上越市では、平成11年3月に「上越市人にやさしいまちづくり条例」を制定し、男性も女性も、老いも若きも、障害のある人もない人も、ともに支えあい、助けあいながら、意識上の障壁を含む、あらゆる障壁のないまちづくりに取り組んでいくこととしています。
知らないことで誤解し、その誤解が偏見を生み、偏見が差別へとつながることがあります。
例えば、耳が聞こえにくい人がいます。そのことを知らない人が声を掛けた時、無視されたと誤解し、「いやな人」と仲間外れにしてしまうことにつながりかねません。
障害のある人などを自分より弱いと考え、優越的な立場から何かをしてあげようとの意識から、その人ができることまでも奪ってしまうことがあります。
例えば、目が見えない人がいます。白杖を持ち、道を歩いている時、周りの人がその人を抱えてあげようとしますが、逆に歩行を妨げ、心を傷つけてしまう可能性があります。
相手の立場に立って、相手の個性(特性)を理解し、相手の困っていることに気付いたり、行動に移すことが大切です。普段から、このようなことに心掛けてみましょう。
法令・制度等の存在によって、障害のある人などが機会の均等をうばわれることがあります。
「障害者差別解消法」や「男女雇用機会均等法」等のさまざまな制度の趣旨を理解し、個人の状況や特性によって差別せず、平等な機会を保障することが必要です。
このため市では、性別や個人の特性を理由とした差別をしないよう、事業者等に対し啓発チラシの配布や企業訪問を通じた啓発活動を行っています。
また、高齢者や障害のある人などの参加を意識していない地域行事、男性を中心とした町内会などの役員の選任や行事での役割分担などの地域の「慣行」も制度的障壁の一つと言えます。皆さんの身の周りではいかがでしょうか。
障害のある人や外国人など、情報入手の手段が限られてしまう人たちにとって、案内表示などによる情報伝達が十分でないと、必要な情報が得られなかったり、文化に親しむ機会をうばわれることがあります。
目や耳が不自由な人のために、音声案内、点字、手話通訳、字幕放送、分かりやすい絵文字やサイン表示などによる情報伝達を充実させることが必要です。
また、目が不自由で困っている人がいたら、進んで手助けを申し出る、耳が不自由で困っている人がいたら、手話、筆談、絵や身振りで分かりやすく伝えるなど、わたしたち一人一人にできることもあります。
日本語が理解できない外国人なども、目や耳が不自由な人と同じです。困っている人を見掛けたら、声を掛けてみましょう。
階段や、歩道・出入口の段差や通路幅の狭さなどは、障害のある人や高齢者などにとって、移動・利用する際の妨げとなることがあります。
施設や設備では、さまざまな状況の人が使うことを想定して、「ユニバーサルデザインの考え方」を取り入れた整備や改修が求められます。それができない場合でも、少しの工夫や配慮で改善できることがあります。
市では、「上越市人にやさしいまちづくり条例」に基づき「上越市人にやさしいまちづくり推進計画」を策定し、誰もが安全・安心で快適に暮らせる、あらゆる障壁のない「人にやさしいまち」を目指し、様々な施策に取り組んできました。
この計画は5年おきに改定しており、平成29年3月に、平成29年度から令和3年度までの第4次計画を策定しました。
第4次計画では、社会における障壁を取り除き、「高齢者や障害のある人、子ども、妊産婦、外国人など、日常生活や社会生活を営む上で何らかの配慮を必要とする人が安全・安心で快適に暮らせること」に重点を置き、それが「誰もが安全・安心で快適に暮らせるまちにつながる」という考えの下、その実現に向け各種施策を推進していきます。
市では、次代を担う子どもたちにユニバーサルデザインの考え方を広めることを目的に、小学生向け啓発冊子「広めよう「人にやさしいまちづくり」」を配布しています。