家康の家臣で、「徳川四天王」の1人と称された榊原康政ゆかりの品が当市にあることをご存知ですか。今から20年前の平成16年(2004年)、約1,700点にも及ぶ「榊原家史料」(新潟県指定文化財)が上越市に里帰りしました。これらは江戸時代に高田藩主を最も長く勤めた榊原家が代々残した記録や歴代当主の遺品などで、当時のまちの様子を知ることができる貴重な史料群です。
今号では、この間20年間の研究成果を紹介する歴史博物館での企画展開催に合わせて、榊原家と上越市とのつながりについて紹介します。
榊原家の藩祖康政は徳川家康に仕え、酒井忠次、本多忠勝、井伊直政とともに「徳川四天王」と称された名将です。家康が出陣する戦では先陣を切って戦う勇猛さを持つ一方で、上杉謙信公など他国の諸大名と家康との取り次ぎ役を担うなど、高い外交能力をも備えた文武両道の武将でした。
榊原家は康政以前から大名家だったわけではありません。天正18年(1590年)、家康が豊臣秀吉から関東への国替えを命じられ江戸城に入った際に、康政は家康からそれまでの功績が認められて上野国館林(現在の群馬県館林市)に領地を与えられ、大名となります。以後、榊原家は陸奥国白河(同福島県白河市)、播磨国姫路 (同兵庫県姫路市)、越後国村上(同新潟県村上市)、そして再び姫路と領地を転々とし、寛保元年(1741年)、9代政永の時代に高田藩主となります。以後高田藩が解体する明治初期までの約130年間、上越地域を治めました。
歴史博物館 花岡館長
長い年月をここ上越市で過ごした榊原家ですが、榊原家に代々受け継がれてきた記録や絵、工芸品などの多くは、長らく尾張(愛知県)徳川家に預けられていました。それが今から20年前、榊原家による「上越市にゆかりのある品は上越市にあるべき」というご英断と、公益財団法人旧高田藩和親会のご尽力のおかげで、「榊原家史料」がこの地に里帰りを果たしたのです。上越市に移し渡された史料は、まず和親会の管理となり、その後、一部の史料を歴史博物館でお預かりすることとなりました。
2代康勝が妻に宛てたラブレター
あまり知られていませんが、2代目康勝の妻は加藤清正の娘・こやです。康勝がいた館林から江戸にいるこやへの「会いたい」という素直な気持ちがつづられた恋文が残されており、2人の仲むつまじい様子がうかがえます。
高田への転封を招いた「風流大名」
8代政岑は歌や三味線、歌舞伎など庶民の芸能に通じており、「風流大名」と称されていました。ぜいたくが好きで、派手な着物を着て歩き回ることもあり、そんな政岑の行いを戒める家来の書状が残されています。ついには徳川吉宗から隠居・謹慎を命じられ、榊原家は姫路から高田へ移ることになります。
11代政令の細かすぎる手紙
近年、政令が江戸から高田の家来へ宛てた多くの手紙が見つかりました。高田で起きた殺人事件の捜査・取り調べの手順の指示や容疑者の供述のあいまいな点に対する鋭い指摘など、江戸から宛てた手紙とは思えないほど細やかな内容が記されています。
榊原家の歴史は、とりもなおさず近世「上越市の歴史」でもあるからこそ、私たち歴史博物館では一層の熱意を持って、お預かりした史料の研究を進めています。今回の企画展では、この20年間で新たに分かったことを中心に紹介しています。
近年の歴史・城郭ブームのおかげか、この「榊原家史料」が上越市にあるということが全国に知られてきています。今回の企画展をきっかけに、市民の皆さんにもこの貴重な史料に触れていただき、往時のまちの姿に思いをはせてもらえたらと思います。
今回の企画展では、初代康政から14代政敬までおよそ300年の榊原家の歴史を4章に分けて紹介しています。ここでは、章ごとの展示の見どころを少しだけご紹介します。
康政以前の榊原家は徳川家にあって、決して有力な武将ではありませんでした。康政は家康に見出され、常に家康の側で家康の期待に応えて活躍し、家康を天下人へと押し上げるとともに、自らも10万石の大名となって、その後の榊原家の基礎を築き上げていきました。
