今年最初にして今年度最後の活動は、高田城址公園内の枝折れ調査、被害手当、胴吹き・ひこばえ剪定について桜守から話を訊きながら、研修を兼ねて行いました。目前となった春を待つ、多くのメンバーの参加がありました。
はじめに、胴吹き・ひこばえ剪定。作業に入る前に、桜守から説明を受けました。
胴吹きやひこばえは、何らかの原因により桜が根から吸収した水分を上部まで上げられなくなり、木の上の方が弱ったり枯れたりした時、桜はそこで失われた葉っぱを補うために自らのエネルギーを振り絞り、胴吹きやひこばえを出して光合成を行おうとして発生するものです。そのため、むやみに剪定を行うとさらに樹勢を弱めてしまうことに繋がることから、木の状態や生育状況、鑑賞の対象としての見た目、安全上の観点から考慮したうえで剪定することが大切です。
桜守に直接指導を受けながら注意して、切る枝を選んで行きました。
続いては折れ枝の手当てです。高所での作業となるため、見学による「研修」としました。桜守が日ごろの業務で行っている折れ枝の処理、手当てに関する作業の一部始終について、実演を交えながらの説明を受けました。
高所、難所での作業が多いため、何を置いても安全第一です。
近くで見るチェーンソーによる枝の切断はとても迫力がありました。「適所適材」ということで、足場から枝まで距離があった樹木では、高枝のこぎりによる妙技に触れることができました。
令和3年度の活動は今回で終了です。満開の桜が活動の労を労ってくれることでしょう。
一年間、大変お疲れ様でした。
今年度第1回活動で「幹周り測定」を行いましたが、その後もメンバーと桜守で測定を続け、「幹周りNo.5」が決定しました。高田城址公園内の桜は約2,200本、その中でも特に幹周りが大きな5本の桜を今回、活動の時間を以て巡り、対面することにしました。
第2位の樹木。迫力があります。
こちらは第4位の樹木ですが、大人が3人で手をつないで少し余るくらいの幹周りです。
寒空の下、明治時代まで遡る高田城址公園の桜の起源に思いを馳せながら、その迫力と佇まいに感服したひと時でした。初めてお知りになった皆さんも、ぜひ巡ってみてください。
高田城址公園の桜幹周りNo.5の樹木はこちら [PDFファイル/1.22MB]
続いては、土壌改良の際に使用する竹筒を作成する作業を行いました。
30分程度の短時間でしたが、役割分担かつ手際良く、あっという間にこんなに出来上がりました。
年内の活動は今回で終了です。明くる年も、元気でお会いしましょう。
次回の活動は令和3年3月5日(土曜日)、高田城址公園内の枝折れ調査、また研修として桜守から折れ枝の手当てについて訊く予定にしています。
今回は見本園にて「冬支度講習会」と称し、樹木医を講師にお招きし、冬に備えた樹々の剪定、冬囲い等について実演を交えながらご指導をいただきました。
はじめに、枝木を雪から守るための剪定についてお話を伺いました。雪の多い上越では、積もった雪の重みで枝木が折れてしまう他、雪に埋もれてしまった枝が傷むケースも多いため、枝木が雪を抱かないように、雪が抜けるように剪定を行うことが大切とのことです。また、剪定後の切り口のケアについても教えていただきました。
続いて、「男結び」のご指導をいただきました。冬囲い時の基本的な縄の結び方ですが、見せていただくと簡単なようで、実際にやってみると中々むつかしいものです。
最後に、「雪吊り」を実演していただきました。見事な手際に皆で感心している間に、見る見る作業が進んでいきます。
高田城址公園見本園に「雪吊り」が完成しました。
今回は樹木医さんから実演指導にとどまらず、冬支度のあれこれについて参加者からの自由な質問にも応じていただく等、冬を前に貴重な学びの機会となりました。
次回は11月27日(土)、落ち葉集め、堆肥づくり、桜幹周No.5巡り、竹筒作り作業を予定しています。
秋の気配も日に日に増す中、浦川原区長走地内へ現地視察に向かいました。
会場となる「浦川原桜づつみ公園」付近に集合後、はじめに当地NPO法人「浦川原桜づつみ公園を守る会」のお二人から、会の発足から現在までの活動等について詳しくお話を伺いました。約150本の桜だけでなく、あじさいのお手入れもされているとのことです。
