この経典は、正式には「大般若波羅蜜多経」といい、木版刷りで、600巻に及ぶ膨大な経典群です。この経典は黄檗宗(おうばくしゅう)萬福寺の鉄眼道光(1630~1682年)という僧侶が、経典をより広く普及させることを願い、長い年月をかけて資金を募り、京都に大勢の彫師を集めて版木を彫らせたもので、「鉄眼版」と呼ばれているものです。
版木は萬福寺宝蔵院に保管され、国の重要文化財に指定されています。この経典は大変高価で、有力な信徒の援護がなければ一寺院に備えることはとても困難なものとされ、この地方の人々が顕法寺に格別に篤い信仰心をよせていたことがうかがえます。
昭和50年1月13日に旧吉川町の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。