この像は、像高19.4センチ、青銅製で、台座を含めて一鋳で造られており、表面の仕上げは鏨(たがね)で行っています。垂髪(すいはつ)を結い、頭に三面宝冠を載せ、胸には瓔珞(ようらく)と呼ばれる首飾りをつけ、腰には裳(も)をまといます。右手はひじを曲げて掌を前に向け、左手は垂下して天衣(てんね)を軽く握っています。顔は童顔で、口元に笑みをたたえるような表情をしています。当初は鍍金(ときん)を施した金銅仏でしたが、火災に遭ったため鍍金は失われています。制作年代は、像容や鋳造技術から、奈良時代と推定されています。