消雪用として地下水が大量に使用される当地域では、冬季の地下水位は降雪量に応じて低下し、これに伴い地層が収縮することから、豪雪年には地盤沈下が大幅に進行しました。特に昭和60年から3年連続して豪雪に見舞われ、消雪用地下水揚水量が増加して地盤沈下が著しく進行し、全国トップクラスの沈下量となりました。沈下の中心は上越市の高田市街地から稲田にかけた区域、高田市街地北部の旧国道周辺及び市街地南東部の関川右岸周辺の旧高田市街地でした。
当地域の地盤沈下対策については、昭和60年度から、緊急時対策を実施しています。これは、地下水位の低下が著しく、地盤沈下が進行するおそれがあるときに、県が注意報や警報を発令し、地下水利用者である事業者や市民にその状況を周知し、地下水の節水対策の実施を要請するものです。
注意報・警報の発令対象区域は新潟県生活環境の保全等に関する条例に基づく規制区域(井戸の設置が許可を要する区域)のうち、国道8号の南側で、国道18号(上新バイパス)から西側の豪雪年に沈下の中心となった旧高田市街地を中心とした区域です。
区分
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発令の基準
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解除の基準
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発令時に地下水利用者に要請する措置
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注意報 |
地下水位の12月1日からの低下量(以下「低下量」という。)が高田G2観測井において6メートルを超え、または高田城址公園観測井において5メートルを超え、降雪条件からみて、その状況が継続すると認められるとき。 |
地下水位の低下量が高田G2観測井において5メートル未満となり、かつ高田城址公園観測井において4メートル未満となった場合で、降雪条件からみて、その状態が悪化するおそれがなくなったと認められるとき。 |
消雪設備の運転状況の点検等節水対策の徹底及び警報発令時に対処できる体制 |
警報 |
地下水位の低下量が、 高田G2観測井において8メートルを超え、 または高田城址公園観測井において7メートルを超え、地層収縮の状況及び降雪条件からみて地盤沈下が著しく進行すると認められるとき。 |
地下水位の低下量が高田G2観測井において6メートル未満となり、 かつ高田城址公園観測井において5メートル未満となった場合で、地層収縮の状況及び降雪条件からみて、 地盤沈下が著しく進行するおそれがなくなったと認められるとき。 |
地下水揚水量のおおむね50パーセントの削減 |
地下水位と地層収縮量は、高田G2観測井と高田城址公園G4観測井で観測しており、現在の地下水位等は「上越地域の地盤沈下(速報)」(外部リンク)<外部リンク>で公開しています。
観測地点名称 | 設置者 | 所在地 | 井戸深度(メートル) | ストレーナ深度(メートル) | 観測項目 |
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高田城址公園観測井 | 上越市 | 本城町(高田城址公園) | 262 | 199~222 | 地下水位・収縮量 |
高田G2観測井 | 新潟県 | 栄町(上越市立城北中学校) | 137 | 114~129 | 地下水位・収縮量 |