博士が命名した「楽縫庵(らくほうあん)」は、旧頸城村の大肝煎だった坂口家の旧家の雰囲気を表現した、重厚な造りになっています。内部には、博士が好んだ囲炉裏のある書斎を再現しました。
座敷では、御酒(うさき)や上越地域の地酒などを試飲することができます。
博士が書斎として、また交流空間として使っていた「いろり」のある部屋を再現しました。
ここには、博士が愛用した机や書架をそのまま展示しました。書架には、専門分野の応用微生物学以外の文学書や農業分野の書籍なども展示しています。応用微生物学者としてではなく、博士の別の一面をご覧ください。
「楽縫庵(らくほうあん)」という名は、平安時代の「池亭記(ちていき)」に、一生働いてようやく小さな邸宅を持つことができ、安心して「老蚕まゆを成し しらみその縫い目を楽しむ」という名句を残した下級役人の気持ちと、鵜ノ木の邸宅におさまった安堵感がそっくりだったことから博士が名付けたそうです。
坂口謹一郎博士にゆかりのある「御酒(うさき)」や上越地域の地酒が試飲できます。
お酒の販売もしておりますので、ぜひお楽しみください。
御酒(うさき)は、坂口謹一郎博士にゆかりのあるお酒です。
1935年、博士は沖縄の酒屋を回って黒麹菌を採取し、600を超す菌株を東京大学に持ち帰りました。
1945年には沖縄戦が終結。3か月に及ぶ地上戦で首里の酒造所は壊滅状態で沖縄県内の黒麹菌は全滅しましたが、博士が採取した黒麹菌は採取時のわずか3パーセントとなったものの終戦後も奇跡的に東京大学で凍結乾燥保存されていたのです。
1998年に沖縄県の瑞泉酒造がその黒麹菌を持ち帰り、60年の眠りから目覚めさせ、苦労の末、「幻の泡盛」を復活させました。
(注)黒麹菌とは、沖縄、鹿児島、伊豆諸島などにおいて、泡盛、芋焼酎などの蒸留酒の製造に用いられている菌で、戦前の沖縄では各々の酒屋ごとに個性豊かな味わいを生み出していました。
瑞泉酒造株式会社:http://www.zuisen.co.jp/
楽縫庵には、和室が4部屋あります。
1部屋は無料で開放している休憩室、3部屋(中座敷・酒の間・雪椿の間)は、団体などに有料で貸し出ししています。
宴席用の木製テーブルと高座椅子(30席)を用意しておりますので、宴席、会合などにもご利用ください。
施設の利用については坂口記念館概要をご覧ください。