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広報上越(2022年1月号 No.1120)Web版

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印刷用ページを表示する 掲載日:2021年12月25日更新

新市政のスタートと 新たな年の幕開けにあたって
文化を大切にした 希望あふれるまちに

上越市長 中川 幹太

 明けましておめでとうございます。
11月9日に市長に就任させていただき、早いものでもう2か月になります。

 私は20年前に、自然と歴史・文化あふれるこのまちと、人生を楽しみながら暮らしている人々にひかれ、桑取地区に移住しました。大阪や東京などで暮らしてきた私にとって、毎日が感動の日々でした。庭先に自生する山菜、集落を潤す豊富な水、玄関を開けると飛び込んでくる蛍、どこに星座があるのか見分けがつかない程の満天の星空、一夜にして広がる白銀の世界、そして互いに支え合いながら生活している人々…。地域を囲む山々には、燃料や家の材料となる樹木や、食卓を彩る四季折々の食材など宝物があふれ、茅かや葺ぶきの屋根や各家庭で使われている民具には、生活の知恵が詰まっていることを知りました。親鸞聖人、上杉謙信、前島密、川上善兵衛、坂口謹一郎など、多くの偉人がこの地で偉大な足跡を残しています。人口の減少と少子化・高齢化が急速に進む中にあっても、この上越市のあふれる魅力を子どもや孫に伝え、そして全国、世界へと発信していくことが、私たちの未来を切り開いていくことにつながると信じています。

 今年が希望と夢を生み出すスタートの年になるよう、地域が主役のまちづくりを推進するとともに、ふるさとへの誇りと愛情を育てる取り組みを実践し、今を生きる市民の皆様や次代を担う子どもたちが幸せになれるよう、誠心誠意、全力を注いでまいりますので、皆様のご支援、ご協力を心からお願い申し上げます。

 皆様にとりまして、この一年が幸多き年となりますよう心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。

(写真)

令和4年新年のご挨拶 変革の年と健やかな暮らしへの思い

上越市議会議長 飯塚 義隆

 明けましておめでとうございます。市民の皆様におかれましては希望に輝く新年を迎えられましたこととお慶び申し上げます。

 昨年は昭和61年以来の豪雪が市民生活に大きな影響を与えたことから、市に対し、早期の道路交通の確保や要援護世帯への除雪支援の期間延長などの申入れを緊急に行いました。また、新型コロナウイルス感染症対策として、生活困窮世帯等への支援拡大や事業者への継続的支援などの提言を行うなど、市民生活を取り巻く待ったなしの課題へ迅速に対応してきました。

 今年は、12年ぶりとなる市長交代に伴い行政の施策やその執行体制の変更が提案されています。改めて振り返りますと、日本国憲法93条には、首長と地方議員を住民が直接選挙で選ぶ二元代表制を取るとの規定があり、互いに抑制と均衡(チェック&バランス)を図りながら自治体を運営していくことが期待されています。そして、近年の多様化する民意を背景に、市議会の役割と責任は一層大きくなってきています。

 市政の大きな変革を迎えても、全ての市民が健やかに生き生きと暮らせるまちであってほしいという市議会の想いは変わりません。議員一同、これからも市民のより良い暮らしのため、全力を尽くして参ります。

 結びに、この一年が、市民の皆様にとりまして、健やかで幸せに満ちた年となりますよう、心からお祈り申し上げます。

(写真)

新春特集1 まちづくりのいまと未来を考える

皆さんは、自分たちの暮らすまちがどうあってほしいですか。
最近テレビや新聞でよく聞くようになった、国連が提唱する持続可能な社会を目指す目標「SDGs(エスディジーズ)」は、まちづくりに欠かせない考え方になりつつあります。
SDGsをテーマとした専門誌を発刊し、環境省の主催による「SDGsローカルツアー」をはじめ、これまで何度も上越市を訪れている指出一正さんに、日本各地のユニークなまちづくりの取り組みや、今後のまちづくりのヒントについて伺いました。

(写真)指出 一正(さしで かずまさ)さん
昭和44年群馬県生まれ。未来をつくるSDGsマガジン「ソトコト」編集長。有識者としてさまざまな省庁の委員を務めるとともに、全国各地の地域のプロジェクトに多く携わっている。

インタビュー

まちを面白がれる人がまちを面白くする人

(聞き手)まちづくりが活発なところや元気な地域はどんなところがありますか。

(指出さん)例えば、福島県の郡山市では、郡山の魅力や可能性を再発見しながら地域を盛り上げていく「こおりやま街の学校」という企画を行っていて、僕はそこの学校長をしています。ここでは、地元の楽器屋さんからウクレレの演奏を学ぶなど、地元の人たちが先生役として活躍しています。

