玉遊びの舞(1枚目)、天狗の登場「鞍馬山の大天狗、猿田彦根の命とは、イヤ、わがことなり。」と登場(2枚目)。
天狗と獅子の決闘の舞(3枚目)、横笛と大太鼓、締太鼓による演奏(4枚目)。
獅子天狗舞は、伊勢(三重県)から伝わったものと言われています。
一説には上杉謙信公が春日山城で、城兵の慰安と士気高揚のため演じさせたとも伝えられています。戦前までは地元の白山神社の祭、正月や盆、新築祝いの席などで舞われており、現在は市民芸能祭や地域行事などで披露しています。
獅子は、霊獣として悪霊を鎮めてくれる神の使いと考えられてきました。ところが、中正善寺の場合、霊獣である獅子も時にはおごり高ぶるので、天狗が登場し、こらしめてしまいます。
舞は、笛や太鼓に合わせ、獅子の舞う「悪魔払いの舞」、獅子が御幣を持ちセリフを言いながら舞う「御幣舞」、獅子が体を玉(神の魂)にこすりつけたり、口にくわえて踊る「玉遊びの舞」、そして天狗が登場し、獅子と戦う「天狗と獅子の決闘の舞」の4つの場面で構成されています。
現在は、「玉遊びの舞」と、天狗と獅子が織りなす様子がおもしろおかしく演出され、最後に勝った天狗が太刀を振り回し、舞台狭しと舞う圧巻のクライマックスの「天狗と獅子の決闘の舞」が舞われています。
昭和51年2月13日、上越市文化財に指定されています。
中正善寺獅子天狗舞保存会
獅子天狗舞の保存継承を目的に、活動をしています。披露の際は、獅子1人、四反持ち2人、天狗1人、太鼓1人、笛4人のフルメンバーで出演しています。
メンバーが減少して大変ですが、がんばって獅子天狗舞を続けていきたいと思っています。
かつては、市内各地域にある獅子舞を継承する団体と交流をしていましたが、近年は途絶えてしまっています。少子高齢化、過疎化などの課題を背景に、地域だけで継承するのは困難な状況にあるという話も聞いています。
「地域の宝」の認定を契機に団体同士で集まり、今の状況を情報交換をしたり、助け合ったりと交流ができればと思っています。
「上越市「地域の宝」を認定しました。」をご覧ください。