上越市では、「人にやさしいまちづくり」を進めるため、ユニバーサルデザインの普及・啓発活動に取り組んでいます。
ユニバーサルデザインについて理解を深めていただくとともに、市や市民、事業者が互いに協力しながらユニバーサルデザインに配慮した人にやさしいまちづくりを進めていきましょう。
ユニバーサルデザインは、障害の有無や性別、年齢、国籍などの違いにかかわらず、できるだけ多くの人に使いやすい製品や建物、都市空間、サービス等の提供を目指そうという考え方です。
ユニバーサルデザインという言葉を使い始めたのは、アメリカの建築家であり、工業デザイナーだったロナルド・メイス氏です。メイス氏は、ユニバーサルデザインを実現するための7つの原則を定めています。
写真1 絵文字サイン
写真2 手すりや小さい子ども用のいすのあるトイレ
バリアフリーは、高齢者や障害のある人が、建物や乗り物などを利用する際に不便を感じないで生活できるように障壁(バリア)を取り除くことをいいます。
ユニバーサルデザインは、高齢者や障害のある人だけでなく、みんなが生活しやすいように、まちづくりや製品・サービスの提供等を工夫することをいいます。
インドアスタジアムの観客席
車いす用の観客席スペースが、2席ずつ3箇所に確保されています。
入口
雁木の間に段差がなく、建物内には、視覚に障害のある人を誘導するための点字ブロックがあります。
排水溝の蓋
車いすの車輪や杖がはさまりにくく、また、すべりにくい構造になっています。
トイレブース
すべてのブースにベビーカーを入れることができます。また、ブース内の背面に手洗いスペースとともに荷物置きスペースが大きく取られています。
洗面カウンター
カウンターの下にスペースがあり、車いすでも容易に接近できるデザインです。
女性用トイレ内の小便器
女性用のトイレの中に小便器があることで、女性でも男の子をトイレに連れて行くことができます。
ゆったり駐車区画
高齢者、障害のある人、妊産婦や幼児連れの人などが優先的に利用できる駐車区画です。区画の両側にゼブラゾーンが設けてあり、安心して駐車や乗り降りをすることができます。
市は、だれもが安全・安心で、快適に暮らせるまちを目指し、市の施設をすべての人が利用しやすい施設にするための基準である「公共建築物ユニバーサルデザイン指針」を策定し、施設の新設や改修を行っています。
公共施設だけでなく、お店や企業でも、区画の広い駐車場やベビーキープのあるトイレの設置など、できるだけ多くの人が使いやすい配慮がされている施設が多くあります。
また、病気や加齢により尿漏れパッドや大人のおむつを着用されている方のため、男性トイレの個室にサニタリーボックスを設置するなど、時間や大きなお金をかけなくても、多くの人が利用しやすくなり、直ぐにでもできるユニバーサルデザインに取り組むことが出来ます。
皆さんの学校や会社はどうでしょう。ほかにも、どんなところがユニバーサルデザインか考えてみましょう。
弱い力でも簡単に使えるジャムやマーガリン
凹凸により目をつぶっていても区別できるシャンプー(左)とリンス(右)
ハンドルやレバーを操作しなくても手をかざすだけで使える水栓
そのほかにも、片手で開閉可能な歯磨きのキャップ、ワンタッチ式の傘、缶詰の蓋(缶切不要)、リモコン(ボタンの凹凸)など、身近にユニバーサルデザインがたくさんあります。皆さんも、家の中でユニバーサルデザインを見つけてみてください。
障壁を取り除き、誰もが安心・安全で快適に暮らせるまちをつくるためには、制度や慣行、施設や設備を整えるだけでなく、「心のユニバーサルデザイン」が必要不可欠です。
わたしたち一人一人がさまざまな人に立場に立って、思いやる・譲り合う・助け合うことが「心のユニバーサルデザイン」です。
例えば、点字ブロックが整っていても、その上で立ち話をしたり、自転車を置いたりしては意味がありません。また、案内表示や音声案内が不足していても、絵や身振りなどで必要な情報を伝えられる場合があります。
「心のユニバーサルデザイン」を実践することで、今ある施設や設備の機能が十分に発揮できたり、足りない部分を補ったりすることができます。
市では、市民のみなさんにユニバーサルデザインの考え方を広めることを目的に、啓発冊子「もっと知ろう ユニバーサルデザイン」を配布しています。
市では、次代を担う子どもたちにユニバーサルデザインの考え方を広めることを目的に、小学生向け啓発冊子「広めよう「人にやさしいまちづくり」」を配布しています。