鍋屋町遺跡は縄文時代前期の遺跡です。遺跡からの出土品523点(うち上越市203点、柏崎市3点、個人317点)が指定されています。
土器・土製品483点には、深鉢・浅鉢・鉢の各器種と、土器片を加工した有孔円盤があります。また、土器には「多孔底土器」と呼ばれる焼成後の底面や底部側面に複数の穿孔を加えた特異ものもみられます。
石器・石製品40点には、狩猟・漁労具(石鏃・石錘)、採集・加工具(石匙・磨製石斧等)、装身具(玦状耳飾り)があります。
鍋屋町遺跡出土品は、土器様相に地方色が見られるようになった縄文時代前期において、新潟県域の地域性を示す資料であり、土器編年の研究において重要な位置を占めます。
さらに、開発による遺跡破壊の危険がある中で地元の研究家や有識者によって学術的な調査が行われたことから、文化財保護の歴史を物語る遺跡として学史的価値も高いです。