上越市柿崎区東横山地区は、霊峰米山と尾神岳の麓に位置し、豊富な水資源に恵まれ、水稲はもちろんのこと、キュウリや人参などの野菜の栽培にも適した土壌であることから、古くから農業が盛んです。
地域の取組みとして、東横山町内会と柿崎の酒造会社の協力を得て、大出口泉水(平成の名水百選)の恵みが注ぎ込む棚田で酒米を作り、大出口泉水を使って酒を造っています。
また、田植えや稲刈りの体験イベントを実施し、人を呼び込む活動も行っています。イベントは一般の方から飲食店、地元小学校などが参加し、棚田を通じて地域の素晴らしさや自然の豊かさを伝えています。
柿崎区上中山集落加工センターで「コンニャク」「からし味噌」「えご」の製造・加工・販売を営んでいる「鰍蛙(かじかかえる)食品」があります。
代表の碓井文雄(83歳)さんは、地域おこし協力隊と地域の人含め3人で江戸時代から伝わる懐かしい食材を販売しています。
1日120個以上のコンニャクやえごの注文が入る程、手作りの食品は人気があります。最近では、関東はもちろんのこと、北海道や九州からもネット注文があります。
中山間地域の地形を活かして栽培した柿を「ホシガッキー・干し柿」として加工・販売を行っています。
令和4年度は、10月に収穫、11月に乾燥を行い、12月に6~7個入りの箱詰め40個と袋詰め75個を毎年買っていただいているリピーターと新規顧客に販売しました。
リピーターの定着によって棚田の維持・保全につながっています。
柿崎小学校6年生が東横山の棚田で酒米「越淡麗」の田植えを経験しました。
子どもたちの田植えの姿が棚田の魅力を伝える原動力となり、やがて、さまざまな交流につながることと思います。
引率された教諭は「棚田は地元の良さ、魅力がいっぱいあるところ。その魅力をつかんでもらいたいです」と話していました。
6月30日に1人の地域おこし協力隊が退任されました。
任期中には、下黒川小学校を対象に天然ワサビの収穫体験、大潟町小学校を対象に棚田での田植え体験など中山間地ならではの企画に取り組んできました。
中山間地域を大切に思う気持ちから、退任後も引き続き地域に定住されています。
水野集落に若い家族2組9人、下牧集落に熟年のアメリカ人1組2人が転入されてから、3ヶ月が経過しました。
このため、移住者のほか、原 移住・定住コンシェルジュや上越市2年目職員、地域の方を招いて、これまでの生活環境の感想やこれからやりたいビジョンなど、活発に意見交換を行いました。