3,000ヘクタールにも及ぶブナ林(1、2、3枚目)
炭焼きに使う釜(4枚目、5枚目)
名立区の南部に広がるブナを中心とした広葉樹林で、広さは3,000ヘクタールにも及びます。
明治の地租改正時に集落の共有地として不動地区の集落が取得し、薪炭山として利用されていました。現在の妙高市の西野谷・両善寺の2集落の入会も認めていたとされています。
大正2年の大凶作を受けて翌年頃から本格的な製炭が開始され、大正7年に不動施業森林組合(現在の不動生産森林組合)を創立して土地を組合に移管し、現在に至っています。
ブナ林のほとんどの面積を下瀬戸・上瀬戸・東飛山の不動地区3集落からなる不動生産森林組合が所有しており、市内最大の水道水源保護地域でもあります。
土砂崩れなどの災害によりたびたび林道が通行止めになることなどの理由から利用が少なくなっていましたが、平成28年度から県の指導を受けて本格的に間伐を開始し、間伐材を家具や木工製品の材料とするなどの活用を進めています。
令和2年からは、かつてブナ林で炭焼きを行っていた地域の方を指導者に炭焼きを開始し、試験的に販売を行っています。
不動地区の全世帯で構成される輝く里不動の会では、専門家から指導を受けて、ブナ林の活用を検討し、散策会やイベントなどを実施しています。
輝く里不動の会
先人たちが得、残してくれたこのブナ林は、私たちの誇りです。
市内最大の水源地でもあり、オウム真理教事件に倒れた坂本堤弁護士の慰霊碑もあります。SDGsの実現にも役立てられるよう、今後もしっかりと守り伝えていきます。
当時を想い、小さな窯で炭焼きも始めました。1時間ほど歩けば、頸城平野を一望することもできます。年に数度の散策会の時にしか入れませんが、市街の喧騒を離れ、心の潤いに、ぜひお出かけください。
「上越市「地域の宝」を認定しました」をご覧ください。