 まちにはいっぱい魅力的な人がいて、その魅力的な人が先生になることで、いろんな人が「まちは面白いな」って気付く人が増えていくんです。まちを面白くする人は、まちを面白がれる人です。「よく見たら、これすごく面白い絵だよね」というような地域の魅力を発信できる、まちを面白がれる力をどう養うかが大事なキーポイントだと感じます。

「こおりやま街の学校」の学校長に就任した指出さん(写真)


(聞き手)よく「うちのまちには何もない」ということが聞かれます。

(指出さん)そう思うのは、その人が「まちに面白いことが起きている」と感じづらいからかもしれませんね。元気な地域で感じ取れる空気は、「まちに面白いことが起きたらうれしいな」と思う老若男女が多いことです。面白いと感じるには、自分が少なからず関われているかどうかが大事です。まちを面白くしている人が、同じ考えを持つグループ内でしか活動がなければ、「まちは面白い」という人は広がりませんし、まちの満足度も上がらないでしょう。だから、まちに関わっていることを、どうみんなに感じてもらえるか、気付いてもらえるかは重要ですね。

普段出会わない人たちが関われる関係「斜めの関係」をつくる

(聞き手)まちに関わってもらうためには、どんなことをしたら良いでしょうか。

(指出さん)「砕けた場」を創出するのが1つのアイデアですね。例えば、奈良県の奥大和地域では、芸術祭を開催していて、そこで僕も一緒に始めたのが「スナック」です。なぜ、スナックなのかというと、地元の人に来てもらいたかったからです。スナックには、地元の林業を営むお父さんや歴史ある寺のお坊さんまで来ました。そんな地元の人たちと、アートを観に来た東京や大阪の若者が、吉野杉とかお寺のことについてスナックで語り合う場が生まれました。地元の人が来やすいのは、スナックやバーベキューのようなふわっとしたものだったりします。カレーを食ベる会みたいなものでも良いんです。普段出会わないような人たちが関われる関係を、僕は「斜めの関係」と呼んでいます。水平にファンを増やす手法は30年も前からやっていることですが、それでもなかなか変われない状態を変えるには、斜めに何かが出ないといけないと思います。


(聞き手)砕けた場はどうやって作るのでしょうか。

(指出さん)みんなに役割を作れるかどうかですね。スナックでは、僕がマスターになったり、ママが切り盛りすることもあれば、飲みに来ていたお父さんが途中から手伝うこともありました。

 あと、お手本があまり完璧じゃないことですね。完璧じゃないから、「これなら自分でもできそう」と思ったり、「やってみたいな」って思って手伝ってくれるんです。奥大和では、芸術祭の流れの中から、スナックの看板を使って若い人が公民館だとかゲストハウスだとかいろいろな場所で自発的にスナックを開きました。この看板に火が灯ることで、みんなが何となく地域に関わっている、自分が面白いことに関わっているという感覚になるんですね。

 郡山市の「こおりやま街の学校」も、地元の皆さんと職員が一緒になって、一つずつ手作りで実施しているので、仲間に入るのに居心地が良いんですね。「自分も仲間になれそうだな」となりやすいので、非常に良い雰囲気ですね。


(聞き手)上越市では人口減少が課題となっている中、移住が期待されています。
市外に出た人がUターンなどで戻ってくるために、重要な要素は何だと思いますか。

 そこに、居心地の良い同世代のコミュニティがあるかどうかですかね。少し離れていても、同世代が地元で何をやっているかが見えていたり、そこに自分も足を運べるような仕組みがあるかどうかも大事かもしれませんね。


(聞き手)移住者を受け入れてまちづくりを考えていくに当たり、重要なことは何でしょうか。

(指出さん)佐賀市富士町の苣木(ちやのき)という集落では、集落の皆さんと博多のマウンテンバイクの若者が一緒になって、「エンデューロ」というマウンテンバイクの国際大会を開いています。この取り組みは、過疎地域活性化の事例で総務大臣賞をとっています。僕は「弱さの交換」と言っていますが、人口減少が進む苣木の先輩世代と、マウンテンバイクで自由に走り回れる山を借りたいけれどどこからも門前払いされていた博多の若者が出会って、苣木の集落から「うちの地域だったら使っていいよ」という話から始まったものです。

