国府別院は、親鸞が関東へ出立されるまで恵信尼や子どもたちとともに暮らしたとされる竹ヶ前草庵(たけがはなそうあん)の跡地に建立されました。
本堂は、文化2年(1805年)の建築で、入母屋造の金属葺、柱等には欅材が多様されています。正面、奥行きとも約16メートル(方9間)の大きさです。もともとは、正面8間の本堂として建てられましたが、強風のあたる北側に、後世に一間分を増築して現在の形になったと推定されます。
本尊の安置されている内陣は、天井だけでなく円柱や柱上で天井を支える斗供(ときょう)まで極彩色の華やかな装飾が施されており、このように荘厳(しょうごん)されることはまれで、市内では最も美しい寺院建築の一つといえます。
また、須弥壇(しゅみだん)に本尊である阿弥陀如来像と、親鸞像とを並べて安置することも大変珍しく、特色のある礼拝(らいはい)形態を示します。