お話の後、中央橋から直江津方面に向かう右岸エリアを中心に、参加者一同でお礼肥えを行いました。周辺は大きく分けて4つの並木エリアがありますが、桜の季節は壮観となることでしょう。春に美しく色付く様子を想いながら汗を流しました。こちらの見頃は高田城址公園の桜が散り始める頃、とのことです。
作業後、当日の作業エリアの中で標準的な桜の木について、高田城址公園で行ったものと同様の方法で樹勢診断を行いました。結果、樹勢は良好であるとの診断でした。
今回は浦川原区長走の桜づつみに集う皆さんの桜への思い、地道な活動の足跡を伺い知ることができ、有意義な一日となりました。今後もお互いに益々盛んな活動、交流を目指していきます。
次回は10月23日(土)、高田城址公園桜見本園において冬支度講習会を予定しています。
桜の害虫「コスカシバ」の生態と防除対策について学ぶ、オンライン講習会を開催しました。
プロジェクトJの活動においても上越市の公園管理業務と同様、昨年からコスカシバ防除用交信かく乱剤を取り付け、使用していますが、コスカシバの生態や防除対策、防除用交信かく乱剤の効能、効果的な設置方法等について詳しく学ぶ機会は初めてです。少々、専門的なテーマでしたが、約30名と多くの方の参加がありました。
講師のお話を聴いた後、市やプロジェクトJの活動で行っているコスカシバ対策の取組みと、現時点での検証について事務局から発表を行い、講師から意見やアドバイスをいただきました。
今後の活動に向け、大変有意義な機会となりました。
次回は10月2日(土)、浦川原区長走地域において現地集合での視察、軽作業を予定しています。
今年度3回目の活動を行いました。当日は好天に恵まれ、無理を避けるよう声を掛け合いながら、暑い中での作業となりました。初めの作業は、土壌改良です。
50cm×100cmほどの穴を樹の周りに4箇所掘り、石を除去し、堆肥を混ぜたら埋め戻します。
踏圧により踏み固められていることもあり、また暑い中とあって、根気の要る作業となりました。
土壌改良の後は、樹勢診断を行いました。平成30年度の活動の中で、樹木医の方たちに「地上部の衰退度判定票」を用いた樹勢診断の方法について教えていただきました。今回も平成30年度と、昨年度に実施した時と同じ木の樹勢診断をメンバーで行い、当時と結果がどう変わったかを比べてみることにしました。
まずは一同、診断方法を確認します。
樹勢診断の対象としているのは、三の丸広場の桜と忠霊塔前の開花宣言木の2本です。
地上部の衰退度判定票の評価項目に沿って、樹形の乱れはないか、枝の伸び具合はどうか、幹や太い枝に傷や空洞はないか、葉の量や色はどうかなど、一つ一つ見るポイントを絞って評価して、点数を付けました。
樹勢診断実施後、メンバーそれぞれで評価した結果について、全員で確認を行ないました。
その結果、わずかではありますが、2本とも昨年度よりも樹勢が良くなっているという結果となりました。
樹勢はその年の気候等にも大きく左右されることから、今後も注意深く観察していきます。
樹勢診断後、桜守から竹筒を使用した土壌改良について紹介しました。
桜の根元に穴を空け、空気管の役割をする竹筒を挿入し、周りを肥料を混ぜ合わせた土で埋め戻します。
踏圧によって硬くなった土は、水はけと通気性が悪くなってしまいます。それを改善するために有効な方法であると言われています。
続いては、その土壌改良の際に使用する竹筒を作成する作業を行いました。
半割りの竹の節を取り除き、筒状に結束後、中に黒曜石パーライトを詰め、水と空気が通るようにします。
日頃、桜守2人で行っている作業ですが、大勢のメンバーで工程別に作業することで、短時間でとても多くの竹筒を作ることができます。ここで作成した竹筒は、桜守が高田城址公園の桜に施す土壌改良で実際に使用します。ご協力いただいた参加者の皆さん、ありがとうございました。
次回の活動は8月23日(月曜)、オーレンプラザにおいて桜の害虫「コスカシバ」防除対策についての講習会を行います。
今年度2回目の活動を行いました。当日は好天に恵まれ、夏の近づきを感じながらの作業となりました。
初めの作業は、土壌改良です。
使用する堆肥は過去の活動で作ったものです。
施肥場所である見本園まで、リアカーに積載して運びます。
