固定資産税の課税客体には土地、家屋及び償却資産がありますが、償却資産とは、土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産で、その減価償却額または減価償却費が法人税法または所得税法の規定による所得の計算上、損金または必要な経費に算入されるもののうち、その取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外のもの(これに類する資産で法人税または所得税を課されない方が所有されているものも含みます。)をいいます。(地方税法第341条第4号)
具体的には、法人や個人で事業を行っている方が、その事業を営むために用いている構築物、機械、器具、備品等が償却資産となります。
償却資産は、土地や家屋と異なり登記制度がないことから、所有者の方から所有状況を申告いただく必要があります。(地方税法383条)
1月1日現在事業の用に供することができる資産で、以下に該当するものです。
=申告対象、=申告対象外
取得価額 償却方法 |
10万円未満 |
10万円以上20万円未満 |
20万円以上30万円未満 |
30万円以上 |
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個別減価償却 |
(注1) |
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中小企業者等少額特例(注2) |
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3年一括償却 |
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必要経費または損金算入 |
(注1)個人事業主の方は、平成11年1月1日以後に取得した10万円未満の資産は、すべて必要経費となるため、申告対象外です。
(注2)中小企業等の少額資産の損金算入の特例制度を適用した場合は、償却資産の申告対象となります。
償却資産の対象となる主な資産は、以下のとおりです。
資産の種類 |
内容 |
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第1種 | 構築物 | 駐車場の舗装、土留、外構、カーポート、簡易物置、消雪設備、下水道工事、屋上看板等の広告設備、門、塀、緑化施設等 |
建物附属設備 | 受変電設備、自家発電設備、その他の建築設備、内部造作等(注) 賃借人(テナント)等が施工した内装・造作、建築設備等(注) (注)詳しくは、「家屋と償却資産の区分表」をご覧ください。 |
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第2種 | 機械及び装置 | 工作機械、印刷機械、土木建設機器、ブルドーザー、パワーショベル、その他の自走式作業用機械(ナンバープレートの分類番号が「0」「00~09」「000~009」で始まる建設車両)、食品製造加工機械、その他の各種製造設備等の機械及び装置等 |
第3種 | 船舶 | 遊覧船、ボート、はしけ等 |
第4種 | 航空機 | 飛行機、ヘリコプター |
第5種 | 車両及び運搬具 | 大型特殊自動車(ナンバープレートの分類番号が「9」「90~99」及び「900~999」の車両等) (注) (注)自動車税、軽自動車税の対象となる自動車は対象外です。 |
第6種 | 工具・器具及び備品 | 事務机、事務いす、陳列ケース、テレビ、パソコン、プリンター、コピー機、電話機、ルームエアコン、金庫、応接セット、レジスタ、自動販売機、測定工具、検査工具等 |
各業種共通
受変電設備、舗装路面、駐車場設備、屋外のガス・上下水道の埋設管、門、塀、外構、庭園、外灯、中央監視制御装置、看板、簡易間仕切、応接セット、ロッカー、キャビネット、ルームエアコン、テレビ、パソコン、コピー機、レジスタ、金庫等
業種別
固定資産税(償却資産)は、国税と取扱いが異なる点がありますので、ご注意ください。
税目 項目 |
固定資産税(償却資産) | 国税(法人税・所得税) |
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償却計算の期間 | 暦年(賦課期日制度) | 法人は事業年度、個人は暦年 |
減価償却の方法 | 旧定率法に応ずる | 定額法、定率法等から選択 (建物、建物附属設備、構築物は定額法) |
前年中の新規取得資産 | 半年償却(2分の1) | 月割償却 |
評価額の最低限度 | 取得価額の100分の5 | 備忘価額(1円) 即時償却の場合は0円 |
圧縮記帳 | 認められません。 (注1) | 認められます。 |
特別償却・割増償却 | 認められません。 | 認められます。 |
増加償却 | 認められます。 | 認められます。 |
少額の減価償却 | 損金算入したものは課税対象外 | 損金算入が可能 |
一括償却資産 | 損金算入したものは課税対象外 | 3年間で一括償却が可能 |
中小企業者等の少額 資産の損金算入の特例 |
課税対象になります。 (注2) | 損金算入が可能 |
(注1)圧縮記帳については、固定資産税では認められていませんので、圧縮記帳を行った場合は、圧縮前の取得価額をご記入ください。
(注2)中小企業者等の少額資産の損金算入の特例(取得価額30万円未満)を適用した資産は、償却資産の申告対象となります。
家屋の所有者が所有する建築設備(電気設備、給排水設備、衛生設備、空調設備、運搬設備等)は、本来家屋と構造上一体となって、その家屋の効用を高める設備であり、家屋として評価します。
ただし、以下のものは、家屋の評価対象とならないため、償却資産となります。
家屋の所有者以外の方が取り付けた家屋の附帯設備は、「特定附帯設備」といい、取り付けた方の所有する償却資産とみなします。
具体的には、賃貸ビルなどを借り受けて事業を行われている方(テナントの方)が、自らの事業の用に供するために取り付けた内装、造作、電気設備、給排水設備、衛生設備、空調設備等が該当します。
特定附帯設備は、テナントの方が償却資産として申告していただくことになります。
詳しくは「家屋と償却資産の区分表 [PDFファイル/118KB]」をご覧ください。
