山頂の薬師堂(1枚目)、山頂の薬師堂に祀られている石仏(2枚目)
大神送りの行事の様子。旗をもって太鼓を叩きながら山頂を目指す(3枚目)
上正善寺集落はかつて3つの集落(中村・三ツ谷・善津)に分かれており、大神送りはそのうちの一つ、中村地区に伝わる小正月行事です。その起源は定かではありませんが、何百年も前から続いているとされます。
毎年1月の鏡開き後の最初の日曜日、「薬師」と呼ばれる山に登り、頂上の薬師堂の石仏(薬師如来)に榊や酒、切り餅等をお供えし、1年間の無病息災・地域安寧を願います。行きは「大神済度 おーくろやーえ」などと唄をうたいながら太鼓を叩き、「帰命頂礼薬師如来」と書かれた旗を掲げて山頂へ登ります。反対に、帰りは静かに下山します。
昔雪が多く、大神送りが出来なかった年に、山からオオカミが出てきて麓の子どもを連れ去り食べてしまったとの言い伝えがあることから、現在まで大雪でも休むことなく続けられています。
山頂にある薬師堂の石仏は、室町時代の作と伝えられています。
活動団体の大神送り保存会では、地元の小学校の総合学習の講師をつとめたり、行事への子どもたちの参加の受け入れを行ったりと、行事を次世代へ継承するための取組を行っています。
大神送り保存会
大神送りの特徴は、紅白のぼり旗を掲げ、太鼓を鳴らし、ほら貝を葺き、うたを歌いながら、山頂にある薬師如来像に「無病息災、地域の安寧」を祈願する行事です。
毎年1月、鏡開き後の最初の日曜日に執り行います。現在会員13名で何百年も途切れることなく継続しています。年々集落の人口減少や高齢化による保存会員の減少が大神送りの課題となっています。「地域の宝」の認定を契機に、町内会の全体行事とし、この伝統行事を継続していきたいと思っています。
「上越市「地域の宝」を認定しました」をご覧ください。