集落の入口(1枚目)、道草刈りの様子(2枚目)
集落鎮守の祭りの様子(3枚目)、ふれあいセンターに展示している宇津尾の記憶の原画(4枚目)
宇津尾集落は、春日山城跡の南、県道上正善寺高田線の下正善寺集落から約1キロメートル西側の、宇津尾砦、滝寺砦、トヤ峰砦といった戦国時代の3つの砦に囲まれた、山合いの集落です。
集落の2か所から鉱泉が湧き、明治時代には高田の奥座敷として人力車で旅館に乗り付けるだんな衆で賑わったと言われています。
宇津尾集落は古くは30戸ほど、明治時代以降、26戸前後の戸数を保ってきましたが、昭和30~40年代の高度経済成長期に高田地区への移住が増え、現在住人はおりません。
しかしながら、集落出身者の絆は深く、1月の新年会での顔合わせ、年2回春と秋の道草刈り、5月の薬師山山頂の薬師堂への薬師参り、集落の鎮守八幡社日吉社合殿の春祭り(4月)と秋祭り(10月)、8月の謙信公祭での狼煙上げ、そのほか正善寺工房の祭りなど、様々な地域活動が行われ、集落機能を維持しており、町内会としても存続しています。
平成25~29年度にかけて、町内会の方々により、集落の心象風景を絵で表現して記録した冊子『宇津尾集落の記憶』の刊行、その原画展や講演会など、集落の記憶を記録して次世代へ継承する取組みが行われました。
宇津尾町内会
やらざるを得ないこともあり続けてきた活動ですが、活動を続けてきている者としては、残していきたいし、継承していきたい思いがあります。集落出身者同士の強い絆で、住民はいませんが集落が守られています。
限界集落がたくさんある中で人が住まなくなった集落は市内に他にもありますが、自分たちは、「記憶」を「記録」したという活動に誇りを持っています。
「上越市「地域の宝」を認定しました。」をご覧ください。