市長記者会見を開催しました。
日時:令和7年9月4日(木曜日)午前9時~9時25分
会場:市役所木田第一庁舎401会議室
内容:
会見冒頭の市長の説明をご覧いただけます。
令和7年9月4日開催の市長記者会見動画(外部リンク)<外部リンク>
本日はご多用の中、お集まりいただきありがとうございます。
はじめに、昨日の大雨では、道路の冠水や土砂崩れに伴う通行止め、公共交通機関の運休など、市民生活に多大なる影響が生じるとともに、建物への浸水や農地の法面の崩落等の被害も発生いたしました。
被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げます。
市では、速やかに被害の全容把握に努めるとともに、復旧に向けて取り組んでまいります。
それでは、渇水の状況とその対応などについてご説明いたします。資料をご覧ください。
本日午前7時現在の正善寺ダムの状況については、昨日からの大雨により、貯水量は68万7千立方メートル、貯水率は25.4パーセントとなっており、節水要請前の7月中旬の水準にまで回復しているところであります。
また、新潟県が進めていた県営高田発電所の破断した管路を迂回して、後谷ダムの水を城山浄水場に送るための仮設工事が8月31日に完了し、現在、城山浄水場の能力の半分程度である、1日当たり約2万立方メートルの水量が安定的に送水されております。
このことにより、節水対象区域内における配水量の大部分を城山浄水場で賄うことが可能となるとともに、正善寺浄水場の配水量の減少により、正善寺ダムからの取水を大幅に抑制した運用が図られているところであります。
あわせて、これまでの消雪用井戸からの取水についても、先月の配管工事の完了以降、正善寺浄水場及び城山浄水場への送水が順調に行われております。
これらの状況を踏まえ、今後の水道水の需給の見通しを改めて精査した結果、今後、仮に節水要請前の配水量で推移したとしても、正善寺ダムの貯水量は一定程度を維持できると見込まれることから、この先の断水が回避できるものと判断し、本日をもって、節水要請を解除することといたします。
なお、節水要請の解除に伴い、現在設置している節水対象区域外の給水スポット29か所につきましては、9月10日(水曜日)をもって閉鎖することといたします。
市民並びに事業所の皆様には、7月15日に節水へのご協力をお願いしてからこの間、長期間にわたりご不便とご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。
このたびの渇水において、全市的な断水を回避できましたのは、ひとえに、市民並びに事業所の皆様が、市の要請に応え、真摯に節水に取り組んでいただいた賜物であり、改めて、この間の皆様のご努力・ご協力に対し、心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
今後は、全ての市民の皆様から、安心して水道水をご利用いただきたいと存じます。
私からは、以上です。
(記者)
4点質問をいたします。
断水回避の見込み、それから節水要請、これは解除ということになると思うのですが、これは現時刻を持ってということでよろしいですか。
(市長)
はい、そのとおりです。
(記者)
では4日午前9時をもって、市民への節水要請を解除するということで、あわせて断水の回避も宣言したということでよろしいですね。
(市長)
はい。
(記者)
もう1点なのですが、3日、昨日ですが短時間に大量の雨が降りましたが、水道水の水源地であるとか、管の流入設備であるとか、そういったものに対する影響、いわゆる災害等はなかったでしょうか。
(市長)
担当からお答えします。
(ガス水道局長)
昨日の大雨による水道施設の被害はありませんでした。
(記者)
では質問を変えます。
改めて、断水の危機に陥った理由なのですが、先ほど市長は断水回避、節水の要請の解除について挙げられましたが、1つは県営高田発電所の水圧管路の破断、もう1つは正善寺ダムの水位の低下、この2つが主たる原因であったというふうに捉えておられますか。
(市長)
そのとおりです。
(記者)
他に複合要因だと市で確認されていることがあれば、お伺いしたいと思うのですが。
(市長)
担当からお答えします。
(ガス水道局長)