3代忠次は学問と書物、和歌を愛し、「好文大名」と呼ばれました。4代将軍家綱に仕え、幕政にも関わりました。8代政岑は庶民の芸能に通じ、「風流大名」と呼ばれました。派手な行いにより隠居・謹慎を命じられます。
高田へと移った榊原家は大雪や洪水、大地震など相次ぐ災害に見舞われます。また、苦しい財政状況を改善するための藩政改革を行うなど、高田の殿さまの苦悩の歩みをたどります。
幕末の難しい藩政のかじ取りを任されたのはわずか17歳で藩主となった14代政敬でした。激動の時代に榊原家が経験した長州戦争・戊辰戦争について、藩祖康政以来の徳川家とのつながりに注目して、高田藩の動向を振り返ります。
公益財団法人旧高田藩和親会 事務局長 長谷川さん
私たち和親会が事務所を置く榊神社には、榊原家ゆかりの歴史資料を保管・展示している宝物館「雙輪館(そうりんかん)」があります。20年前に「榊原家史料」が上越市に移された時に、この雙輪館へ運び込みました。以来、歴史博物館と協力して、この貴重な史料の保存や修復、展示などを行っており、今回の企画展でも康政公の甲冑など一部史料を貸し出しています。
「榊原家史料」は、大名だけでなく家臣や城下町に関する記録も残されており、私たちのルーツを知ることができる重要な史料です。私自身も、史料から私の祖先に関係する記録が見つかったこともあり、興味を持って楽しく学んでいます。
このような貴重な史料や歴史・文化が地域にあるということを次の世代へとつないでいくためにも、1人でも多くの市民の皆さんに知ってもらいたいです。
和親会ではこれからも資料の保存や管理を行うとともに、フォーラムや勉強会などの取り組みを続けていきたいと考えています。
榊神社(大手町4)境内にある雙輪館。榊原家ゆかりの資料を常設展示している。
見学希望の場合は毎週月曜日、水曜日、金曜日の午後1時30分から4時30分の間に旧高田藩和親会事務局(電話025-512-6418)へ
今回の企画展のために康政の甲冑を「雙輪館」から運び出す様子
「榊原家史料」(新潟県指定文化財)を中心に、榊原家の歴史を最新の研究成果とともに紹介します。
学芸員による連続講座
展示解説会
学芸員による展示解説を行います。
問合せ:人事課(電話:025-520-5617)
区分 | 試験職種 | 採用予定人数 | 受験資格 |
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3種(高校卒業程度) | 一般行政 | 10人程度 |
平成15年4月2日から平成19年4月1日までに生まれた人 |
土木 | 5人程度 | ||
障害のある人(高校生を含む) | 一般行政 | 1人程度 |
次のすべてに該当する人
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技能労務職 | 自動車運転手 | 1人程度 | 7月29日(月曜日)に公開予定 |
令和6年7月29日(月曜日)から令和6年8月23日(金曜日)まで
令和6年9月29日(日曜日)
(注)上記のほか、自動車運転手の職種は、指定する日時・会場において、実技試験を行う予定です。
上越市市民プラザ(上越市土橋2554)
試験内容および受験手続きなどを記載した試験案内書は、7月29日(月曜日)以降、市役所の総合案内(1階)と人事課(4階)、各総合事務所、南・北出張所や図書館などの市の主な出先機関、ハローワーク上越およびにいがた暮らし・しごと支援センター(銀座・有楽町)に設置します。また、ホームページからダウンロードできます。
職員採用試験の申込状況を、8月9日(金曜日)以降にホームページでお知らせします。
当市の概要や職場の雰囲気をお伝えするため、市の組織、職員による職場・業務の紹介、市の主な実施事業や採用実績などをまとめましたので、ぜひご覧ください。
上越市職員のとある1日に密着し、仕事の魅力ややりがいなどについてインタビューした様子や仕事風景を紹介します。
