように必要な施策を講ずるものとする。
2 市は、社会の変化に対応できる多様な農業の担い手の育成及び確保を図るため、次に掲げる施策を講ずるものとする。
(1) 市が参画し、又は関与する農業の経営体の設置及びその活動の推進
(2) 農業経営の法人化の推進
(3) 家族農業経営の活性化及び集落を基礎とした農業経営の推進
(4) 新たに就農しようとする者への支援
(5) 都市住民が農業を体験し、及び農業に参加する取組の推進
(6) 農村における女性の地位の向上を基本とした女性の農業経営への参画の推進
(7) 高齢者が生きがいを持って農業に携わることができる環境整備の推進

(農地の確保等)
第14条
 市は、市内の農業生産に必要な農地の確保及びその有効利用を図るため、計画的かつ効率的な土地の利用の促進に必要な施策を講ずるものとする。
2 市は、作業効率及び地力が高く、汎用利用が可能な優良農地の確保を図るため、地域の特性に応じた農業生産の基盤の整備に必要な施策を講ずるものとする。
3 市は、市街地にある農地が防災及び環境の保全に果たす役割の重要性にかんがみ、その保全その他必要な施策を講ずるものとする。 

(生産の振興及び調整)
第15条
 市は、食料の安定的な供給に必要な農業生産の確保及び振興を図るため、高速交通施設、港湾施設等を活用した産地化の推進及び農業に関する団体と連携した全国的な調整による適地適産の推進に必要な施策を講ずるものとする。
2 市は、食料自給率の向上を図るため、大豆栽培等による積極的な水田の活用及び地域内調整の推進に必要な施策を講ずるものとする。

(研究及び技術開発の推進)
第16条
 市は、関係機関等との連携を強化し、地域の特性をいかした農業並びに食品の加工及び流通に関する研究及び技術開発の推進に必要な施策を講ずるものとする。

(農業経営の安定)
第17条
 市は、農産物の価格の著しい変動等が認定農業者、新たに就農しようとする者等の農業経営に及ぼす影響を緩和するために必要な施策を講ずるものとする。
2 市は、産地化の推進を図るべき作物の栽培、新たな農業技術の導入等による収量、価格等の不安定さが農業経営に及ぼす影響を緩和するために必要な施策を講ずるものとする。

第4節 農村に関する施策

(農村の総合的な振興)
第18条
 市は、市内の秩序ある土地の利用並びに良好な景観の保全及び創造に配慮しつつ、農業集落排水及び並木道の整備等地域の特性に応じた農村における快適な生活環境の整備その他農村の総合的な振興に必要な施策を講ずるものとする。

(良好な定住の場の形成)
第19条
 市は、優良田園住宅の建設の促進に関する法律(平成10年法律第41号)第3条第1項の規定により定めた基本方針にのっとり、農村における良好な定住の場の形成を図るため、人と自然が共生できる優良な住宅の建設の推進その他必要な施策を講ずるものとする。

(良好な交流の場の形成)
第20条
 市は、都市住民及び次代を担う子どもと農村との交流の機会を増進するとともに、市民が農業及び農村に対する理解と関心を深め、自然を守り、はぐくんでいく基盤の整備を図るため、山里自然公園、市民農園等の整備の推進その他必要な施策を講ずるものとする。

(中山間地域等への支援)
第21条
 市は、中山間地域等(法第35条第1項に規定する中山間地域等をいう。)の多面的機能の確保を図るため、適切な土地利用の調整及び生産調整における地域内調整に配慮し、農業生産活動が持続的に行われるようにするための支援その他必要な施策を講ずるものとする。

第5節 農業に関する団体への支援

第22条
 市は、農業に関する団体が基本理念の実現に資することができるように、その組織の効率化の支援その他農業に関する団体の健全な発展を図るために必要な施策を講ずるものとする。

第3章 上越市食料・農業・農村政策審議会

(設置)
第23条
 食料、農業及び農村に関する基本的事項及び重要事項を調査審議するため、上越市食料・農業・農村政策審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、市長の諮問に応じ調査審議するほか、食料、農業及び農村に関し市長に意見を述べることができる。

(組織)
第24条
 審議会は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する25人以内の委員をもって組織する。
(1) 農業者
(2) 消費者
(3) 事業者
(4) 都市住民
(5) 農業に関する団体の職員
(6) 関係行政機関の職員
(7) 学識経験者
(8) 公募に応じた市民
(9) その他市長が必要と認める者

(委員の任期)
第25条
 審議会の委員の任期は、2年とし、再任は妨げない。ただし、委員が欠けた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(委任)
第26条
 前3条に定めるもののほか、審議会に関し必要な事項は、市長が規則で定める。

附則
この条例は、公布の日から施行する。

附則(平成15年条例第37号)
この条例は、公布の日から施行する。

附則(平成21年条例第12号)抄

(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。