この文書は、3巻から成っており、堀氏が田端町(たばたまち)の魚介類と四十物(あいもの:塩魚類)の売買に関する権利を認めた文書です。写真の古文書は、田端町が福島城下にあった慶長13年(1608年)に領主堀氏が発給した掟書です。これには堀氏の領内のみでなく、他の領地から運ばれた魚介類も田端町で売買するように定められています。
仲町三丁目は当時、田端町と呼ばれていて、もともとは福島城下にありました。高田へ城下が移った際に、田端町は現在の仲町三丁目の場所へ移りました。この権利は、高田城下でも引き続き認められ、松平光長の時代以降、その権限は一層強まり、田端町がすべてを独占するようになりました。一方で、魚介類を多量に水揚げする今町(現在の直江津)には売買する権利が与えられなかったため、両町の間で争いが絶えませんでした。
田端文書は現在、上越市公文書センターに寄託されています。