市役所の仕事に興味のある方、上越市職員採用試験の受験を考えている方はぜひご覧ください。
問合せ:建築住宅課(電話:025-520-5786)
全国の空き家の数は令和5年の調査で過去最多を更新し、住宅総数の約7戸に1戸が空き家となり、全国的な社会問題となっています。空き家問題は多くの人に起こりうる身近な問題です。夏休みやお盆の時期などご家族やご親族などで集まる機会に、住まいの将来について考えてみませんか
持ち家が将来空き家となった場合、空き家は所有者などが適切に管理することが原則です。周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、自らの責任において空き家の適切な管理に努めなければなりません。空き家となる前に次のことを確認しておきましょう。
市では、あらかじめ持ち家の将来を考えるきっかけをつくるものとして、「住まいの終活ノート」を用意しています。
「住まいの終活ノート」は、所有者の住まいや気持ちを早いうちから整理するととともに、ご家族や残された人へご自身の思いを伝えるためのノートです。最終的に住まいを「売りたい」「壊したい」「特定の人に引き継がせたい」などの各項目や、その希望に沿った弁護士会などの相談先、倒壊による近隣トラブルや不法侵入などの空き家が抱えるリスクも盛り込んでいます。
「住まいの終活ノート」は、建築住宅課や各総合事務所、南・北出張所で配布しています。
所有者や相続人として空き家となる前に行うべき取り組みや、空き家となった後の適切な維持管理、取り壊しなどを考える機会として、誰でも参加できる空き家の対策セミナーや無料相談会を開催しているほか、空き家についての相談を受け付けています。
また、所有者から提供された空き家情報を、ホームページなどで紹介している「空き家情報バンク(外部リンク)<外部リンク>」制度もあります。
空き家の売買や賃貸について不動産事業者が相談に応じます(要申し込み、予約時に「空き家登録シート」の提出が必要)。
開催日 | 時間 | ところ | 問合せ |
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8月13日(火曜日) | 午後1時~5時 | 建築住宅課 | 建築住宅課 (電話:025-520-5786) |
8月17日(土曜日) | 全日本不動産協会上越事務所(栄町2) | ||
8月27日(火曜日) | 上越宅建会館(春日野1) |
成年に達したばかりの若者は、契約に関する知識や経験が少ないため、内容をよく理解しないまま、安易に契約を結んでしまう傾向にあり、市内でも18歳・19歳の成年による消費者トラブルが発生しています。
あなたの家族や近くに新たに成年になる人がいたら、消費者トラブルに遭わないよう、注意の声掛けをお願いします。
相談事例1
定期購入の化粧品を購入する際、「1回のみの購入も可能」と書かれていたので1度試してみようと思い注文した。初回受け取り後、自分の肌には合わなかったので解約手続きをしたが2回目が届いたため、販売業者の手違いと思い返送したが、受け取り拒否をされて困っている。
相談事例2
マートフォンで「簡単に稼げる副業」と書かれた広告を見て詳しい情報を入手するため、掲載先に自分の情報を登録した。その後登録先から電話でFX取引に関するノウハウやマニュアルなどの高額な商品を勧誘されたので分割払いで契約し、同時に1回目の支払いを済ませた。しかし2回目以降の代金が支払えないと判断しクーリング・オフをしたが、支払い済みの代金が返金されず困っている。
消費生活センターでは、専門の相談員が消費者の自力解決を前提としたアドバイスや情報提供(専門の相談窓口の紹介など)、解決のためのお手伝いを行っています。
(注)なお、「親が代わりに解約できるか」といった親からの相談もみられますが、解約する場合には、契約当事者本人から申し出る必要があります。