地方税法第348条、同法附則第14条に規定する一定の要件を備えた償却資産については、固定資産税が非課税となります。
地方税法第349条の3、同法附則第15条、同法附則第15条の2、同法附則第15条の3、同法附則第56条に規定する一定の要件を備えた償却資産については、固定資産税が軽減されます。
該当する資産を所有されている場合は、「固定資産税特例適用申告書」に必要事項を記入し、課税標準の特例に該当することが分かる書類の写しとともにご提出ください。
上越市市税条例第80条に規定する一定の要件を備えた償却資産については、固定資産税が減免となります。
該当する資産を所有されている場合は、「固定資産税減免申請書」に必要事項を記入し、ご提出ください。
上越市市税条例第61条第1項第4号に定める固定資産は申請により固定資産税が免除されます。具体的には、上越市企業振興条例で定める工場(過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法、地域未来投資促進法の適用を受ける工場)の新設・増設にかかる固定資産となります。
設備投資をご予定・ご検討される場合は、事前に産業立地課へご相談ください。企業振興制度による優遇制度に関する相談・手続きの窓口となっています。詳しくは「上越市の企業振興制度(産業立地課)」をご覧ください。
工場や商店の経営、駐車場やアパートの貸付など、事業を行っている法人や個人の方で、償却資産を所有している方は、地方税法第383条の規定により、毎年1月1日現在で所有する償却資産について、その所有状況を申告いただくことになっています。
(注)これらの書類を提出される場合は、申告書の「18備考欄」に添付書類の名称をご記入ください。
電算処理による独自の様式で申告される方は、毎年度すべての資産を、以下の形式で申告してください。
(注)提出される申告書に、お送りした申告書右上の「所有者コード」を記入いただくか、お送りした申告書を一緒に同封し、提出してください。
(注)電算処理方式で申告された場合は、原則として、当市の電算システムに種類別明細書の内容は取り込みませんので、各種制度の手続きのために、償却資産課税台帳の明細書を必要とする場合は、事前にご相談ください。
eLTAX(エルタックス)地方税ポータルシステムにより、所定の手続きにしたがって、申告データを送信いただく方式です。地方税法施行規則で定められた様式により、全資産及び変更内容(取得価額変更や耐用年数変更等)が分かるように申告してください。
(注1)当市からお送りした申告書の所有者コードを、eLTAX申告書の「所有者コード」欄に入力してください。また、種類別明細書も送付されている場合は、明細書の資産番号を、eLTAX種類別明細書の「資産コード」欄に入力してください。
(注2)詳細については、eLTAXホームページ(外部リンク)<外部リンク>をご覧ください。
(注3)電算処理方式で申告された場合は、原則として、当市の電算システムに種類別明細書の内容は取り込みませんので、各種制度の手続きのために、償却資産課税台帳の明細書を必要とする場合は、事前にご相談ください。
毎年1月31日(1月31日が閉庁日の場合は翌開庁日)
作成いただいた申告書及び種類別明細書は、以下の提出先にご提出ください。
(注1)郵送でご提出いただくこともできます。
(注2)ファックスによる提出は、受け付けておりません。
(注3)受付印を押印した申告書の控えが必要な場合は、切手を貼った返信用封筒を同封してください。
(注4)マイナンバー制度の導入に伴い、個人事業主の方がマイナンバーを記入した申告書をご提出いただく際は、番号確認及び本人確認をさせていただきますので、ご協力をお願いします。
上越市に所在する償却資産について、償却資産申告書及び種類別明細書を作成してください。上越市内に事業所等を複数有する場合は、主たる事業所でまとめて作成してください。
お送りした償却資産申告書及び種類別明細書について、記入例と以下の注意事項にしたがって、作成をお願いします。
なお、記入の際は、黒色ボールペンをご使用ください。
(1)資産内容が印字されている場合
(注)お送りしたすべてのページをご提出ください。
(2)資産内容が印字されていない場合
資産を実際に取得した年月(自家製の資産は、製作した年月)をご記入ください。
取得価額とは、償却資産を取得するために支出した金額をいい、引取運賃、荷役費、運送保険料、関税、その他その資産を事業の用に供するために直接要した費用を含みます。
なお、圧縮記帳の制度は認められていませんので、圧縮記帳額を含めた取得価額をご記入ください。
減価償却資産の耐用年数等に関する省令(耐用年数省令)をご確認ください。
(1)法定耐用年数:耐用年数省令の別表第1、第2、第5及び第6をご確認ください。
(2)中古見積耐用年数:耐用年数省令第3条の規定により見積もった耐用年数をご記入ください。
(3)短縮耐用年数:国税局長の承認を得ている場合、その耐用年数をご記入ください。
固定資産税の償却資産の評価は、償却資産の取得年月、取得価額及び耐用年数に基づき、賦課期日(1月1日)現在の評価額を算出します。
取得価額 × ( 1 - ( 減価率 ÷ 2 ) )
前年度評価額 × ( 1 - 減価率 )
(注)評価額が取得価額の5%を下回る場合は、取得価額の5%の額が評価額になります。
当市内に所在する全資産の評価額の合計が、課税標準額となります。
なお、課税標準の特例の適用を受ける資産がある場合は、該当資産の評価額に特例率を乗じた額を基に課税標準額を算出します。
課税標準額が、150万円未満の場合は課税されません。
ただし、免税点未満の場合であっても、申告は必要です。
税率は1.4% です。
課税標準額(1,000円未満切捨)×1.4%=税額(100円未満切捨)
調査について
上越市では、提出いただいた償却資産の申告内容が適正であることを確認するために、地方税法第353条及び第408条の規定に基づき、資料提供のご依頼、実地調査を行っております。
なお、調査に伴い、償却資産の申告内容の誤りや申告漏れが判明した場合は、修正申告が必要となる場合があります。その場合の課税は、資産の取得年の翌年度まで遡る(地方税法第17条の5第5項の規定により、原則として最大5年度分)ことになり、かつ過料や延滞金が発生する場合もありますので、ご了承ください。