盗難防止対策の徹底を
令和2年7月に入り、市内において、電気柵機材の盗難が相次いでいます。
電気柵を設置している集落などは、機材に異常が無いか定期的に点検を行うとともに、異常があった場合は、中山間地域農業対策室または各総合事務所(農政担当)に連絡してください。
また、盗難防止対策として、機材を固定するなど、各自可能な範囲で対応をお願いします。
盗難防止対策の例
- 主電源装置は、柵の内側に、かつ人目に触れにくい場所に設置する。(道路から容易に見える場所には設置しない)
- アンカー(杭)を打ち込み、主電源装置を番線で固定する。
- 主電源装置に油性マジックやスプレーで集落の名前などを目立つようにペイントし、他者との識別を鮮明にする。
盗難に遭いにくい環境をつくり、電気柵の盗難被害を防ぎましょう
電気柵の盗難被害を防ぎましょう [PDFファイル/312KB]
電気柵は、正しく張って、しっかり守ろう
電気柵は、イノシシの農地への侵入を防ぐために効果的ですが、正しく張られていないと電圧が弱まるなど、十分な効果が得られないばかりか、逆に、電気柵自体が怖くないものという印象をイノシシに与えることになりかねません。
十分な被害防止効果を得るために、電気柵は以下の点に注意して、正しく張るように心がけましょう。
電気柵の仕組みとポイント
電気柵は弱いもの
イノシシやシカといった野生獣の農地への侵入を防ぐ柵を「侵入防止柵」と呼びますが、電気柵はこの1種であり、他に、金属製の網(ワイヤーメッシュ)などで物理的に侵入を防ぐ柵などがあります。
電気柵は、支柱と細い電線で農地を囲うように設置しますが、それ自体に物理的な侵入防止効果はほとんどありません。
では電気柵は、どのようにイノシシの農地への侵入を防いでいるのでしょうか。
電気柵はイノシシの心に響くもの
電気柵は、警戒心が強いイノシシの習性を利用したもので、「心理柵」とも呼ばれています。
イノシシは、気になるものがあると自らの鼻で触り、安全かどうかを確認します。
侵入しようとしている農地(食べ物があると思われる場所)の周りに電線が張られていれば、「これは安全なものか」と確認するため、鼻で触れようとします。
その時、バチっと感電したイノシシが「ここは危ない、近寄ってはいけない」と認識した結果、農地への侵入が防がれるという仕組みになっています。
しかし、正しく張られていないために感電しなかったり、感電したとしても十分な電圧がかからなかったりすると、「線があるけど、特に危なくないな」と認識し、そのまま農地への侵入を許してしまうことになってしまいます。
基本的な仕組み
電気柵の電線にはプラスの電気が、地面にはマイナスの電気が流れています。
イノシシが電線に触れることで、回路が通じ、強い電気が動物の体に流れる仕組みになっています。
線の高さは20cm刻みで
- イノシシが感電するのは鼻先だけで、それ以外の外皮は電気を通しません。
- 最下段の電線は、イノシシの鼻先(地上20cm程度)に来るようにし、2段目も20cm空けた高さとします。
電線の高さは常に同じ高さで
- 一般的に、支柱は2、3m間隔で設置しますが、高低差のある場所や地面が均平でないところは、イノシシが潜り込めるような隙間が空くことがあります。
- このような場合には、支柱を追加して、電線が常に同じ高さ(最下段が地上20cm程度)になるようにしましょう。
アースは深く・広く
- アースが埋められていることで、電気が循環し、触れたイノシシの感電につながります。
- その設置が悪いと、通電効果が半減しますので、完全に地中に埋めましょう。
- また、数本ある場合は、幅広く設置すると効果が高まります。
支柱のクリップは必ず農地の外側に向けて
- 支柱に電線を渡すためのクリップは、必ず農地の外側に向けて、イノシシが電線に触れる機会を増やしましょう。
- クリップが農地の内側に向いていると、イノシシが電線に触れることなく支柱をなぎ倒し、そのまま農地に侵入してしまいます。
柵の設置場所はイノシシの脚が土に触れる位置に
- アスファルトなどは電気を通しにくいため、道路の際に柵を設置すると、イノシシへの通電が弱くなってしまいます。
- 舗装道路からはできるだけ距離を置き、イノシシの前足が土に触れるように設置しましょう。
十分な電圧を確保
- せっかく張った電気柵も、十分な電圧がかかっていなければ、効果が得られません。
- イノシシの農地への侵入防止のためには、6千から8千ボルトの電圧がかかっている必要があります。
- テスターで定期的に電圧を測定して、十分な電圧がかかっているか確認しましょう。
- また、下草が伸びて電線に触れると、そこから漏電して電圧が低下しますので、下草はこまめに刈り取りましょう。