角間の棚田(1枚目)、棚田学校チラシ(2枚目、3枚目)
角間の棚田は、中ノ俣集落に面した場所にあり、天明元年(1781年)に用水開拓が行われた歴史がある棚田です。
中ノ俣川上流から水を引く用水のおかげで水の管理が比較的容易で、また、土質もよく上質なお米が採れ、中ノ俣の中では一等地と言われています。頂上付近にある展望台からの眺めは絶景で、四季折々に様々な表情を見せてくれます。
この地域は地滑り地帯であるため、1枚1枚の田んぼが保水のため小さく、大きな機械が入れないため、昔ながらの農法が守り伝えられてきました。それは自然と共存するための貴重な技能であり、角間の保全は、この技能や文化の伝承につながっているといえます。また、棚田は集落を地滑りから守る水土保全の役割、現代では貴重となった生態系を保存するビオトープとしての役割など多機能性を持ち、集落を見下ろす位置にある角間の棚田景観は、里山文化の象徴としてだけでなく、様々な機能や知恵と技術を守り伝える箱舟としての役割を果たしています。
平成16年から、かみえちご山里ファン倶楽部では、稲作技術とともに地域文化を学び継承することを目的に、棚田で米作りを学ぶ「棚田学校」を開始し、昔ながらの農法とともに、棚田の保全を行っています。
特定非営利活動法人 かみえちご山里ファン倶楽部
上越市西部中山間地域を拠点として、地域の自然、景観、文化、地域産業を「守る・深める・創造する」ことで、新たなコミュニティの創出と、持続可能な農山漁村を実現することを目的に活動しています。
大きな機械が入れない棚田での米作りのために必要な知識や技術は膨大です。稲や雑草の特性はもちろん、地質、発酵、水の流れ、風の読み方、ハサ用の材を育て、加工する技術、道具の手入れと修繕。微生物から獣にいたるまで、周りにすむ生き物のこと…。棚田で昔ながらの米作りをしている人々の能力は、あらゆる分野に渡って網羅されています。棚田の景観は、それが形になったいわば「里山文化と知恵の箱舟」と呼べるものです。
「上越市「地域の宝」を認定しました。」をご覧ください。