要因につきましては、今おっしゃられたとおり、県営高田発電所の事故に伴うもの、あと梅雨期間の降雨量が極端に少なかったことによりまして、正善寺ダムの水位が低下したこと、ということでございます。
(記者)
最後の質問です。
市長は先ほど今回の発表事項外として、昨日の大雨について触れられましたが、現時点で把握しておられる被害状況について、できるだけ詳細に発表いただければと思うのですが、いかがでしょうか。
(市長)
現在調査中ですが、今の時点で発表できる内容については、担当からお答えします。
(防災危機管理部長)
報道機関の皆様には、昨日の午前11時現在の情報として、昨日の午後に情報提供をさせていただきました。
その時の件数については、住家の床上それから床下浸水、それぞれ1件あるいは数十件ということで提供していましたが、私ども昨夜、町内会長さんなどに、特に直江津地区を重点的に聞き取りをいたしまして、実態としては、床上、床下の浸水が多くなっているということを掴みつつあります。
いずれにしましても、今、全容の把握をしておりますので、現地調査も含めてしっかりと確認をしまして、分かり次第、最終的な取りまとめの数字をご報告申し上げたいと考えております。
(記者)
幹事社といたしまして、被害状況の速やかな把握、および、おそらく被害範囲、被害内容が多岐にわたると思いますので、適時適切な情報提供を求めることといたしまして質問を終わります。
(記者)
以前の会見でも、似たような質問をさせていただいたかもしれませんが、今回その最初の段階の破断の事故があってから、昨今のいわゆる雨の少なさといいますか、酷暑といいますか、それを見据えて市民に節水要請をする前の段階で、何らかの手が打てなかったのかなというような、素人の目でそんな印象を受けざるを得ないのですが、今回の一連の破断の事故後の対応について、これが適切だったのかどうかということについて、市として検証されるようなお考えは、市長としてはお持ちでいらっしゃいますでしょうか。
(市長)
今回の件については十分に検証しなければいけないと思っております。
県との対応についても、改めて検証した上で、皆さんにまた明らかにしたいと思います。
(記者)
ありがとうございました。
(記者)
大和ハウスの新潟工場の所在地が上越市になっていますが、110人が勤めているということで、来年3月閉鎖予定ということが発表されましたが、上越市としての対応をお尋ねします。
(市長)
これだけ大きな企業が撤退されるということは、私たちにとっても、非常に痛みだと思っております。
できるだけ、また新たな企業、あるいは今の企業が発展するように努めていかなければいけないと思っております。
(記者)
再就職の支援のようなものは、どのように始まっているのでしょうか、あるいはするのでしょうか。
(小田副市長)
現在、地元の商工会の皆様が中心になられて、撤退される企業の従業員の皆様に対する再就職の支援というか、そういうものが始まっています。
特段会社の方から、また商工会の方から市に対して、今のところ協力のお願いというところはいただいておりませんが、必要に応じてハローワークと連携しながら、そういった支援を行っていきたいというふうに考えております。
(記者)
昨日の大雨について1点質問させてください。
先ほど床上浸水とか住宅への被害について伺いましたが、農地など、農業の被害等については確認されているのでしょうか。
(市長)
担当からお答えします。
(農林水産部長)
昨日の夕方時点のパトロールですが、合併前上越市の名立区に近いところ、西部ですね、あと頸城区、吉川区で少し農地の被害が出ております。
今朝も現地確認に入っていますので、全容については今後明らかになってくるものと思っております。
(記者)
全容については今後ということですが、概要で言うと、どういった被害が確認されている感じですか。
(農林水産部長)
農地の法面が崩れたり、畦が崩れたり、ということの被害が多い状況にあります。
あと頸城区については、稲刈りが終わった後のほ場に残っていた刈った後の稲わらが、1つの場所に大量に集積しているというような状況は確認しております。
(記者)
収穫前のお米だとか、その辺の被害は確認されていますか。
(農林水産部長)
水位が速やかに下がってくれたので、影響は今のところは入ってきておりません。
今後の状況を注視したいと思います。
