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第30回小川未明文学賞 受賞作決定

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印刷用ページを表示する 掲載日:2022年3月10日更新

第30回小川未明文学賞受賞作

 上越市出身の児童文学作家 小川未明の文学精神を継承し、新しい時代にふさわしい創作児童文学作品を輩出する目的で平成3年に創設された小川未明文学賞は、今回で30回を迎えました。

 この度、最終選考会が行われ、応募総数553編の中から受賞作が決まりました。
 たくさんのご応募をありがとうございました。

大賞(1編)     

 第30回小川未明文学賞大賞受賞者          

 

 「カステラアパートのざらめさん」(長編部門)

 島村 木綿子(60歳 女性 長崎県在住)

 賞金:100万円
 記念品:「小川未明童話全集」(全16巻 別巻1 大空社)

大賞作品は株式会社 学研プラスから単行本で刊行されます。(令和4年11月末頃刊行予定) 

あらすじ

 拾った子猫と共に暮らせるアパートを探している小学3年生のこのみとお母さんは、ようやくカステラみたいな外観のアパートに住むことが出来るようになる。
 そのアパートの大家さんの ざらめさんは、かなり変わった人で、飼っている亀を相手にしょっちゅう独り言を言っていたり、近くにある池の百年前の様子を、まるで見てきたかのように話したりする。
 このみは少しずつざらめさんと親しくなっていく。ざらめさんは、いろいろな動物たちとお話が出来るらしく、ざらめさんの周りでは不思議な出来事が次々と起こる。

受賞の感想

 あらためて小川未明先生の精神を継承して創設されたこの文学賞に受賞できたことを、誇りに思います。
 小学六年の時に、演劇クラブの発表で、小川未明作「野ばら」を演じました。なぜ「野ばら」にしたかというと、部員が三名だったからです。つまり一番の決め手は、登場人物の少なさ……、ではありましたが、もともとこの物語を好きだったのも、大きな理由でした。同級生二人が兵士を、私はナレーションを担当。拙い芝居でしたが、忘れられない思い出です。「赤いろうそくと人魚」「牛女」などもくり返し読みました。今でも、時々読み返す、尊敬する作家のおひとりです。その方ゆかりの賞をいただけたことは、飛び上がるほどの喜びでした。
 受賞作「カステラアパートのざらめさん」のアイディアは、七年以上も前に思いつきました。特急列車の窓から見えた建物がモデルです。物語同様、見た瞬間「カステラだ!」と思った、可愛いアパートでした。それ以来、私にとってそこはカステラアパートとなり、いつかここを舞台に物語を書きたいと思うようになりました。完成まで長い時間がかかった、思い入れ深い作品ですので、今回の受賞は何よりの励みと自信になります。
 これからも、心に物語が湧き続ける限り、書いていきたいと思っています。選考委員の先生方はじめ、文学賞関係者の皆さま、ほんとうに、ありがとうございました。

優秀賞 (1編)

 第30回小川未明文学賞優秀賞受賞者 中村 真里子 

 

  「光をつなぐ」(長編部門)

  中村 真里子(66歳 女性 茨城県在住)

  賞金:20万円

 

あらすじ

 中学2年生の牧村久(ひさし)は、美術部に所属している。11月の文化祭に向け、部長を中心にみんなで作品制作に取り組んでいるが、今年、美術部の顧問になった篠原先生は、何事にも無気力でやる気がない。
 ある日、久は篠原先生の描く海の絵を見ることになる。そこで久は、篠原先生が大切な息子を東日本大震災で亡くしており、それ以来、「絵はなくてもすむ、役にたたないもの」と思っていることを知る。
久は、土のう袋に絵をかいて被災地を励まそうとする人、美術部に絵を書いて欲しいと頼んできた友人などとの出会いを通じて、自分の絵のもつ可能性について深く考えるようになる。

受賞の感想

 素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。
 実は、第四回小川未明文学賞でも優秀賞をいただいておりました(前の世紀のことです)。あの頃は子どもも小さく、ある意味今より忙しかったに違いないのに、今よりもたくさん書いていました。
 最近は、仕事の忙しさにかまけてナマケモノのように日常にぶら下がっていました。自分で自分が思うようにならない日々の中で、「大丈夫、書こう」と言っていただけたような今回の優秀賞。本当に嬉しかったです。
 私は絵を描くのも好きです。そして、あらためて考えて見ると、好きなものは結構たくさんありました。ああ、よかった、と思いました。たくさんの「好きなもの」が、物語を書く私の背中を押してくれると思うのです。
 十一年前、私は自宅で東日本大震災を経験しました。以来、私が書くものにはどこかに「震災」が潜むようになりました。物語を通して、子どもたちに震災をどんなふうに伝えていけるか模索を続けています。
 書くことで、光を灯すことができるような書き手になれたら……と願っています。

最終選考作品

1次、2次の予選を経て最終選考に残った作品は8編です。受賞作以外の作品は次の6編です。

  1. 黄金ねずみと桃子 
    作者名:奥村 則音(神奈川県)
  2. 道をわたって
    作者名:清藤 留理子(青森県)
  3. ちょろまかチョマさん 
    作者名:辻本 千春(東京都)
  4. 虹色の小瓶
    作者名:倉本 采(東京都)
  5. 色だらけの世界で色にまみれて
    作者名:伊瀬 ハヤテ(埼玉県)
  6. 少女ケイ
    作者名:こがわ 流(大阪府)

 (注)数字は受付順です。敬称略。

最終選考委員(7人)

今井恭子、小川英晴、小埜裕二、柏葉幸子、中島京子、宮川健郎、株式会社学研プラス幼児・児童事業部絵本・読み物編集室 読み物チーム統括編集長
(注)敬称略

 贈呈式

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、関係者のみで開催します。

 日時

令和4年3月30日(水曜日)(予定)

会場

学研ビル(東京都品川区)

内容

  • 最終選考委員による選考結果及び講評
  • 大賞・優秀賞の贈呈など

主催等

  • 主催:小川未明文学賞委員会 、上越市
  • 協賛:株式会社 学研プラス
  • 後援:文化庁、新潟県、早稲田大学文化推進部、国立大学法人上越教育大学、日本児童文学者協会、日本児童文芸家協会

その他

    株式会社学研プラス 小川未明文学賞ホームページ(画像)<外部リンク>

このページに関するお問い合わせ先

上越市

〒943-8601 新潟県上越市木田1-1-3電話:025-526-5111Fax:025-526-6111

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