この像は、像高42センチ、キリ材を用いた一木造で、目は彫眼、両足先は欠失しています。左手には未開敷蓮華(華が咲きそうな蕾の蓮)を持ち、右手は手の平を立てて五指を伸ばし、施無畏印(せむいいん)を結びます。当初は彩色が施されていたと考えられますが、現在は剥落して色は失われています。背面に「天文拾八年六月」の銘文があることから、制作は室町時代であることがわかります。(天文18年=1549年)
当市吉川区東鳥越の大光寺にある木造阿弥陀如来坐像の胎内にも「天文五年丙甲六月一日」の墨書銘が確認されており、両像ともに当地方の基準作となる遺例です。
昭和62年6月11日に旧大島村の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。