この和鏡は、直径12.2センチで、鏡背(きょうはい:鏡の裏側)には全体に菊の文様を配し、下方には洲浜(すはま)を置き、2羽の小鳥が戯れている様子が描かれています。鏡面には「池上大明神 弘安元年十一月廿三日」と刻まれており、この銘文が制作年代を示したものかどうかは不明ですが、少なくとも鎌倉時代中期までさかのぼる制作と考えられています。
明治43年(1910年)に西松野木字池上の水田から発見されました。銘文の「池上大明神」についてはよくわかっていませんが、発見場所の地名「池上」と一致することから、この和鏡はかつてこの地にあった神社の御正体もしくは神宝として礼拝されていたのではないかと考えられます。
現在は西松野木町内会から上越市立歴史博物館に寄託されています。