この石仏は、像高85センチで、凝灰岩製、丸顔で目を伏せて軽く唇を結ぶ表情をみせており、笑みを浮かべているかのようにも見えます。
左手は掌を下に向けて膝の上におき、右手は胸前で掌を前に5本の指をたてる形の印相(いんぞう)を結んでいると思われます。
この石仏が「関山系」と呼ばれるのは、妙高市の関山石仏群(新潟県文化財)と材質が共通し、大きさや作風が似ていることから同じ系統ではないかと考えられているためです。また、寺伝によると謙信の時代に千坂太郎左衛門(ちさかたろうざえもん)が本像を関山から移し西光寺に寄進したされ、関山石仏群との関係を暗示しているようです。
この像が制作されたのは平安時代末期(12世紀末)と推定されています。
尊名は不明ですが、印相が奈良国立博物館所蔵(もとは東大寺法華堂)の弥勒如来像(平安時代初期)等と同じと考えられること、関山神社の石仏群を地元の方が「弥勒さん」と呼んでいることから、弥勒如来と考えられています。