苣木集落のマウンテンバイクのコース(写真) 苣木の人たちが「自分たちのまちは面白い」と思うためには、行政が働き掛けることばかりではなく、何かがそこで起きることが大事で、何かが起きるためには、その地域の人たちも何かを受け入れたり、何かを交換するような気持ちがないと駄目ですね。移住者に対して「お前らは何をやってくれるんだ」、「昔は良かったんだ」と偉そうに言う人がいますが、「では、あなたは移住者に何をしてあげていますか」と。そして、過去のことしか話さない人たちのところに、若い人は来ません。なぜなら、その過去は共有できないからです。

 あとは、お金を渡すことだけが地域づくりではありません。対症療法的に行政が補助金を出したところで、すぐに続かなくなってしまいます。それは行政にとっても、地元にとっても幸せなことではないですよね。大事なのは、まちを面白くしたいなと思う気持ちが地元の人に芽生えることです。

未来を取り入れていく姿勢を育む

(聞き手)上越市にはさまざまな歴史ある建物や文化がありますが、どうアピールしていったら良いでしょうか。

(指出さん)まちの歴史の文脈から外れている方が、意外と人は集まりやすかったりしますね。例えば歴史好きな人向けの場を作ると、歴史好きな人は来るでしょうが、本当に来てもらいたいのは、おそらくそれを知らないタイプの人たちではないでしょうか。


(聞き手)では、例えば高田だったら、必ずしも町家や雁木でなくとも良いということでしょうか。

(指出さん)配合バランスみたいなものですね。例えば、林業が有名な奈良県の東吉野村にあるシェアオフィスには、地元の最高級の杉材で作られたテーブルが置かれました。でも、そこに同じように杉の椅子を置いた時点でアウトなわけです。地元の担当者いわく、「杉の椅子を置いたら、これまでの地域と何ら変わりない。クリエイティブなオフィスなのであれば、地域にないものを使うことがクリエイティブなんだ」と。そこには、ヨーロッパのデザイナーの椅子が置かれました。


(聞き手)最後に、今後の上越市のまちづくりに当たり、アドバイスをお願いします。

(指出さん)僕は20代の頃から上越に行くのが好きでした。そこで感じていたのは、上越は「自分のまちらしさ」をしっかり持っているということです。

 良いものをいっぱい持っている地域ほど、なかなかしんどいものです。「昔は良かった」という話になりがちですから。でも、昔のことは置いておいて、未来のことを語れば、赤ちゃんもその仲間に入れます。

 上越は未来の地域を作っていけるポテンシャルがたくさんある場所です。なので、「自分たちのまちらしさ」を更に輝かせるため、昔に戻ることを目指すのではなく、古いもので良いものを残しながら、未来を取り入れていく姿勢を育んでいくと、ますます「上越らしさ」が増していくと思いますよ。

(インタビューおわり)

私が変わる、上越市が変わる、世界も変わる Sustainable Development Goals

 国連が採択した「SDGs=持続可能な開発目標」に定められているのは、世界を変えるために合意された17の目標。どれもスケールが大きく、身近には感じづらいものもあるかもしれませんが、より身近な「地域」に置き換えてみるとどうでしょう。指出さんへのインタビューでは、私たち一人一人がまちを面白がり、できること、やりたいことから始めてみることが「面白いまちニアリーイコール暮らしやすいまち」につながっていくとお聞きしました。

 楽しみながら、そして仲間を増やしながら市内で活動している大勢の人たちのうち、5つの事例をご紹介します。

「斜めの関係」で地域をつなぐ人たち 中山間地域支え隊

 上越市で持続可能な社会を考えるときに不可欠な中山間地域。「中山間地域支え隊」として、さまざまな集落に出向いてボランティア活動をする中で、普段出会わないような人たちが関われる「斜めの関係」を築いているお二人からお話を伺いました。

株式会社ダイナム

千葉さん・小山さん(写真)千葉 逸太(はやた)さん・小山 美和(みわ)さん

 弊社では、創業55周年に当たり、お世話になった地域に恩返しをしたいと思い、上越市では中山間地域支え隊に参加しました。主に草刈りなどをお手伝いしています。

 初めは地域貢献を目的に参加しましたが、回数を重ねるうちに顔を覚えてもらえるようになり、私たちも「皆さんにまた会いたいな」と思うようになりました。地元の皆さんは温かい方ばかりで、まちで会った時に声を掛けていただいたり、作業後にお土産として、自分の田んぼで採れたお米で作ったお赤飯をいただいたときはうれしかったです。また、ストレスフリーな大自然を五感で味わえるので、心身共にリフレッシュできるのも良いですね。

 肉体的には疲れても、それ以上に得られるものがたくさんあります。作業後、心地良い疲労感の中、振る舞っていただいた漬物のおいしさ、地域の方との温かいつながり、参加するたび得られる新鮮な気持ちと感動は、実際に参加しないと体感できない良さだと思います。

