平成22年5月20日(木曜日)に第5回会議を開催し、前回までの議論をふまえながら、駅周辺公共空間及び新幹線駅舎デザインの基本的な考え方について検討しました。
「駅前広場などについて」
まず、西側の整備については、遺跡公園や山並みなど自然あふれる側へのアプローチであることから、コンセプトを「大自然との対峙」としました。
西側の自然空間を主役とし、これらの眺望を活かすため、全体的には水平方向での整備イメージとしています。
個別要素として、遺跡や自然の穏やかさや明るさをイメージする「円」を共通モチーフに取り込み、「桜の庭」(街区公園)や昇降施設(展望デッキ)、在来線駅舎との調和を図ります。
また、昇降施設(展望デッキ)・在来線駅舎のデザインコンセプトを「光があふれ自然のぬくもりが感じられる“光のテラス”」とし、西側に広がる自然空間がパノラマとして眺望できる、象徴的な施設として整備します。
機能面では、妙高方面などからの旅館送迎バス駐車場を設ける側とし、東側との交通機能分担を行います。
一方、東側の整備については、市の中心市街地などへの都市側、日本海側へ向かう交通結節点となることから、コンセプトを「都市との対峙」としました。
都市側へと向かう空間になることから、全体的には垂直方向での整備イメージとしています。
個別要素として、歴史や文化などが感じられる空間、そして西側と対比して力強さが感じられる空間を目指し、日本最大の駅雁木空間を設けるほか、東側のシンボルとなるドーム空間(昇降施設)を整備することとしました。
このドーム空間(昇降施設)のデザインコンセプトを「都市に向かう人々が行き交う“もてなしと交流のエントランス”」とし、木組みのドーム型天井に囲まれたこの空間によって、力強さと心地よさ、あたたかさで来訪者の記憶に残るシーンを演出するとともに、動線集約によるわかりやすさを兼備します。
機能面では、駅前広場が西口の約2倍の面積となることから、公共車両と一般車両ロータリーを分離して車両動線の錯綜を回避するほか、タクシープールの確保、公共バスの乗り入れなどにより、交通結節点にふさわしい交通処理を行うこととします。
「新幹線駅舎デザインについて」
まちなみ会議では、駅前広場など市で整備する都市施設と調和がとれた駅舎とするため、新幹線の建設主体である鉄道・運輸機構に対し、デザイン案を提案することとしました。
デザインコンセプトを「記憶に残る駅」として、「全国のどこにもない、上越らしい駅」をめざし、4つのデザイン案を提示。機能・地域らしさの両面から検討を行い、自然の雄大さや光を取り込み、内からも外からも楽しめる仕掛けや、豪雪にも対応できる仕組みを考えました。
(デザインの詳細については、写真をご覧ください。)
「意見交換」
以上の提案について、委員からは、駅名とデザインとの関係や風・雪対策の面など、機能と地域らしさの両面から様々な意見が出されました。
最終的に、おおむね事務局案の方向で今後さらに検討を進めることとし、閉会となりました。
次回の会議では、駅舎デザインについては、鉄道・運輸機構から駅舎のデザイン提案(3案)を受けた議論を行い、駅前広場などの都市施設については、さらに具体的なデザイン検討を行うこととしています。
模型により基本的考え方を説明
全景(左手が東側街区、中央が新幹線駅、右手が西側街区)
西側の全景(左より公共駐車場、広場、光のテラス(昇降施設)、桜の庭(街区公園))
東側の全景(左より街区公園、一般車両・公共車両用ロータリー、中央に昇降施設、駅前面に駅雁木)
西口「光のテラス」(展望デッキ)
西側の自然空間や桜の庭がパノラマ状に眺望できるよう、自由通路の突き当たりに展望デッキを設置。動線上にはシェルターを配置し、機能性も確保する。
東口「もてなしと交流のエントランス」(ドーム)※駅舎デザインに合わせA~C案を用意
自由通路から広場へ降りる階段・エスカレーターを折れ形状とし、中央に人の動線を集めることで機能性とにぎわいを確保。また、雨雪時の乗降対策として、駅前面に上越の特徴である「駅雁木」を設ける。
「記憶に残る駅」(奥からA案、B案、C案、D案)
「雪のトンネル」をイメージした半円形の屋根構造が特徴。明かり取りの役目を果たすため、ホーム内が非常に明るい空間となる。
模型(駅を中心とした全景)
模型(駅舎屋根部分)
駅舎内部(新幹線ホーム)のイメージ図
雪吊りをイメージした吊り構造の屋根が特徴で、屋根上の柱の構造(高低)により山並みを表現。夜間は屋根の吊り構造をLEDなどでライトアップするなど、景観的にも楽しめる。
模型(駅を中心とした全景)
模型(駅舎屋根部分)
駅舎内部(新幹線ホーム)のイメージ図
外壁ガラス面にセラミックによる文字を焼き付け、上越ならではの桜の絵や情報などを描く。ホームに降り立つ人に、自然の風景やまちなみとともに、この工夫により上越らしさを感じていただくことができる。
模型(駅を中心とした全景)
模型(駅舎屋根部分)
駅舎内部(新幹線ホーム)のイメージ図
A案の屋根構造を駅中央(約100m)に残し、C案のガラス面への文字・絵の焼き付けを取り入れた、A~C案の利点をひとつに集約した案。明るいホーム内で、待ち時間の間も楽しむことができる。
模型(駅を中心とした全景)
模型(駅舎屋根部分)
模型(新幹線ホーム)
駅舎内部(新幹線ホーム)のイメージ図
ガラス面のデザインイメージ
資料
次第 [PDFファイル/14KB]
資料 駅周辺公共空間及び新幹線駅舎デザインの基本的考え方について [PDFファイル/1.54MB]
参考資料 第4回まちなみ検討会議 議事録 [PDFファイル/49KB]