(記者)
分かりました。
(記者)
今回、断水回避できたというところで、市民、企業のご協力ということをおっしゃったんですが、市としてこういうところを頑張ったというか、こういう取り組みが断水回避に奏功したというところはありますでしょうか。
(市長)
消雪用の地下水の活用であるとか、あるいは皆さんに給水スポットを提供して取り組んでいただくことができたといったようなことです。そのために広報も行いましたので、できる限り断水にならないような努力を積み重ねたものと思っております。
(記者)
ずっと雨が少なかったというのと、昨日は突然の大雨というところで極端な天候が最近あるのですが、そういう極端な天候に対して行政として対応することの難しさとか、感じているところはありますでしょうか。
(市長)
記録的な観測が非常に多い、最高気温を記録しましたとか、全然雨が降らない、あるいは降ったらものすごく降るというような状況ですので、私は、毎年こういうことが起こるものだという前提の中で対応を考えなければいけないのではないかと思っておりますし、そういう意味で、また国県等と協議しながら、対応を考えていかなければいけないと思っております。
(記者)
今、大雨の話が出ましたが、台風15号が奄美大島からこちらの方に近づいてきます。
5日から6日にかけてですか。
おそらく、今の進路をたどれば最接近するものかと思われます。
弱った乾いた地盤に大量の水がしみ込めば、当然のごとく、土砂は崩落するわけですので、今後、対策等指示していることがあれば教えてください。
(市長)
台風については、近づいてくればある程度はどのようなことが起こるかも予測できますので、それぞれの担当で適切に対応していかなければいけないと思っております。
(記者)
それと3日、昨日なのですが、土砂災害警戒情報が出ましたが、上越市では大雨警戒本部等の設置はありませんでした。基準によったものなのか、短時間で雨が収まったために行わなかったものなのか、あるいは他の理由があるのか教えてください。
(市長)
昨日の気象については、事前にはこのような豪雨になるということは予報されておりませんでした。ただ、その対応としては防災危機管理部で早朝に出勤しまして、被害状況等を把握しながら、全容解明に努めていたということです。
(記者)
そうしますと、不意の大雨だったということでよろしいですか。
(市長)
はい。
(記者)
ありがとうございます。
(記者)
今の警戒本部等を設置しないのかというお話は、雨は確かに予報されていなくて、突然たくさん降ってきて水が溢れたと、不意の何とかだから設置しないとなれば、地震なんかはいきなり来るわけで、どういうことで今回は設置しなかったのかという部分の説明をもう少ししていただきたいのですが。
(市長)
担当からお答えします。
(防災危機管理部長)
今ほど市長が申し上げたとおり、予報を上回る不意の雨であったのは間違いございません。
これは天災に共通することです。
私ども、通常から雨番体制というものをひいておりまして、まず警報が発せられれば、当番職員が登庁してきます。それから今回警戒本部が設置されなかったのは、これは私ども内部のマニュアルに基づいて判断をしました。
具体的に申し上げれば、雨番対応でまず当初の対応をしました。それから気象庁から発せられる情報と、こちらから取りにいった情報としては、間もなく雨が止むということも認知できました。その上で、高齢者避難指示等には至らないということで、総合的な情報を判断した上で、警戒本部の設置までは至らずとも、この初動といいますか、当初のマニュアルに基づいた対応ができるものという認知をした上で、今回の対応に当たってきたところです。
(記者)
1点だけお願いします。
もし、降雪期までに雨が極端に少なくなったとか、あと消雪用井戸は雪が降る前には使えなくなると思うのですが、そういったものがもし使えなくなって、厳しい状況になったとしても、断水は回避できるという根拠というか、そういうのを教えてください。
(市長)
消雪用の井戸の水については、10月31日に全てお返しするということが決まっておりますし、今、県営高田発電所の仮設で2万トンということですが、これも11月末までに4万トンまで引き上げる工事が行われる予定ですので、それによって確実に供給ができるということを見込んだところです。