この額は、縦130センチ、横252センチで、表額「春日山」と対になっています。林泉寺山門にかつて額として掲げられていました(現在山門に掲げられているのは複製品です)。「春日山」額に「藤原輝虎(花押)」と署名されていることから、対となるこの額も上杉謙信の自筆と考えられています。
「第一義」は、中国の仏教書で禅宗の語録を収めた『碧巌録』(へきがんろく)の達磨大師と梁(古代中国の国名)の武帝との問答の逸話に出てくる語句で、釈迦の悟られたあらゆる事物の真理を表す、とされています。「第一義」は、謙信の思想や人となりを如実に表したものとして広く知られています。謙信は、林泉寺の天室光育・益翁宗謙(やくおうしゅうけん)や京都大徳寺の徹岫宗九(てっしゅうそうきゅう)などの禅僧に学び、こうした教養を身につけたものと考えられています。