牧区棚広集落の皆さんと(写真)

できること、やりたいことでつながっています 上越市で「まちを面白がる」人たち

みずいろ実行委員会

代表(写真) 代表 坂詰 つぐみ さん(電話:070-7475-3210)

青い花の道(写真) 「地元がちょっとでも元気になるように」と、「ぐるわーず」として10年以上活動を続ける中で、もうちょっと深く、そしていろんなことをやってみたいと思い、立ち上げたのがこの会です。フリーペーパーの作成をはじめ、小さい子からお年寄りまで、地域の人や地元の企業の皆さんと一緒に手作りのイベントを自由に楽しく行っています。これまで、直江津を青い花で彩る「青い花の道」のほか、令和3年は地元の小学生と一緒に直江津ショッピングセンターエルマールでTシャツを展示しました。
 継続することが大事だと思いますので、今後も「ゆるいつながり」で長く続けていきたいですね。

みずいろ実行委員会(外部リンク)<外部リンク>

柿崎を食べる会

代表(写真) 代表 長井 慎也 さん(電話:025-520-6003)

稲刈りの様子(写真) 「柿崎の魅力」を知ってもらおうと、柿崎の農家8人で19年前から活動しています。地元の酒蔵や頚城酒造の「和希水(わきみず)」のお酒の原料として使われる酒米や、新潟市の飲食店で販売・使用してもらう柿崎産コシヒカリを、大出口(おおでぐち)泉水が流れる東横山地域の棚田で栽培しているほか、干し柿やそば、長人参を作っています。

 昨年からは、地元の小学生と田植えから稲刈りまで一緒にお米を作っており、収穫したお米を使ったお酒を成人式の日にプレゼントしたいと考えています。

 高齢化で離農が進む中、農業に興味のある移住者をバックアップしています。定住者が増えていくとうれしいですね。

柿崎を食べる会(外部リンク)<外部リンク>

脇野田ゆかりの会

代表(写真) 代表 稲葉 摩利子 さん(電話:025-527-3270)

イベントの様子(写真) 北陸新幹線開業の2年前から活動しています。会の名前の由来は、上越妙高駅の前身であった「脇野田駅」から。「過去=歴史」に感謝し、故郷を大切にする思いを胸に、「現在=新幹線時代」に何ができるかを考え、「未来=明日」を担う若者や子どもたちにそれを伝え応援する…。そんな思いで、上越妙高駅やその周辺で活動してきました。

 現在は、若い仲間たちに「この先もここで幸せに生きていくためにも、共に地域を盛り上げましょう」と、市内各所で共にイベントをコラボ展開しています。誰かに頼まれたわけではなく、自分たちの想いを大切にしたこれらの活動は、絶やしたくないですね。

DIGMOG COFFEE(ディグモグコーヒー)

オーナー(写真) オーナー 大塚 いちお さん 仲町4-3-14(電話:070-2794-5701)

店内の様子(写真) 子どもの頃から慣れ親しんだ雁木通りで、その魅力を生かしたスペースを作りたいという思いから、コーヒーショップを開きました。

 コーヒーは仕事時間や休憩時間、読書や音楽、旅行やドライブなど、いろいろなことと相性が良く、たくさんの人と接点が作れます。お店では、さまざまなワークショップや期間限定の展示のほか、現在は自粛中ですが音楽イベントやトークイベントなども行っているので、いろいろな人に立ち寄ってもらえたらうれしいです。

新たな発想や出会い、趣味や自身の世界が広がるような、ここにしかない特別な空間を作れたらと思っています。

Digmog Coffee(ディグモグコーヒー)(Facebook・外部リンク)<外部リンク>

特集2 ジェンダーにとらわれず誰もが生き生きと暮らせる社会を

お話をうかがった皆さん(写真)

 「2021年 新語・流行語大賞」のトップテンに選ばれた「ジェンダー平等」。「女性だから」、「男性だから」といった性別に基づく偏見や不平等がなく、全ての人が平等に責任や権利や機会を持てることを意味する言葉で、「SDGs(エスディージーズ)=持続可能な開発目標」の17の目標のうちの1つでもあります。

 誰もが自分の能力を発揮し、生き生きと暮らすことのできる地域社会の実現について、日頃から問題解決に向けて活動している市民団体と、2つの市内事業所の皆さんと一緒に考えてみました。

問合せ:男女共同参画推進センター(電話:025-527-3624)


