この庚申像は、像高48センチ、幅45センチ、奥行き26センチで、安山岩製です。制作年代は不明です。
かつては角力(力くらべ、相撲)の神とされ、集落の若衆が力がつくようにと像に抱きつき、ゆさぶったと伝えられています。庚申信仰の対象とされる猿の顔面がはっきりしており、像の大きさも大きいものです。
明治時代の末期に神社の統合がなされ、そのときに中郷区の稲荷山、宮野原、福崎、江口集落に祭られた四社が合祀され、稲荷神社となりました。江口を除く三社は神明社で、江口集落の神社の社名はわかりませんが、庚申信仰の信仰対象である猿田彦命(さるたひこのみこと)を祀っていたといわれています。この像は江口の旧神社から移されたものです。
昭和49年2月8日に旧中郷村の文化財に、平成19年6月1日に上越市文化財に指定されています。