50cm×100cmほどの穴を樹の周りに4箇所掘り、石を除去し、堆肥を混ぜたら埋め戻します。
特に掘削は土壌の固い箇所も多く、なかなかの重労働です。
続いての作業は、コスカシバ防除用交信かく乱剤の設置です。
害虫・コスカシバは雌が出す性フェロモンと言う物質の匂いに雄がひかれて出会い、交尾・産卵します。この製品には性フェロモンが封入されており、それを枝にかけることで雄が混乱し、雌に辿り着けず、結果的に増殖を防ぐ効果につながります。その効果は木の高いところに設置するほど高いとされるため、一同、安全を確認しながら、支え合い協力して取付けしました。
今回の活動の最後は、見本園の桜への看板取付け作業です。
見本園が整備され、様々な種類の樹が植えられてから年月が経過し、樹名が記された看板も老朽化や欠損が目立つようになったため、プロジェクトJでは桜の折れ枝などを利用したプレートを手作りし、設置することにしました。
想いを込めて、一人ひとり樹の名前を記入していきます。
見事な風合い、でしょう
設置するところまでが手作りです。見本園が見る見る、華やかになりました。
今回ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
次回の活動も土壌改良、樹勢診断、桜守の活動紹介、竹筒作りなど、盛りだくさんで予定しています。
今年度最初の活動を行いました。当日は天候にも恵まれ、心地よい汗をかきながらの作業となりました。
初めの作業は、お礼肥えです。豪雪の被害に遭いながら迎えた今年の春も、桜はいつも以上に見えたほど、綺麗に咲いていました。
咲き終えて疲れている桜が、これから来年の開花に向けて力を蓄えていきます。
枝先の下辺りがポイントです。
「今年も綺麗な桜をありがとう。」参加者一同、感謝の気持ちを込めて肥料の施用を行いました。
お礼肥え作業の後、今年度最初の活動にあたり、高田城址公園桜長寿命化計画の第二期計画(5か年計画の今年は3年目)について事務局からその概要を説明しました。
その後、数名ずつに分かれて「幹周り測定」を行いました。
今後も活動の中で継続して行い、高田城址公園の桜の中で、幹周りナンバー1を決定する予定です。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
次回は土壌改良、スカシバコン取付け、見本園看板取付けを予定しています。
発行年度 | 通算発行回数 | 発行年月 | 桜プロジェクトJ通信 |
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令和3年度 | 第21号 | 令和3年12月 | 通信第21号 [PDFファイル/844KB] |
第20号 | 令和3年9月 | 通信第20号 [PDFファイル/718KB] | |
第19号 | 令和3年6月 | 通信第19号 [PDFファイル/924KB] | |
令和2年度 | 第18号 | 令和2年12月 | 通信第18号 [PDFファイル/1.26MB] |
第17号 | 令和2年9月 | 通信第17号 [PDFファイル/1021KB] | |
第16号 | 令和2年6月 | 通信第16号 [PDFファイル/576KB] | |
令和元年度 | 第15号 | 令和1年11月 | 通信第15号 [PDFファイル/1.08MB] |
平成30年度 | 第14号 | 平成31年3月 | 通信第14号 [PDFファイル/446KB] |
第13号 | 平成30年11月 | 通信第13号 [PDFファイル/671KB] | |
第12号 | 平成30年8月 | 通信第12号 [PDFファイル/1.03MB] | |
平成29年度 | 第11号 | 平成30年3月 | 通信第11号[PDFファイル/573KB] |
第10号 | 平成29年11月 | 通信第10号[PDFファイル/672KB] | |
第9号 | 平成29年8月 | 通信第9号 [PDFファイル/820KB] | |
第8号 | 平成29年5月 | 通信第8号 [PDFファイル/704KB] |
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