(聞き手)はじめに、「上越市の男女共同参画を推進する会」のお二人から、会の活動について教えてください

阿部さん
 「上越市の男女共同参画を推進する会」は、1995年に中国の北京で開催された「世界女性会議」をきっかけに設立されました。女性も男性も、家庭・地域・職場で平等に関わって参画できる社会となることを目指して活動しています。
 会では、女性の地位向上や人権に関するドキュメンタリー映画の上映会、勉強会などを開催するほか、市の「男女共同参画基本計画」の策定にあわせた提言も行っています。今後は次の若い世代の人たちからも参加してもらい、活動の輪が広がればいいなと思います。

池原さん
 私は、乳児を抱えて勤務していた40年ほど前、上司に退職を迫られました。その後も男性中心の労働形態や意識に苦労した経験と、いまだに差別の実態が改善されていない現状から、みんなが生きやすい平等な社会を実現していかなくてはならないと思い、活動を続けています。


(聞き手)事業所にお勤めの皆さんは、普段仕事をする上で性別の違いを意識することはありますか

松苗さん
 重いものを運ぶときに力のある男性に声を掛けることはありますが、特別に意識することはありませんね。私の職場では、責任あるポストへの登用も、性別に関係なく行われていると感じています。
 私は産休・育休や、リモートワーク制度を活用しながら勤務していますが、そういった制度があって、気兼ねなく使える職場環境があれば、女性も働き続けることができますよね。

畠山さん
 私はたまに「女性の技術者さんは珍しいね」と言われることがあります。私たちの業界は他と比べて感覚が少し古いのかなというところはありますが、仕事をする上では、性別に関係なく対等に接してもらえていると感じています。

田中さん
  職場でも家庭でも、性別によって役割が違うという感覚は特段ないですね。
 私の職場では、誰かが休むときにはほかの人が業務をフォローできる体制が整っているため、子どもが生まれたときには2週間の育休を取得することができましたし、普段から家事も育児も妻と分担しています。
 そういう両親の姿を見て育つ子どもも、きっと私と同じような感覚を持っていくのではないでしょうか。

矢澤さん
 私もそう思います。娘にも息子にも、大人になったときに家庭のことができるようになっていてほしいので、小さいうちからいろいろと教えるようにしています。

池原さん
 皆さんの職場では、昔と比べて良い状況になっていますね。
 しかし、私の知る民間の女性団体には「職場で不当な扱いを受けた」という非正規雇用の女性などから相談が寄せられています。また、民間の調査では新潟県の女性社長率が全国最下位であり、女性の社会参画がまだ十分に進んでいないことの表れだと感じます。この現状は、変えていかなくてはいけません。


(聞き手)誰もが自分の望む生き方ができる社会を実現するためには、どんなことを心掛ければ良いと思いますか

畠山さん
 例えば子育てのために一度仕事を辞めてまた就職したり、専業主婦・主夫になったりと、性別を問わず、ライフステージに応じていろいろな選択を誰からも批判されることなくできるのが理想ですね。

矢澤さん
 誰もが自分の思い描くように生きられるのが一番大事ですよね。小さい頃からの、いわば「刷り込み」のようなものはあると思うので、子どもたちが性別に基づく偏見を持つことなく育つようにしたいです。

田中さん
 私たちの世代と上の世代とでは、感覚が異なっている部分もあると思うので、「ちょっと違うんじゃないかな」と思ったときには、その気持ちを正直に相手に伝えることも大事なのではないでしょうか。

阿部さん
そのとおりですね。どんな小さなことでも、おかしいと思ったらお互いに口に出して、一緒に解決していくことで前進していくのではないかなと思います。

松苗さん
「男性だから」、「女性だから」と性別を前置きするのではなく、「この人は何が得意なんだろう」というポジティブな視点を持って、相手のことを考えられるといいですね。
デザインで例えると、「女性は柔らかい雰囲気が好き」「男性はかっこいいものが好き」という固定観念にとらわれがちですが、その逆であっても構わないし、そういった多様性を誰もが認められると、より良い社会になるのではないでしょうか。

(聞き手)お互いに思いやり、認め合える、そんな社会を私たちみんなでつくっていきたいですね。

私たちと一緒に活動しませんか

上越市の男女共同参画を推進する会ではメンバーを募集しています。

問合せ:代表の阿部さん(電話・ファックス:025-522-4654)

活動の様子(写真)

男女共同参画推進センター講座のご案内

道場 達郎(みちば たつお)センター長家庭や職場、地域における身近な男女共同参画をテーマに、各種講座を開催しています。
皆さんの参加をお待ちしています。

男女共同参画推進センター講座

 

このページに関するお問い合わせ先

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〒943-8601 新潟県上越市木田1-1-3電話:025-526-5111Fax:025-526-6111

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