観世音菩薩像全体の様子(1枚目)、祭礼時の観音堂(2枚目)
円平坊集落にある、観音堂の本尊です。
縁起によると、文永8年(1271年)、後嵯峨天皇の子、宗尊親王より朝日奈三郎義秀に与えられた仏像とされています。義秀は仏像を守って諸国を巡り、弘安4年(1281年)にこの地で小庵を建てて小林円平坊(しょうりんえんぺいぼう)と称し、堂守となり仏像を守護したと伝えられています。現在の集落名は、この小庵に由来するとされています。
観世音菩薩は鋳鉄製で、像高は15センチメートル、制作年代は鎌倉時代とされています。秘仏であり、かつては33年に一度の御開帳でしたが、「生きている間に御利益にありつけない」という住民の声もあり、昭和39年からは17年に一度の御開帳となりました。前回の御開帳は、平成27年の祭礼時に行われました。
円平坊町内会では、観世音菩薩、観音堂及び周辺の維持管理や毎年9月1日の祭礼を行うほか、集落の歴史をまとめた冊子やマップの作成などの伝承活動も行っています。
観世音菩薩は、昭和56年1月10日に安塚町文化財に、平成19年6月1日に「鉄造観音立像」として上越市文化財に指定されています。
円平坊町内会
円平坊町内会は13戸、37人が住んでいます。(令和6年4月現在)
菩薩が安置される「観音堂」前の広場には、昔は遊具があり、ラジオ体操の場所として利用し、9月の観音堂の祭りも盛大に行われていました。観世音菩薩は長い間、地域を温かく見守ってくださいました。これからも大切に継承していきたいと思っています。
9月1日の観音堂の祭りにはぜひお越しください。
上越市「地域の宝」をご覧ください。