(注)表中の捕獲頭数は、各年度内に市が捕獲証拠物を確認した個体数
市やJAえちご上越、新潟県農業共済組合(NOSAI新潟県)などの関係機関で構成する「上越市鳥獣被害防止対策協議会」では、これまで、鳥獣被害を防止するため、イノシシの侵入を防止する電気柵の設置や、年間を通した有害鳥獣の捕獲などの対策を進めてきました。
地域の皆さまのご理解とご協力により、電気柵の設置延長は年々増加の傾向にあり、令和5年度は約61キロメートルを設置し、累計で1,189キロメートルになりました。
猛暑渇水の影響により、令和5年度のイノシシによる水稲被害は、前年度より減少しています。一方で、イノシシ捕獲頭数を見ると、令和4・5年度は、3年度より大幅に増加しており、大雪及び豚熱の発生により減少した生息頭数が、再び回復してきたことが原因ではないかと考えられています。
引き続き、人的被害や農作物被害の発生を防ぐためにも、これまで以上に効率的かつ効果的な対策を進めなくてはなりません。
イノシシやクマの被害の防止には、根本的な対策となる「捕獲を進めて生息個体数を減らすこと」が重要であることはもちろんですが、このほかに「電気柵による鳥獣の侵入防止」と、「鳥獣が出没しにくい環境づくり」を合わせた「3つの取組」を地域ぐるみで実践していくことが、被害発生防止の効果を一層高めることにつながるとされています。
市では、令和2年度から「上越市鳥獣被害対策実施隊」を設置し、捕獲に関する専門的な技術と知識を有する「猟友会」会員から、経験豊富な107人(令和6年4月1日現在)を隊員に任命しました。
「上越市鳥獣被害対策実施隊」は、主に農作物被害が発生する夏場に、農地周辺に出没して被害を引き起こすイノシシを「箱わな」を用いて捕獲する任務に当たります。
隊員が捕獲活動を進めるためには、わなの設置や日々の見回りなどで地域の皆さんの協力が不可欠です。
鳥獣被害対策実施隊と連携しての捕獲活動に取り組みたい集落等は、市役所農村振興課中山間地域農業対策室または各総合事務所(農政担当)に御相談ください。
町内会と猟友会の協力作業(吉川区)
また市では、令和3年度から上越市鳥獣被害対策実施隊をサポートする「捕獲サポート隊」を設置し、捕獲活動にご協力いただける地域の方々から「わなの設置や日々のわなの見回りなど」をサポートしていただいています。また、傷害保険の加入や、誘因用の餌を支給するなど、集落の負担を軽減する取り組みも進めています。
電気柵はイノシシの農地への侵入防止に効果的ですが、正しく設置しなければ十分な効果が得られません。
イノシシがくぐり抜けられない高さに電線が張られているかなど、正しく設置されているかどうか、確認しましょう。
詳しくは、「イノシシ侵入防止用電気柵は正しく設置しましょう」をご覧ください。
屋外に放置された野菜くずや収穫されずにいる柿などは、イノシシやクマの大好物です。これらを適切に処分することが、イノシシやクマの出没を防ぐことにつながります。集落内でそのような場所がないか点検し、早くに除去してください。
このような状態は、鳥獣を引き寄せる原因の一つとなります。
また令和3年度から、鳥獣の出没しにくい環境づくりに向けて、住民参加型の「集落環境診断」進めています。「集落環境診断」とは、集落単位の総合的な獣害対策戦略づくりを集落の皆さんに参加していただき、現地の被害状況の把握や被害原因の分析から、対策の立案、対策の効果検証までを行っていくものです。
令和5年度は、次の2集落で取り組みました。
詳しくは、下記をご覧ください。