安塚区の方言
峠をひとつ越えれば、「お父さん」が「とちゃ」になり、川をのぼれば「つぁつぁ」になる。
こんな小さな区の中にも、違った言葉、それぞれの方言があります。
九州弁とズーズー弁の違いのように、はっきりわかる違いでなくて、いつもの会話の中に、ときどき、「おやっ」と登場する何とも懐かしくて愛きょうのある言葉たち。 区内の地域ごとに拾ってみました。
調査方法は、安塚中学校の生徒の皆さん全員から、それぞれの家庭で気付いたものをひろっていただいたものです。 中には実態と合わないというものもあるかもしれませんが、非常につかみにくく、区別もつきにくい事がらですのでその点はご了承ください。
ゆーもあ文例・おらとこの方言
ごんてつでのめしこきのあんちゃを、たらかしたらかし田植え手伝わしたでも、ずくなしのもんだしけ、なーもはかいかんうちに、ばんがたになっちまってさね。
そんでじょんぎに「まあいっぺ飲め」ってせったら、ばかいっぺ飲まれちまって、まあせつねえやら、ばかくせえやら。おらもうやだわ。
安塚
- あくと:かかと(小黒でも)
- あちゃらこし:あついのに
- あったら:大事な、きれいな
- いせげらもねえ:重さが多い
- ちゃまえ:朝食前
- てこぼう:はし
- なじょも:いくらでも、ぜひ
- にかっこ:赤んぼう
- にごし:米のとぎ汁
- ぶんじ:ご飯のしゃもじ
- やべ:歩け(小黒でも)
- ごそたき:落ちつきのない人
坊金・細野
- がた:すごくたくさん
- しったぎる:切れる
- しゃんがり:弱虫
- じろ:いろり(須川でも)
- たぬき:風船
- とびっくら:かけっこ
- ばらこくたい:台なし、ちらかっている様子
- へりょ:おだちん
小黒
- かしがる:かたむく
- かちみち:(雨の後の)固い道
- ごそつき:落ちつきのない人
- こびり:おやつ
- ごんごんと<やべ>:どんどん<歩け>
- しゃあがれんな:たたかれるな
- ちゃあめ:朝食前
- ちょべ:おせっかい
- とびっくら:かけっこ
- どのくび:首のうしろ
- ひりょう:おだちん
朴ノ木・菅沼
- うそっこ:うそをつく人
- ちゃあめ:朝食前
- とぶ:走る
- もうぞ:訳の解らない人
菱里
- ええぶ:歩く(伏野でも)
- こすい:ずるい
- ささごさ:細かい
- しゃべっちょ:おしゃべり
- ずくなし:やる気のない人
- のめしこき:ものぐさ、なまけ者
- ほてげえる:ねる
- ちょうけになる:中気になる
- わんさこき:悪いことをする子供
- やっぺこと:たくさん
船倉
- あくと:かかと
- じろ:いろり
- すっかんから:からっぽ
- ちゃあえ:朝食前
- あちゃ:そうだね
須川
- おめる:おこる、おこられる
- こんしょ:ごめんください
- せげ:すいろ
- はちゃえ:さようなら
- みじょげ:かわいそう
- つぁつぁ:お父さん
伏野
- こぼり:おやつ(須川でも)
- しぎなんぎ:死ぬ思い
- しゃっこい:つめたい
- せけえ:ずるい
- そうそうと:気をつけて
- たつけね:でたらめ
- にかっこ:赤ん坊
- つの虫:カブトムシ
- のめし:なまけること
- わにる:はずかしがる