この像は、像高157センチ、寄木造で、目には玉眼を用いています。右手は施無畏印、左手は与願印を結ぶので、釈迦如来と思われますが、詳しい尊名はわかりません。顔のつくりは扁平で、背丈と裾張りのバランスの崩れなどの特徴から、室町時代後期の制作と考えられています。
伝承によれば、本像はかつては浦川原区の法定寺(真言宗)に安置されていた五仏の一軀でしたが、御館の乱(1578~1579年)の戦禍によって法定寺が焼亡した際、牧区大月の領見寺(現在は廃寺)に運ばれたものだといいます。現在は、牧歴史民俗資料館に寄託されています。
昭和52年1月31日に旧牧村の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。